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23.


長期休暇が始まり、私とお嬢様は、アルバン子爵邸に戻ってきていた。

私はまた、朝早くから夜まで仕事をこなしていた。

私がいない間に埃が溜まっていた。

ここしばらくは、掃除に力を入れるはめになった。


そしてお嬢様はというと、水を得た魚のように、嫌がらせを再開させた。

生傷も絶えないが、小精霊たちが癒してくれていた。


そんな変わりばえのしない長期休暇のある日のこと、次期当主様が帰ってこられた。


去年貴族院を卒業した次期当主様は、精霊術師の職場である黒白の塔に就職した。

黒白の塔には寮があるので、寮に住みながら勤務をしている。

貴族院の時もそうだったが、時々私物を取りに帰ってくるくらいで、滅多に帰ってこない。

帰ってきた時でもすぐに戻ってしまうので、実に4年ほど顔を見ていない。


今回はしばらく泊まるそうなので、使用人たちは浮き足だって準備をしていた。


とは言え、私にはあまり関係のないことだ。

どうせ今回も。顔をほとんど合わせないままになるだろう。


次期当主様が帰ってきたところで、何が変わるなんてことはない。

いつも通り、変わらない日常が繰り返されるだけ。

まぁ、下拵えの皮剥きの量は増えると思うけど……些細なことだ。



地下の倉庫の頑固な汚れと格闘していると、地上の方が騒がしくなってきた。

一瞬お客様でもきたのかと思ったが、近々次期当主様が帰ってくることを思い出した。

帰って来る日は、今日だったらしい。

それなら今日の晩餐は、お祝いで豪華になるかもしれない。

そうしたら、残り物も多くなって、私の口にも美味しいものが入るかもしれない。

そう考えると、次期当主様が帰って来て良かったと思う。

私の気分は単純で、あっという間に上昇してしまったのだった。





私の部屋である物置き部屋で、私は一人、夕食の余韻に浸っていた。

お嬢様のお祝いの時も美味しかったが、今日はそれ以上に美味しかった。

少ししか摘めなかったのが、非常に残念だったのだが。


私は良い気分のまま、いつもの夜の散歩へ行くために壁をすり抜けた。


私が空を飛んでいると、すぐに精霊たちが近寄ってくる。

私の機嫌がいいのを察して、精霊たちも大喜びだ。

喜びすぎて祝福を少し落としているみたいだったが、悪いものではないので放っておいた。

気分の赴くまま遠出をしすぎて、いつもより戻ってくるのが遅れた。

多少遅くなったところで、まだまだ大丈夫と余裕をもって部屋に戻ると、そこには4年ぶりとなる次期当主様がいた。


……いや、なんで??


しばし見つめ合って、お互い固まってしまう。


どうしようかと考えているうちに時間が来てしまい、私は人間の姿に戻ってしまった。


そして再び、見つめ合って固まる私たち。


……いや、本当にどうしよう……






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