私には…。俺には…。“絶対!!!!” vol.082 「あ~、ここだ、ここだ。」
今来た道路を戻り交差点。
「ごめんなさい。わざわざ。」
女性。
「いえいえ、こっちこそ。うっかりでした。すみません。転ばせてしまって。」
遼。
「あの方は…???」
「あぁ…、仕事仲間です。大丈夫です。先に行ってもらいます。」
小声で…、
「どっかで…見た…???」
女性、左足を引きずりながら…、
「あ~んもう…、カッコ悪ぅ~。」
交差点を渡って右側に数分。
「あ~、ここだ、ここだ。」
遼。
「ひゃ~、助かった~靴屋…あったんだ~。ありがとうございます。この辺、全く分からなくって…。」
女性。
「どうぞ、中に…。」
「えっ。あっ、あ~、そうですね…。」
「この…靴と…同じのっと~。」
先に立って靴を探す遼。
「あのぉ~。私…探しますから…。」
女性。
「えっ、え~。でも…、僕が転ばせたのと…同じですから…。あっ、そっちか…。」
女性、男性を見ながらも、
「……。」
「あ~、あった、あった…。これこれこれ。あっ…、サイズは…???」
「あっ…。ありが…とう…。私が…。え…っと…。あっ、これ…ですね。うん。」
「…じゃ…、ちょっと…履いてみて…。」
「えぇ…。……。うん。大丈夫です。」
「良かった~。うん。」
そして女性が靴を脱いで…。
「じゃ…、これと…同じの…。あっ、これだ。」
そのまま靴の入った箱の中を見て、
「ヨシ。これですよね。」
「えぇ…。でも…、それ…。へっ…???あの…???」
遼、そのままレジに…、
「すみません、これ…お願いします。」
店員、
「いらっしゃいませ、ありがとうございます。」
踵の折れたままの靴を履き、引き摺りながらレジに女性。
「あの…、これ…。へっ…、あなた…???」
遼、
「すみませんでした。踵…折っちゃって。これ…、僕からのお詫びです。」
女性、
「そ…、そんな…困ります。そんな…見ず知らずの方から…。」
「でも…、この靴じゃ…、これから…。」
「それは…、その…。…そうですけど…。」
照れ臭そうに遼。
「ごめんなさい。受け取ってください。」
「でも…、その…。あの…。」
「じゃ、僕はこれで…。」
出口に向かおうと自分から離れる男性に、
「名前…、教えてください。」




