私には…。俺には…。“絶対!!!!” vol.083 「あたしにも…、偶然かぃ。」
その声に遼、
「おぅ~っと、そうそう…。そりゃねぇだろ、俺。」
そして内ポケットから名刺入れを取り出し、
「僕、ここです。」
女性に自分の名刺を渡す遼。
すぐさま後ろを振り向いて出口に駆けて行く男性の背中に、
「ありがとうございました。」
そう言ってじっくりと名刺を見る女性。その瞬間、
「え――――――っ!!!カンベ・キッズ・ワールド。…って、瞳美の…会社の…人―――――っ!!!」
思わず真ん丸い目をして、そしていきなり肩の力を落とす春香。
「あぃや~~。何なのこれって…。あたしにも…、偶然かぃ。」
そして名前を見て、
「……。お・さ・な・い…、遼。ふ~~ん。…やるじゃん。」
「おぅ、遼、合流したか。彼女、どうした~???」
将史。
「靴屋に行って、靴…買っちゃいました~。」
遼。
「ふ~ん~、律儀なヤツ。…で…ハウマッチ???」
「6500円也~。」
「はぁ~~???…しっかし…。はは…。や~るねぇ~。」
「お蔭様で…。今日は…完璧に…、さ~びし~。」
「ふん。」
「…???…どうかしました…桐生さん…???」
「…ん…いや…。どっかで…、あの人…見たような…。…まっ、いっか…。さて…と…。」
「ほいさ。行きますか。」
「ふ~ん。さすがに、センスあるよね~童夢館。毎年コンペ勝ち取ってるの…分かる気がする~。」
ライバル会社の資料を隈なく見ながら瞳美。
「…けど、ある意味、見れば見る程、新しいインスピレーションが…湧くのも、オモチャ作りの面白いところだ。」
悟郎、自分の机の上から…。
「そして…、そんなオモチャがあるからこそ、子供は育って行くんですものね~。」
茉祐子。
悟郎、茉祐子の顔に向けて親指を立ててニッコリと…。
「へぇ~、茉祐ちゃん。たまには凄い事言うじゃん。」
智也。
その智也の頭目掛けて右腕を振りかざし、智也も防御に入る。
茉祐子の勢いもそこで終わり。智也、
「へっへへへへ…。」
茉祐子から顔を前に逸らした瞬間、右二の腕に、
「痛~った~~あ~あ~。」
茉祐子、下唇を尖らせ、そしてすぐに、
「にっしっしっ。」
右手のひらで口を塞ぐ。
智也、
「なにすんの~茉祐子ちゃ~ん。」
痛くて泣きそうな顔して智也。




