私には…。俺には…。“絶対!!!!” vol.008 「ようやく、元気が出たようじゃのぅ~瞳美どの~。」
春香、周りに頭を下げて、
「ごめんなさい。今…、あの子…、ちょっとイラついてて…。」
レジで会計を済ませてドアを開けて出て行く春香。
「なんなんだよ、あの女~~。気分~悪ぅ~~。」
将史。
店の外、
「…あれ…瞳美…???…ど~こ…???」
隣の塀に凭れるようにしながら…瞳美。
「ひ…と…み。」
瞳美の肩をトントンと叩いて春香。
「行こ。」
泣きながら瞳美、
「くやっ…しい~。なんで、あんなヤツに…あんなこと…、グスッ…、言われなきゃなんないのよ~。」
「分かった、分かった。泣かないの瞳美~。折角の美人が台無しだよ~。やっぱり…、いつもの店行こ。」
「春香~~。」
春香の左肩に頭を預けるように…。
そんな春香も右手で瞳美の頭を撫でる。
そしてタクシーを止める。
「すみませ~ん、運転手さ~ん……。」
そんな春香の声すら、瞳美の耳には入っていなかった。
そして15分後、
「ほい、ほい、ほい。着いたよ。降りる降りる。」
春香。
「あっ…、うん。」
そして、ビールを飲み、美味しいメニューを食べて、思い切り春香に慰められた瞳美。
「今日はありがと。」
春香に向かって後ろ向きで歩きながら瞳美。
「ようやく、元気が出たようじゃのぅ~瞳美どの~。はっはっは~。」
「うん。春香には感謝だよ。ありがと。ご馳走さまでした~、ふふ。」
「やっと、いつもの美人さんに戻ったか~。めでたし、めでたし。」
「さ~て、明日からまた頑張って、仕事探すぞ~。」
「その意気、その意気~。頑張りましょう。」
次の日も同じように、歩き回るのだが、中々どうして…。見つかるものでもない。
そして片や…。
「はい。桐生です。…あっ、はい、先日はありがとうございました。はい。はい…はい…は…い。…えっ…。」
最初の勢いは何処へやら…相手に応える声も一気にトーンダウン。
そして、仕舞いには、力なく…、
「わざわざ…ご連絡…ありがとうございました。失礼します。」
と、一応の礼儀を…。
そして、電話を切って…。しばらく放心状態。




