28.
お義兄様の宣言通り、翌日は朝から忙しかった。
私の新しい部屋は、お義兄様の部屋の横。
つまり、現在私が寝泊まりしている場所の横が、私の部屋になる。
お義兄様は残った使用人たちも信用していないのか、直接監修して、部屋の模様替えをしている。
私はというと、その間にドレスメーカーのマダムとお針子さんたちが来たので、絶賛採寸中。
採寸なんてされたことがないから、こんなにいろんなところを測るなんて思わなかった。
ドレス選びもそう。
すぐに着れるように、何着かは既製品を購入する。
見せてもらったドレスを身体に当てながら、自分に合うデザインと色を選ぶ。
すぐに着られるようにするために、現在進行形で、お針子さんたちが直してくれているけど、早すぎて手元が見えない。
さすがプロだと思った。
次にオーダーメイドのドレスを作ってもらう。
これはもう、大変だった。
布の色だけでも数百種類。
加えて、手触りや光沢なんかも決めないといけない。
訳がわからず目を回していると、お義兄様が助けてくれた。
その後は、お義兄様とマダムの独壇場。
2人して、ああでもない、こうでもない、あれがいい、これがいいと、次々にデザインも含めて決めてしまった。
私は途中から意識を遠くに飛ばしていたため、どんなドレスなのか、全てを把握していない。
もう、自由にして……
これで終わりかとホッとしたのだが、終わりではなかった。
これまで選んだのは、普段着と外出着らしい。
これから、夜会やお茶会用の華々しいドレスを選んでいくのだとか。
「……全部お任せしますぅ……」
私は早々に白旗を挙げた。
ドレスの次は、リボンや髪飾り、靴にバッグ。
………………………………………………………………はっ!
あれ?私何してたんだっけ?
気がついた時には、マダムとお針子さんたちは、すごくいい笑顔で去って行ったところだった。
いい取引ができて良かったですね?
「明日には、朝から新しく雇った使用人が来るから。その中から専属侍女を選ぼう。全身整えてもらって、午後から宝石店に行くから。」
………………
お義兄様、女の私よりも張り切っていませんか?
いや、いいんですけど。
もう全部お任せします!
頼りにしてますよ、お義兄様!
夕方には、私の新しい部屋の模様替えが終わり、お義兄様の部屋から引っ越すことになった。
とは言え、隣だからすぐなのだが。
壁紙やベットは緑を基調にして整えられていて、とても私好みになっていた。
お義兄様に任せて正解だったね!




