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n番煎じの異世界転生  作者: ココちゃん
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第51話

半分寝ぼけて書いてそのまま投稿してしまったらしく、辻褄が合わない部分があったので、修正しましたー。



「凄い!今の時間で全部倒したの?」



すぐに結界の中から出てきたアビエルは、開口一番、驚きの声をあげる。


「加減がわからなくて、素材回収出来なかったの」


「たまたま少なかったってことはないよね…こんなに魔石が落ちてるんだから」


話聞いてないな!


「スライムのどこ部位が必要なの?」


「リリは凄いな…べんりだ…」


ねえいま便利って言わなかった?


「アビエル?」


「ああ、うん。スライムはね、小さい魔石が欲しい場合は、今みたいな攻撃で、ゼリーが欲しい場合は、魔法で魔石だけを壊すんだ」


「アビエルが欲しいのはゼリーだよね?」


魔石なら毎日貢いでるし?


「そうだよー。とりあえず、この樽いっぱいに欲しいんだ」


えー!


「さっきまでなら、スライムここにたくさんいたのにー」


「え、でも、魔物たくさんいたら、魔石取り出すの大変だよね?」


「どうして?」


探し回らなくてもいいからむしろ楽では?


「魔石だけ壊すんだよ?」


「難しいの?」


「やったことないの?」


「ないよ?」


「…出来そう?」


「やってみないとわからないよ?」


アビエルが、何やら難しそうな顔をして心配しているみたい。

ここは主人として頑張るところだろう。


壊すということは、原子の配列を崩すってことかな?


「離れた場所に雷を起こす」やり方と基本的には同じだと思う。

でも、周りのゼリーは壊さないで、中の魔石だけを壊さなければならない。


このスライム、剣とかの物理では切りづらい。

形を変えても、結びつきが壊れないほどの安定した物質ってことだ。

でも、さっきの雷魔法では、一瞬でなくなった。

蒸発したのか、散らばったのかはわからないけれど、地面にはゼリー状のものは残ってない。


落ちていた小さな魔石を拾って眺めながら考える。


物理には強いけれど、なんらかのエネルギーがぶつかると化学変化を起こして形状が変化したってことか。

変な匂いしたことからも、気化したということも考えられる。

うわ、もしそうだったら吸っちゃったけど大丈夫かな。


まあ、何かあったらポーション飲も。


さっきの雷魔法を使った攻撃では、スライムのゼリー部分は消えたけど、魔石はある程度残った。

同じ攻撃をしても、同じ結果が出るだろう。


とりあえず、ゼリーは壊さないで、魔石だけ壊すイメージだな。


イメトレしつつ、ダンジョンの奥へと踏み出す。


「あ、ちょうど出てきたよー!やってみてー」


アビエルの、なんとも緊張感のない声が私に面倒なことをやれと依頼してくる。


難しそうだし、面倒だし、危険な気がするんだけど、アビエルのために頑張ろうと思う。


私の目の前には、ふよふよと寄ってくるスライムの塊がある。


半透明な癖に、どこに魔石があるのかは見えない。でも生きとし生ける魔物には、必ず魔石があるらしい。


目を凝らしてもどうせ見えないので、勘で勝負だ。


「氷結」


燃やすのもビリビリもダメなら凍らせるしかないよね。


たしか叩いたら冷える便利グッズあったよね。

あれは尿素だったか、硝酸アンモニウムだったかを水に混ぜると、吸熱反応を起こすのを利用したものだ。


H2O、水素が2個と酸素1個で水。


N2H4O、窒素2個と水素4個と酸素1個で、硝酸アンモニウムだ。


窒素と水素と酸素は、空気中にたくさんあるし、どうにでもなるよね。


変化させる時に、爆発とか起こりそうだけど、化学反応起こす時のエネルギーを私が供給して、化学反応起こした時に発生するエネルギーをまた私に戻るようにしたら大丈夫なんじゃないかな。

省エネ魔力循環ループだ。


よし。


コトンと、凍ったスライムが地面に落ちる。


「わお」


アビエルの相変わらず緊張感のない声が洞窟に反響する。


「魔石だけ壊すのって、やっぱり難しいかも」


やってみようとは思ったんだけど、イメージが浮かばなかった。

結果、丸ごと凍らせてしまった。


「うわー!カチンコチンだね」


アビエルが、床に落ちている冷凍スライムを興味深そうに眺めている。


「凍らせてみたんだけど、素材として大丈夫そう?」


「むしろ完璧だよ!瞬間的に凍らせたからか、素材の劣化部分がほとんどないんじゃない?凄いよリリ!

この方法で行けば、どんな素材も損なうことなく手に入る…さすがリリ!大好き!」


良かったらしい。


でもこんなんで良かったなら、やっぱりさっきの、うじゃうじゃな時にやりたかった。


あんまりダンジョンの奥には行きたくないんだよね。

帰り道、わからなくなりそうだし、たくさん歩いたら疲れる。

行った分、帰らなきゃいけないし。


ファンタジー補正で行った先に、出口への転移の部屋とかがあるかもしれないけれど、ない確率の方が高いよね。

てか、常識的に考えたら、そんな都合の良い設備なんてない。


「も、いい?」


完璧なスライムだし、1個で足りるといいな。


「え?何が?」


「スライム」


「え?この樽いっぱいって言ったよね?…もっとたくさんでも良いけど」


そう言えばそう言われてたわ。


むー。それにしてもアビエル、人使い荒すぎる。

いったい何に使うんだろ。まあ聞いてもわからないかもしれないけど。


グダグタしてても何も変わらないので、とっとと片付けますかね。


願わくば、スライムがどんどん湧いてこっちに来てくれるといいな。







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