私には…。俺には…。“絶対!!!!” vol.005 「トコトン説教してやる。」
「仕方ねぇだろ、全くのお手上げ状態なんだからよぉ。」
将史。
「だからって…、仕事辞めて、これからどうすんのよ???」
愛美。
「なんとか、なるんじゃないのぉ…。仕事くらい…。」
「出た。この軽率概念。軽っ。あのね。今…世間で、どんだけ大学生たちも内定もらえるか必死なの…知らない訳…ないよね…。」
「……。」
「それ分かってて、なんで、仕事、辞めるかな~~。マサ!!!」
「まま…、抑えて、抑えて、愛美ちゃん。」
翔太。
「この石頭。こうなったら、トコトン説教してやる。」
そして…。
「人に説教して、酔い潰れてりゃ、世話ねぇな…。」
将史。
「かかか…、久し振りに見たな、愛美ちゃんの説教。」
翔太。
テーブルの上で眠りながら、
「マサ~、仕事…辞めちゃ…むにゃむにゃ…。」
将史、
「おら、愛…、帰るぞ。」
愛美を負ぶさりながら、
「んじゃ、俺、こいつ、アパートまで送ってくわ。」
「おぅ…。俺じゃ、体力持たねぇわ。お前に任せる。…で…、変わんねぇのか…、やっぱ…???」
「あ~~。これだけはな。…多分…、俺のやってみたい事…。あそこじゃ…無理だし…。」
「愛美ちゃんじゃないけど…、相当の石頭だよな、おめぇは…。まっ、やりたいようにやってみろ。…こんな俺でも…、応援…くらいは…できっかな~。ははは…。」
「おぅ、当てにしないで、そんときには頼むさ。」
「一言余計だろうが…。かかか…。んじゃな。」
そして…、
「悪い愛…、鍵…借りるぞ。」
愛美のバッグから…。全く目覚めない愛美。
「やれやれ、飲み過ぎだっつうの…。」
ベッドに愛美を横にしてそのまま部屋を出る将史。
「さて、帰るか。」
そして…1ヶ月後…。
スマホに着電。
「あっ、はい。眞叶です。…はい、先日は…お世話になりました。…はい。…はい。…あ、あ~~。そうですか…。…いえいえ…、はい。ありがとうございました。」
スマホを持った左腕をダラリと…。そして右手で頭を掻いて…、
「んもう~~。まったく~~。」