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38.


色づいた葉が落ち、冷たい風が強く吹く頃。

私は、2度目の長期休暇を迎えていた。


お義兄様は、12月31日から1月1日にかけて行われる精霊祭の準備に追われて、黒白の塔に泊まり込みになっている。


精霊祭とは、精霊に1年の感謝を捧げ、次もいい年であるようにとの祈りを捧げるお祭りで、12月31日午後9時から1月1日午前3時に開催される。

普段なら眠っている時間帯ではあるが、その時ばかりは、国中が起きてお祝いをするのだ。

子どもの参加だって認められている。


王城では、国王陛下主催の夜会が開催され、他国からの使者も大勢参加される。


精霊祭は人間だけのお祭りではなく、精霊もこぞって参加するお祭りなので、毎年小さな奇跡が起きるのだとか。


まぁ、私は参加したことないけどね!

だって邸中の人が起きて騒いでいるから、遭遇したら大変でしょ?

色んな意味で。


本来なら夜会に参加すべきなのだが、開催時間が夜なので、私の事情により参加できない。

でも、お祭りには参加してみたい。

なので代わりに、精霊の姿で参加してみようと思う。

お義兄様にもそのように伝えているから、使用人はうまく誤魔化してくれると言っていた。

さすが、頼りになるお義兄様だ。



貴族院の寮からアルバン子爵邸に帰ろうとしていたら、驚いたことに、迎えの馬車が来ていた。

前回の長期休暇の時は、お嬢様は馬車だったが、私は歩いて帰っていたのに。


アルバン子爵邸に着くと、使用人たちが出迎えてくれた。

これにも驚いた。

そして、半分残っていた見知った顔が、一人もいなかった。

お義兄様が前に言っていた通り、解雇して新しく雇ったのだろう。

新しい使用人は、とても丁寧で優しかった。

いやいや働いているのではなくて、精力的に働いているのがよくわかる顔つきだった。


呼び鈴を鳴らせばいつでも来てくれるし、食べたい物や飲みたい物があったら、いつでも用意してくれる。

綺麗な服、美味しい物、自由な時間……

本当のご令嬢になった気分だった。


帰ってきてからの自由時間は、もっぱら本を読むことに使っている。

書斎の本が、ずっと読みたかったのだ。

どれだけ読んでも怒られない環境は、とても素晴らしいと思う。


今が冬でなければ、庭園でゆったり紅茶を飲みながら本を読めたのに。

そこだけが、少し残念だ。

けれど、窓辺で日差しに当たりながら、本を読むのもいい物だと思った。

時々、日差しのせいで眠たくなるけど、それはご愛嬌。


貴族院に通っている当初、アルバン子爵邸に帰るのが嫌だったけど、今は少し楽しいと思えるようになった。






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