私には…。俺には…。“絶対!!!!” vol.104 「だめだ。わりぃ、俺…帰るわ。」
新しい缶ビールをクーラーボックスから出そうと椅子から立ち上がった時に、
ようやく半ズボンのポケットに入れておいたスマホの着電に気付いて将史。
頭の中で、
「…はぁ~???…眞叶…???」
隣で愛美、
「何マサ…、電話…???」
「あぁ…プロジェクトのメンバーから…。…ちょっとごめん。」
イライラしながら瞳美、
「…んもう~何してんのよ~、マ~坊~。」
「はい。バーベキューしているマ~坊ですけど~。」
いきなり耳に響く将史の声。
「わっ!!!びっくりした~。」
「何驚いてんだよ。お前から電話しきておいて。」
「あっ、いや…。あっと~。大変大変。もう~一大事。あのね、しっかり聞いてよ。コンペにだすモデル、盗まれてる!!!」
「はぁ~???盗まれてる~~!!!どうやって…???まだデモの段階なんだぜ。んなの…あり得ねぇだろ。」
「あり得ないならいいわよ。でも…。とにかく、これから私が言う名前のサイト見てみて。……。こんな事されたら一気に広まっちゃう。どうもこうも…。私、これから会社行くから。」
「…あぁ分かった。けど…、いいかぁ…ひとりで突っ走んなよ。」
「うん、分かってる。」
そして、瞳美との電話を切り、
「……~っと~。…おっと、あった、あっ!!!」
スマホの画面に表示された画像を見て、将史。
「はぁ~???なにこれ…!!!うそだろ!!!あり得ねぇだろ。まだ出来てもいねぇモデルが、なんでここにあんだよ。」
その将史の声が少し大きすぎた。
傍にいる愛美、果南、そして翔太も康も…。
「何…どしたのマサ???」
「何々…???」
「何かあったのか…???」
「どうしたんです、桐生さん…???」
将史、
「…ん。あぁ…。」
次第に高鳴ってくる鼓動。あちこちキョロキョロとしながら…。
「ほら~マサ。座って、座って。」
愛美。
「…ん。あぁ…。」
口を捻じ曲げながら…。
「だめだ。わりぃ、俺…帰るわ。」
いきなり腰を下ろして3人に右手を立てて。
「え~~!!!なんでよ。どうしたのよ~。」
愛美。
「なんだよ???」
翔太。
「ちょい…、仕事で…、なんか…、トラブル。会社…行くわ。」
3人、
「はぁ~あ???」
そのまま場所を離れる将史。将史の後を追う愛美。
「ちょっと…、マサ!!!」




