「すみません、課長…、早退します。」
「えっ…、えっ…???…い…、今…、課長…なんて…???」
瞳美。
菅谷一哉、
「…い…、いや…。そんなに何度も言わせんなよ。…仕方ないんだよ。上からの命令で…。」
「い…いや…。…だって…、私…、まだ…、20代…前半で…。周りの人…。」
「だから~~眞叶~~。分かってくれよ~~。周りの人、みんな…お前より歳、いっていると言うのは分かってる。…なんだけど…。その…なんだ…。お前だって分かるだろ…???」
瞳美、威風堂々と、
「いいえ。分かりません。こう見えてなんですけど、ちゃ~んと、新入社員で入社してますから。」
「まま…、それは分かって…るんだけど~。」
「じゃ~なんですか…???」
「瞳美ちゃん。お願い、分かってくれ!!!」
「は~あ…???」
「つまり~。瞳美ちゃん以外は…み~んな…結婚してるって事…。分かるでしょ。家庭があんだよ~~。」
瞳美、その言葉を聞いた瞬間。目に涙を溜めて、涙声に…、
「分かりました…。失礼します。…すみません、課長…、早退します。」
「おお…、おい。眞叶~~。」
そのままドアに振り返り、ドアをバン。菅谷、
「…やれやれ…。やってくれるよ、上も…。一番のヒットメーカーを…。ったく~~。あいつ…、いなくなったら…、どうすんだよ、ウチ…。」
つかつかと自分の席に戻って…、周り、野口亜季、
「ええ…、どしたのよ瞳美~???」
横川那津子、
「へっ…、瞳美、まさか…泣いてる…???うそ―――――っ!!!!」
そして、窓側の川口秀人、
「おいおい、眞叶~~、おま…、一体…???」
瞳美、涙目のままで、
「もういい。私、午後から早退する。」
一同、
「ええ―――――――っ!!!!」
ドアをバンと閉めて出て行った瞳美。その後、ゆっくりと部屋から出てきた菅谷。
一同、
「課長――――――っ!!!」
「なんだよ!!!俺が一番困ってんだ。…けど、仕方ねぇだろ。」
そして数分後。
「え――――――っ!!!リストラ―――――っ!!!」
菅谷、
「…ったくよ~。」