第1章プロローグ
1つ聞きたいんだが,皆はどんなゲームがしたい?
誰しもが考える
【俺がやりたいゲーム!】
って思うものがあるはずだ
そしてそんなゲームはこの世にはない事の方が多い
こんなRPGがしたい、こんな音ゲーがしたい、こんなアクションゲームがしたい
思うことはそれぞれであろうが
俺が求めるゲームは「VRMMO」だった
VRMMOでしかも熟練度を育ててスキルを強くしていく。走れば足が速くなるし、泳げば泳ぎが上手くなる。剣を振れば剣のスピードも上がり、攻撃力も上がる
いわゆる完全スキル制ゲームだ
とにかく、俺が思い描くゲームは求めるものが多かった
実際、そんなもの存在しない
VRというものも漫画とかでよく見る世界に入り込む物もなく
まだ、開発段階で頭につけて体を動かすタイプで、VRMMO制作など程遠い
没入型VRMMOが完成している頃に俺は生きているのだろうか
そんな事を考えながら
俺、天崎 英二は自室のベッドの上に座り
「自分がやりたいゲーム」と名前をつけた携帯のメモ帳に設定を書いていた
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【自分がやりたいゲーム】
ゲーム開始時 初期装備 皮装備+各種武器選択(一度のみ)が装備される
初期行動ステータスオール1
行動毎にその行動に応じた熟練度が溜まる
熟練度が一定数溜まるとその行動のレベルが上がりステータスも上がる
例1)
剣技1Lv
剣を振るごとに数パーセントの経験値
例えば10回振れば1Lv上がるなど
(実際はもっと厳しい)
例2)
移動速度1Lv
最初は移動するスピードももちろん遅く
走ることはできない
移動速度が5Lvを超えると
走りのスキル欄が現れる
初期職業: 無職
設定された職業のステータス値を超えた時に
転職が可能となる
転職した場合、他の1次職には就くことができず、上位職を目指すことになる
基本は初期選択武器で選んだ武器のステータスが上がりやすいので、その職になりがち
(武器選択は慎重に行おう)
基本はプレイヤーが武器防具をつくり、世界に流通させていく仕組みで
見た目や性能はランダム生成であり
同じものはない
武器防具の名前は自分で決める事ができる
装備には等級があり、愚作、低級品、良品、優品、希少品、高級品、名品、伝説級だ
作成時のステータス、素材、運によりランダムで等級が決まる
課金ガチャ要素は見た目装備のみ
キャラ性能をあげるアイテムなどの販売は行わない
ゲーム開始時、唯一ひとつだけ
便利アイテムガチャを引く事ができる
(以降そういったアイテムはドロップアイテムを狙うしかない)
ドロップアイテムは基本的にカード形式でドロップする。素材、武器防具、アクセサリーなどなどがドロップじカードになる
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「ふ、我ながら良いゲームだ」
毎日のように消しては足してを繰り返し設定を作り上げていく
ないなら設定だけでも楽しむのが英二の楽しみ方である
そして、もう1つの楽しみ方は目を閉じて妄想でそのゲームをプレイする事だ
青春を謳歌する高校生とは思えない遊びだが、英二にとってこれこそが至高の遊びなのである
そして
目を瞑り想像する
今俺は森の中にいて、ゲームをプレイしている
ゲーム開始だ
「早速っと」
俺はいつもの妄想通りにこう唱えた
【ステータス】
ブォン
「ん?」
本当に音が聞こえた
「俺の想像もついにここまできたか」
ふふふ、、、
「でも、あれ?」
何かがおかしい
さっきまでベッドに座ってたよな?
まるで石の上に座ってるような感覚だ
目を瞑っていたせいか、何が起きたか分からなかった
周りの雰囲気はどう考えても部屋でない場所だ
自分が変態的な遊びが好きとはいえこんなにもリアルに妄想ができるわけがない
恐る恐る目を開くと
そこは英二がさっきまで座っていたベッドではなく
森であった
「は?」