第41話
「そろそろ魔物狩りに行かないといけないかもしれない」
おうちが快適過ぎて、かなりの期間引きこもってた。
あと、冒険者ギルドに行きたくないってのもある。
「リリ、魔物狩り行くの?だったら、オーガクラスの魔石いくつか欲しいな」
「んー、わかった。明日の朝、天気が良かったら行くよ。レオンもいい?」
「承知した」
「久しぶりだから、ゆっくり行こうね」
「ああ」
***
翌朝、日の出前に起きて、ササっと身支度をしてレオンと家を出る。
アビエルは、まだ寝てるか夜更かししてるのか、ダイニングには降りて来なかった。
いつものことだ。
アビエルに揃えてもらった防具は、多少ゴワゴワするけれど、それほど身体の動きを阻害するものではない。
ぱっと見、ごく普通の革の服なんだけど、そう見えるように加工しているらしい。
悪目立ちしたくないという私の意見を取り入れてくれたそうだ。良かった。
レオンも、あれからちょこちょこと防具を揃えていて、カッコいい感じになっている。
町の門を出て、南西へと進路をとる。
街道沿いには、あまり魔物が出てこないけれど、少し森へ入ると、ゴブリンが湧いてくる。
勿論、索敵の魔法によって、事前に把握済みだ。
倒した魔物は、その場で解体はせず、魔法のかばんに入れる。
とても作業効率が良い。
はい、既に魔物狩りは作業になってます。
もちろん油断はしないけどね。
「北北西2キロメートル先に、オーガらしき反応がある」
「数は?」
「1だね」
「行くか」
「うん」
コッチが風下だから、出来るだけ気づかれないように近づく。
1頭だけなら、レオンに戦いの勘を取り戻して貰おうかな。鈍ったようには見えないけど。
周囲への警戒レベルを上げながら、目の前の魔物に集中する。
レオンが前方から、行くぞのサインを出す。私がそれにうなづく。
瞬間、レオンがオーガに向かって走り出す。
一応、背後から忍び寄った形ではあったけれど、すぐに気付かれて、振り向き、攻撃体制に入る。
足止め魔法かけても良いんだけど、今回は1頭なので、よっぽどのことがない限りは、レオンに任せる。
私の魔法が使えなくなったりする時とか、たくさんの魔物に囲まれた時とか、日頃からの訓練がモノを言うんだよね。
レオンが一瞬でオーガをサクッと倒す。
レオン凄いカッコいい。
「北方向1キロメートルに、オーガ2頭いる」
「行こう」
「うん。見えたら雷魔法撃つね」
「頼む」
レオンが先頭で、私が少し後ろを歩く。
木の間から、二体のオーガが歩いているのが見えた。
瞬間、雷魔法を落とす。
オーガが怯んで、足をつく。
レオンが走りながら切り込む。
戦闘にかける時間は短い方がいいに決まってる。
久しぶりの魔物狩りだったので、魔物がたくさんいて、大漁だった。
何かの異変じゃなければ、ひょっとして私たちが魔物狩りしてなかったせいとか?
この町の他の冒険者さんたちは何してるんだろ?
「テンプレだと、冒険者ギルドの酒場には、荒くれ冒険者たちが、昼間からお酒飲んで大騒ぎしてるものなんだけどね」
「冒険者の少ない冒険者ギルドだな」
やっぱり少ないのか。
アビエルに頼まれた素材をよけても、大漁だったので、売り払うために仕方なく冒険者ギルドに来た。
あの嫌なお姉さんじゃないといいな。
ごめんなさい。書き溜めたものが尽きてしまったので、少し更新間隔が開きます。
気長にお付き合いいただけるとありがたいです!




