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36.


魔物の森には、たくさんの霊脈が通っている。

その霊脈から溢れた霊力の塊から、精霊は生まれる。

だから魔物の森に、精霊の聖域が存在するのだ。


対して魔物は、霊脈から流れ出た霊力が変質して魔力となり、その魔力を浴びた動植物が魔物となる。

ついでに言うと、影魔は、魔物から漏れ出た純粋な魔力の魔物だったりする。


霊脈を閉じれば魔物がいなくなるが、霊脈が多すぎるので、実質は不可能だ。

万が一可能だったとしても、精霊も消えるし、全ての土地が枯れて、人間も生きていけなくなる。


だから、上手く付き合って生きていこうね、と言うわけだ。


霊力が変質する原因はいくつかある。

魔物の森には、霊力を魔力に変質させる花が存在すること。

霊力同士がぶつかり合って変質すること。

生物の死が穢れを生んで変質すること。


今わかっているのは、この3つの方法。

もしかしたら、知られていないだけで、他にもあるかもしれないが。


魔物の森には、魔力を浴びて魔物となるのと同様に、霊力を浴びて霊獣や霊草になる動植物も存在する。


だが、霊獣や霊草の霊力が変質するなんて聞いたことがない。

逆もまた然り。


「と、まぁ……色々話しましたけど、変質の原因と経路まではわかりませんでした。」


「…………そうか。ところでシャルフィーネ、これ、私が聞いてもいい情報なのか……?いや、ダメじゃないか?世界の真理を知った気分なんだが??」


「あぁー……まぁ………………えへっ。」


「おおう……」


お義兄様が崩れ落ちてしまった。

確かにちょっと、話しすぎたかもしれない。

でもうまく説明するには、それくらい話さなくてはいけなかった。


「えーっと、この病が、霊力と気力の過剰反発のために起きたことだけ報告すればいいかと思います。精霊に聞いたと言えば、突っ込まれないでしょう。」


「はぁ……わかった。そうする。」


「で、これが特効薬です。一人一匙で、一瓶50人分。それを二瓶で100人分用意しました。」


「それは……すごく助かる!!」


「あとこの腕輪。お義兄様用にどうぞ。守護の腕輪です。肌身離さずつけておいてくださいね。」


「いいのか?ありがとう。」


窶れた顔で話を聞いていたお義兄様も、守護の腕輪にはにっこり微笑む。

これで私のすべきことは終わりだ。

あとはお義兄様にお任せする。


「では、あとはお願いします。」


「ああ、いい感じにしておく。」


話が終わって気を緩めようとした時、お義兄様からも話があると言われた。

てっきり、私だけの用事かと思えば、お義兄様も私に用事があったらしい。






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