自称アーサー
俺は目を覚ます。
確か学校に行く途中でその後の事が思い出せない。
……というより、今おかれている状況がわからない。
光がない。ただ今俺は椅子うえに座っている。不思議と自分の体と椅子は見える。後は何も見えない。
暗黒と静寂。
今はここから動かない方が良い。本当に何が起こるかわからない。
コツコツコツ
足音だ。遠くから誰かが近付いてくる。
やがて足音は近くまで来て鳴り止んだ。
かなり近くまで来てはいる。ただ何処に居るのかは全くわからん。
パチン
指を鳴らす音が聞こえ、すると灯りがつく。周りが宇宙みたいだ。
というより、宇宙の真ん中に座っているという表現が正しいのかな?
暗黒から一変、とても綺麗なところに変わった。
「見とれるは良いけど私の話を聞いて欲しいなぁ~!」
後ろから声が聞こえた。椅子から落ちないように後ろを振り返る。
そこに居たのは、金髪美少女。髪はロングでおろされていて、スレンダーな体つき。身長はだいたい俺より少し小さい感じがする。俺が一七〇センチ位だから、一六五位かな? 格好は白いワンピース姿だ。
こちらこちらで見とれてしまう。
「私に見とれちゃった? 私綺麗でしょ?」
「うん。綺麗だよ」
反射的にそんな事を言う。
何言ってるのか?俺は。
普段からそんな事は絶対に言わないのに。恥ずかしい。
「あっ、うん。ありがと…」
彼女もストレートに綺麗と言われ照れている。
気まずい。
「え~と、君は?」
とりあえず説明が欲しい。何でこんな所に居るのか。色々と。
「私?う~ん?そうだなぁ!」
そう言いながら彼女は俺の座っている椅子の正面に立つ。
「まず、これから言う事を信じてもらえるかな?」
中々自己紹介が始まらない。信じる何も言わないとわからないし……
「その内容によりますけど……」
「そっか~、信じてもらえるのか」
嬉しそうな表情でそんな事を言う。人の話を聞いて?内容次第と言いましたよ?
「私の名は、アーサー!勇者をやっています!」
「……は?」
「私の名は、アーサー!勇者をやっています!」
「いやいや、二回言わなくてもわかるから! アーサー? あの聖剣を持っている?」
「そうだよ。聖剣エクスカリバーは私が持っているよ! 凄いでしょう!?」
どう見たって、アーサーって感じしないし。何でワンピースなの?それに、聖剣は?手ぶらだし。
「凄いかどうかはわからないけど、ここはどこなの?」
俺は自称アーサーに質問する。
「ここ? ここは、う~ん、わからない。えへ!」
「……は? 何がわからないだ? ここに連れてきたのはお前だろ?」
「う~ん、連れてきたのは私じゃないし、私戦うこと以外はあんまりだし!」
「えっ、君がここに連れてきたのではないの?」
「うん。そうだよ~!」
「それに、ここがどこだかわからないと?」
「うん。そうだね!」
笑顔で嬉しそうに言う自称アーサー。
こ、こいつ、使えねぇ~
「そんな細かい事は気にしないでそれよりも、君には私の世界で一緒に戦ってもらうから!」
そんな事を言う自称アーサー。
「は? まず、お前の世界? 行かないし、なんの状況も知らない俺にそんな事を言われたら、行くと思う?」
「私の世界では、今魔王が活発的になったから、私一人では何もできないから、助けが欲しいの! それで神みたいな人が良いなぁ、って思って相談したら貴方が居たのよ! 神人君。よし説明は終わり!じゃ行こうか!」
笑顔で言う自称アーサー。やっぱりこいつは人の話を聞かないタイプだ。
すると周りが眩しい光が包む。
「えっ、ちょっ……」
目を開くとそこは知らない町。
「ようこそ、空木神人君。私の世界に!」
俺はこの自称アーサーに異世界転移させられた。マジで、迷惑だよ。
周一投稿という目標でやろうと思いましたが、今日は暇なのでまた書きました。
暇なときにどんどん書いていこうと思います。
ノルマは周一です。