1/9
青春①
「またね」
新宿駅の改札
手には大きめのバッグ。切符を買った彼女に向かって、僕は出来るだけラフを装ってそう言った。
「うん。ありがとう」
彼女も一言ぽつりと言って京都へ帰っていった。
10秒数えて僕は改札に背を向けた
1年前の夏
寝る前に1通のメールが届いた。
「ホンマに楽しかった。」
来た!
飲み会の後にみんなで交換したメールアドレスのなかから、一番かわいいと思う女子にメールした。
その返信が早速来た。
この夜は少しだけやり取りした。
寝よう思ったが、興奮して眠れそうになかったので、思わず四股ってしまった。
ああ・・・ああ・・・いけるきがするー!
二十二歳の僕
青い青い空しか見えない。