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31.


話は、次代の王位継承者に関わってくることだ。

現在は立太子されている者がおらず、次代に誰が王位を継ぐのか正式に決まっていない。


本来ならば、第一王子殿下が王太子に相応しいのだが、母君が亡くなっているため、後ろ盾が弱い。

そのため、第一王子殿下は王太子にはならないと正式な場で宣言している。

なので王位継承権は持っているものの、直系王族の中で一番低い第三位となっている。


順当にいけば、次に王太子に近いのは現王妃陛下を母にもつ第二王子殿下だ。

第二王子殿下は、剣の才能こそ低いものの政治面の才能はとても高い。

人柄もよく、人気も高い。

本来なら何の障害もなく王太子になれるのだが、問題は、2級の精霊共鳴者である第三王子殿下がいること。


国王陛下を含めた現在の直系王族の中で、精霊共鳴者であるのは第三王子殿下のみ。

それも、2級と言う親和性の高さ。

そう言う理由から、第三王子殿下を王太子に望む者が一定数存在する。

そして何より、現王妃陛下がそれを強く後押ししている。


つまり水面下で、第二王子殿下派と第三王子殿下を擁する現王妃陛下派が、牽制しあっているのである。


……最近までは。


そんな状況の中で、決定的な対立に繋がる事件が起きた。

前日まで元気だった、第三王子殿下が倒れたのだ。

正式には病であると公表されているが、その病が未知の病だったのだ。

原因も、経路も、治療法も、何もわからない病だった。


だから現王妃陛下は、病ではなく毒なのではと疑った。

毒だとすれば、誰が盛るのか。

そう考えた現王妃陛下は、心当たりがあった。

第二王子殿下のことだ。


そうして現王妃陛下は色々な人が見ている前で、第二王子殿下を糾弾した。


そのことが決定打となり、第二王子殿下派と現王妃陛下派の対立が表面化してしまった。



「……と、まぁ、そんな感じになっているの。貴族院でも、実家が第二王子殿下派の者と現王妃陛下派の者の関係が悪化していると言うわけ。貴族院は社交界の縮図だからね。」


「ちなみに、私とケイティは中立派。要は、王位継承の派閥争いには参加しませんって派閥。」


「……非常に、勉強になりました。」


「おそらく国王陛下も、どちらを王太子しするのか決めかねていらっしゃるのだと思うわ。でなければ、早々に何方かが立太子されているもの。」


「でも、これが内戦にまで発展したら、目も当てられないわよ。」


「戦争は……嫌ですね……」


「「本当よねー」」


3人同時に、ため息をつくのだった。






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