私には…。俺には…。“絶対!!!!” vol.007 鳩が豆鉄砲。
そんな声を聞きながら、傍にいる瞳美。自然に身体が震えて、握り拳。
それを見ていた春香…、
「ちょっと、ちょっと、瞳美。他人の言う事、そんなにイラついたって…。」
その春香の声が聞こえたのか…、どうかは…。
小さな声で瞳美、
「…結構手応えあったから、楽勝かも~~…ですって~!!!こっちは、手応えあっても、全く~~駄目!!!つぅ~のに~~…。」
「瞳美、瞳美。いいから、いいから、ほっときな。」
春香。
「…も~う、ダメ!!!」
いきなりその場を立ちあがる瞳美。後ろを振り向いて、
「ちょっとあんた!!!何、さっきから勝手な事、言ってんのよ。こっちは、こっちで、仕事探してもないのに、イラついてんのに!!!少しは、他の客もいるんだから、デリカシーってないの…!!!そんなおっきな声で。しかも…笑いながら…。」
そんな瞳美にいきなり驚いて後ろを振り返る将史、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔して…。
「あっ…。はぁ…。いや…。あの…???…いきなり…何…???」
「少しはデリカシーないのって…、聞いてんの!!!」
「はい???いや…、申し訳ない…。けど…。別に、あなたから、そんな風に、言われる筋合い…。はあ~~!!!」
真赤な顔して将史を睨みつける瞳美。
「あの…ね~~。何なんだよ、あんた。いきなり人の後ろに立って、何なんだよ、その言いぐさ。デリカシーも何もねぇだろ。客が言いたい事も言えないのかよ。酒飲んでてよ!!!」
「バッカじゃない。中には悩みながら、お酒を飲んでる客もいるんだから、そこら辺考えて静かにしろって言ってんの!!!」
「何だと――――――っ!!!!」
「おいおい、将史は~~、相手は女だぞ~。」
翔太。
「女だから何だってんだよ、えぇ~!!!店で、客が言いたい事も言えないっつうのかよ。ええ―――――っ!!!」
「あんたみたいな人、どうせどっからも採用なんて、来ないわよ。絶対にね。世の中、甘く見んじゃないわよ。バッカじゃない。そんな、へらへらしてる人に。」
「あんたにゃ、関係ないだろうよ。…ったく。いきなりなんだよ。あったまくんな~。」
呼吸を荒くしながら瞳美。後ろを振り向いて、
「春香、場所替えよ。こ~んな人いる店。迷惑!!!」
玄関に向かう瞳美。
「あっ、あっ…、瞳美~~。…んもう~~。」