6.
精霊共鳴者。
それは、精霊を見ることができ、話すことができるもののことを言う。
精霊との親和性が高ければ高いほど、精霊共鳴者としての等級が高くなり、精霊に力を貸してもらいやすくなる。
精霊共鳴者と共に有名なのが、精霊術師だ。
精霊術師とは、精霊と契約し、その力を借りて、不思議な現象を起こす者のことを言う。
精霊共鳴者だったとしても、精霊術師だとは限らない。
精霊共鳴者じゃなかったからと言って、精霊術師ではないとは限らない。
要は、その人自身の本質で、精霊と契約できるかどうかが決まる。
それゆえに、精霊共鳴者も精霊術師も、非常に少ない。
我が国で現在確認できる精霊共鳴者は、約100人、精霊術師に至っては、約30人しかいない。
それだけ貴重な存在なのだ。
貴族も平民も関係なく、精霊共鳴者になれば優遇されるし、精霊術師になれば国が諸手をあげて喜び、爵位だってもらえる。
だから誰もが精霊共鳴者になりたがるし、精霊術師になろうと努力する。
ちなみにアルバン子爵家の嫡男、次期当主様は、3級の精霊共鳴者で、精霊術師でもある。
そのため、個人で精霊子爵位を持っている。
現在は、寮に入って貴族院に通っている。
「では、始めるとするかのぉ。どちらから始めるのじゃ?」
「私からですわ!」
真っ先に手を挙げるお嬢様。
まぁ、そうだろうね。
一番が好きな人だから。
「では、この水晶に手を置くのじゃ。」
「はい!」
お嬢様が手を置いて少しすると、水晶の中に白い渦が生まれた。
「うむ。おめでとう。5級の精霊共鳴者じゃな。」
「きゃあ!やったわ、お父様、お母様!」
「素晴らしい!」
「さすが私の子ね!」
ゴホンッ
「では次に、そちらのお嬢さん。」
「はい。」
お嬢様がやったように、水晶に手を乗せた。
けれどいつまで経っても、何の変化もない。
「うむ。残念じゃが……」
私はそっと手を離した。
わかっていたことだ。
私に共鳴能力がないなんてこと。
だから、特に何も感じない。
「では、ワシはこれで。」
ご老人は盛り上がっている3人と、続いて私を複雑そうな目で見た。
姉妹格差なんて、どの貴族家でもあることだ。
そこに能力差が追加しただけのこと。
むしろここで、私に共鳴能力があった方が大変なことになる。
だからこれでいいのだ。
ご老人を玄関まで送り届け、今日の礼を言う。
「あまり、気を落とさんようにな。精霊共鳴者になる方が珍しいのじゃから。」
「ご心配、ありがとうございます。大丈夫ですよ。」
「そうか。ではの。」
「はい、お気を付けて。」




