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n番煎じの異世界転生  作者: ココちゃん
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第15話




「よく毎日こんなにゴブリンが狩れますね」


「たくさんいる場所で狩りしているので」


冒険者ギルドの買取コーナーのお姉さんが感心したように言う。

可愛い系のこのお姉さんは、思ったことをつい口にしてしまうタイプだ。


「お二人のお陰で、ゴブリンの魔石はストック分も含めて充分買い取ることが出来ました。出来れば違う依頼も受けていただけないでしょうか」


「えー、私、最低のGランクだし、そんなに強い魔物は怖いです」


「あ、ランクは上がりますよ?こんなにゴブリンの魔石取ってきていただきましたし。冒険者カードお借りしますね」


受付のお姉さんは、有無を言わさず私の冒険者カードを持って奥へと消えていく。


「ランク上がったんだって」


「割と簡単に上がるんだな」


「そだね。ゴブリンしか狩ってないのにね」


「お待たせしました。Eランクになりました」


受付のお姉さんがニコニコしてカードを渡してくる。


「え、もうEランクなの?ゴブリンしか倒してないのに?」


いっぺんに2つ上がっちゃった。


「ここしばらく地元の人以外の新規の冒険者がいなくて、しかもこんなに毎日依頼をこなしてくれる方もいなくて、リリさんは今期待の新人さんなんです」


「えー、毎日って言っても1週間ですよ?」


「たいてい登録しても1日でもうリタイヤって人ばかりだったので」


「短かっ!」


大丈夫なの?この町の冒険者!


「昔冒険者で活躍してた人が、ここに住み着いてお店をやったり、騎士になったりで、一応、冒険者なんですが、自分の店の仕入れの分を狩れればいいって人が多くて」


「ふむ」


「そのお子さんも、一応は冒険者登録するのですが、親の店を継いだり、あと辺境伯の騎士の職を常時高待遇で募集していることもあって、地元の人が冒険者で生計を立てることがないんです」


「へぇ…」


そういうものなのか。


「この町も結構発展してるので、働き先はたくさんあるんです。ですので、身一つが頼りの冒険者は、余所の町から流れて来るのを待つしかないんですけど、最近、あまり人が来ないんですよね」


「遠いですしね」


「はい。まあ、軟弱な冒険者なら、居てもいなくても同じなんですけどね」


受付のお姉さん何気にキツい。

さすが辺境の町の冒険者ギルドってとこか。


「ひょっとして、Eランクにならないと受けられない依頼が溜まってるとか?」


お姉さんが目を逸らす。当たりか。


「私たち、Eランクって言われても本当に冒険者になったばかりの初心者だし、2人きりなので身の丈にあった依頼しか受けないですよ?」


「出来たらで良いですので、Dランクの依頼も検討してみて下さいね。これだけゴブリン倒せるなら出来ますからきっと」


なんか信用出来ないなあ。


これで私たちが死んだらしたらどうするつもりなんだろう。

レオンを見上げたら、レオンもそんな顔していた。うん、無茶なことはしないでおこうね。

でも、冒険者ギルドからのお願いだから無碍にも出来ないか。


受付を離れた私たちは、なんとなく依頼ボードを眺めてみる。


昼を回っているので、美味しい依頼は残っていないのかもだけど、数件の依頼は受けられないまま掲示されている。

依頼された日が、古いものも何件かあった。


「魔物の分布図とか、魔物の特徴とかの資料見に行こ」


「そうだな」


冒険者ギルドには、それらの資料が用意してあって、冒険者なら1回につき銀貨1枚で閲覧することが出来る。有料だからか、時間帯の問題なのかいつも誰もいない。

魔物の特徴図鑑みたいなものもあって、売ってるならこの本欲しいと思うのだけど、非売品らしい。カメラとかなさそうだし、書き写すしかないのか。


幸い、若返りの恩恵なのか、それがチートなのか、記憶力も上がっているようなので、見たものは覚えられてる。

ついでに文字の勉強にもなってて、レオンに読み聞かせしてもらった文章を丸暗記してる。


この辺りの地形についてだけど、この辺境の町が、人間が生息している北の限界地点と言われていて、ここより北側は未開地となっている。


元々、帝国の北側が、難攻不落の山岳地帯で、そこが人間限界地点だったのを、当時のとある貴族が、貴重な資源を求め、その山岳地帯を超えてなお奥へと開発を進め、辺境の町を作ったらしい。


山岳地帯は、帝国の東の国にも隣接しているんだけど、標高は高いし断崖絶壁で、人も魔物も行き来出来ない。つまり、東の国の北側は、絶対不可侵の山側ってこと。

今は山の裏側か帝国の辺境伯領になっているものの、不可侵なのは変わらないと言われている。


帝国の南隣には王国と呼ばれるシャムール王国がある。

つい半年前に、アストリア国と戦争して、勝った国だ。精力的に領地を増やしていて、帝国は強い危機感を抱いている。


王国の南にある国は、海に面していて、南の島国と盛んに交易してる。暖かい地方独特の文化を持ってるらしい。南の島とか行ってみたい。


あと、残念ながらエルフとかドワーフとかケモミミとかは居ないらしい。

この大陸は、人間が文化を形成していて、魔物が襲って来るという構図。未開の土地がまだまだあるので、今のところだけれども。


人間の外見、肌の色とか髪の色とかは様々なんだけれども、それらによって人種的な差別はない。ただし、犯罪者には厳しくて、悪いことをしたら命を持って償うことになる。


細かいことはまだ体感してないからわからない。あくまで、レオンが教えてくれたことと、冒険者ギルドにあった資料からの知識です。


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