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n番煎じの異世界転生  作者: ココちゃん
10/55

第10話



「攻撃魔法使ってみて?」



やはり魔法使いといえば、魔法で魔物をバンバン倒さないと。



「わかった」



レオンは何やらブツブツ呟いてから、手を前に出すと、突然バチバチと電気が発生して、50m程先の木に当たり、少しだけ皮を焦がしていた。


「すごーい!バチバチしてたよー!」


ファンタジーだよー!


「お前もやってみろ」


「え、魔法って、誰かの見ただけで出来るようになるものなの?」


「いや、さすがにそんなに簡単なものじゃない」


「何か呟いていたよね?呪文?」


「そんなところだ」


「何て?」


「…魔法学校で一般的に教えられる雷の攻撃呪文は、『天より遣わし雷よ 我の下に参られよ その大いなる力を我に与えよ…サンダーボルト』だ」


うわ、恥ずかしいな。

しかも、戦闘中にそんな長い呪文唱える余裕ないと思う。


「あれ?でもさっき、レオンそんなセリフ言ってないよね?」


よくは聞こえなかったけど、もっと短かった。


「魔法の使い方は人それぞれなのだ。

どんなやり方でも使えるようになれば、それで良い。お前は、光魔法を名称を呟くだけで使っていた。『サンダーボルト』と言えば使えるのではないか?」



「そうなのかな?…さんだーぼると!」


見事に何も起きませんでした。


さっきの恥ずかしいやつ言わないとダメってこと?サンダーボルトって言うのも結構恥ずかしいのに、天より遣わしなんちゃらとか厨二すぎる。

魔法、羞恥プレイか。


「やはりダメか」


テキトーか!ダメ元か!


「レオンは何て言いながら発動させてるの?」


再度尋ねると、レオンは嫌な顔をして、少し考えてからため息をついた。


「『雷様 雷様 お空の上からバチバチを私に与えて下さい』だ」


ぶは。


なんとなく察した。


小さい頃に雷の魔法が初めて発動した時のそまま、今までやってきたってとこか。

私は空気の読める大人なので、驚いたり笑ったり、詳しく聞いたりはしないでおこう。


やはり魔法は羞恥プレイで間違いないようだ。


「…イメージが大事なんだね」


「師もそう言っていたな」


レオンの魔法の師匠はドSらしい。


でも、この世界における魔法とはどういうものなのか、考察出来ればイケそうな気がしてきた。


「昨日、火もつけられて、水も出せるって言ってたよね?その時も何か言いながらやるの?」


「俺の魔法は雷属性だから、基本的には雷の精霊様に頼む感じだな」


精霊ときたか。この世界、精霊も実在するのか。


ん、まてよ。


「火で攻撃とかは出来なくて、発火するだけってこと?水も出せるだけで、攻撃的なことは出来ないの?」


「出来ないな。俺の魔力はそれほど高くないからな。それでも魔法を使える者が少ないので、俺程度の魔力量でも魔法学校に行く義務があったのだ」


そもそも、カミナリは雲の中の静電気が由来だったっけ。

発火も静電気だ。そして雲は水だ。

このあたりに正解がありそう。


「雷の呪文て、自分に落ちて来たりはしないの?『私に与えて下さい』だったら危ないんじゃない?」


「自分に落ちてもそれほどダメージはないな」


「落ちるんだ?!」


危ないよねそれ。


与える対象は、攻撃したいものに限定しないと。

レオンは手を前に出す動作をしていたから、先ずは自分の手に集めて放つってイメージなのかな。


普通に最初から攻撃対象で良いよね?


あと別に雷雲からもらわなくても、空気中には、水素も酸素もあるし、ようは物質の化学変化を人間の魔力という謎エネルギーでコントロールするってことなのかな。


雷ってことなら、水蒸気を氷にして、動かした摩擦で静電気発生させてバリバリ、だっけ。

あれ、氷をそのまま物理で突き刺すとかで良くない?


「お前、何を出している」


「氷?」


このまま氷の矢とか出来そう。形を鋭角にして。

あ、でもギザギザな方が抜けないしダメージは大きいのかな。でも氷だから、内臓に入ったら溶けちゃいそう。お、凶器が残らない完全犯罪出来るね。


さっきレオンが雷の魔法を当てた木を目指して放ってみる。


全然届かないし、威力もない。

でも、それっぽい方向には向かってるんだから間違ってはいないはず。


威力は、単純に魔力の量を調節すれば大きく出来ると思うから、まずはコントロールだ。

たしか、回転させると速くなるはず。野球のピッチャーのストレートをイメージ。


お、スッと飛んでいって木に当たった。


さっきより、コントロールと威力が増したけど、殺傷能力はないね。

回転数を上げれば良いのかも。鉄砲の弾のライフリングのようなイメージ。

これは少し魔力上げないと出来ないかも。


ピュンと飛んでいって木に刺さった。


よし、いける。

これに魔力を込めれば武器になる。


見えない速さで飛んで行って木が倒れた。


やり過ぎた。


「すごいな」


「んー、魔法難しいね。雷まで辿り着かない」


目指してたの静電気だったそういえば。


「いや、無理に雷にしなくても氷の魔法使いで良いのではないか?」


「これ、威力あるのかな?」


ファンタジーだと、攻撃魔法の定番は火とか雷だよね。


「木が倒れたぞ?」


まあまあかな。


「あと、魔法を組み立てるまで時間がかかるから実戦ではまだ使えないんじゃないかな。練習すればなんとかなりそうだけど」


「やってみれば良い。ちょうど倒れた木の奥の方から何か来てる」


「え!ちょっと!」


いきなり実戦とか。




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