第3話 依頼
メリアに案内され数分、近くの草原に来た。
「ここに薬草があるの?」
「あの木の近くを見てください」
メリアの指差す方には大きな葉っぱが地面から生えていた。
「あれが薬草?」
「そうです、それをすり潰して水と加え、人間の飲みやすい程まで甘みを加えていくとポーションになります。
それが回復ポーションと呼ばれる物です」
「あれを集めたらいいんだよね?」
「はい、数枚集めてギルドに持っていき納品すれば依頼達成です」
「簡単だね、集めよう」
「はいミナミ様」
私とメリアは近くにある薬草を片っ端から集めた。
数時間後
どっさり。
沢山の薬草が集まった。
100?いいえ、500くらいはあるでしょうか?
「たくさん集まったね、空間収納に入れよう!」
「そうですね」
薬草を空間収納に入れて街へと戻る。
武器おじさんに声をかけて、メリアが持っていたナイフを強化?してもらった。
「そうかい、冒険者はろくな奴が居らんのだな。
それに比べて嬢ちゃんはいい子だね。
あんな奴らに負けちゃ駄目だぞ」
「はい!頑張ります」
武器おじさんと別れてギルドに向かった。
ギルドに付くと冒険者達が私を見るなり怖がって近寄らずに逃げていく。
まぁ、話すのが面倒だし楽だからいいけどね。
「ミナミ様……いえ!ミナミさん、薬草は採れてきましたでしょうか?」
「うん、これだけ持ってきた」
私は空間収納から薬草を出す。
「うひゃ~滅茶苦茶集めましたね。
これだけあればポーション不足は無くなりそう。
ありがとうございます。
あの、こちらは報酬金とそれとミナミさんの迷惑料を多めに出してありますので」
「いいよ、もう。
これからまた依頼をするし、冒険者って意外に楽しいかも」
「そうですか、あのそれでですがミナミさん。
実は上の者が会いたいそうで」
「うえのもの?」
「ミナミ様、ギルドの上の者っていうのはギルドマスターだと思います。
そうですよね?」
「はい、どうにも今回の事でマスターの使いが貴方の事を見ていたようで報告したんだと思います」
「え、面倒くさいんだけど。
こっちに来てくれないかな?」
コツコツ。
「がはは!!」
!?
振り返ると大きな剣を持つ強面の男が居た。
隣には黒い服を来た男性も。
「誰ですか貴方は?見る感じ、酒が好きそうな人ですね」
「がはは!小さいのにえらいなあ!よく分かっとる。
ワシはギルドマスターのブラヒム・マーマスだ。
会えて嬉しいぞ、ミナミ・マーラスよ」
「貴方がギルドマスター何ですか?それでそちらの2人は護衛ってことですか?」
「まあな、上になると何故か命を狙われる事がある。
護衛は必須になってな」
「そうなんですね、私は依頼を受注したいので失礼したいのですが」
「ちょ!」
「貴様!!ギルドマスターの前で!!!」
護衛の男が斬りかかる。
「待て!!」
!
ギルドマスターが護衛を止める。
「誰が客人を斬っていいと言った?」
「ですが!あの態度!しかもガキで!」
!
「ガキだと!おい、お前を消す事くらい楽だぞ」
「ひぃ!お許しください」
「これからはガキだろうと丁寧に話せ。
子供はこれくらいでいいのだ、かえって静か過ぎると何かあったと思うだろ?」
「た、確かに」
「すまんのう、手短に済ませる。
お主にダンジョン依頼をお願いしようと思う」
!?
「だ、ダンジョン依頼!?わ、私にですか?今日、冒険者になったばかりですよ」
「ギルドマスター!彼女は強いですが、あのダンジョンに行かせるつもりなのですか!
殺されるようなもんですよ!」
受付嬢が言うを
「セリーナよ、だが放置していれば魔物が活性化して近くの村や街を襲う可能性がある。
大抵の冒険者が挑んで来たがボロボロで帰って来ていただろ?だから、このミナミの事を聞き、もしかしてあのダンジョンを攻略出来るのではないかと思い、足を赴いたのだ」
「ですが彼女はまだ幼女ですよ!それに魔物退治は嫌いらしいです」
「そうなのか?」
「はい、争いは嫌いで………」
「その瞳、何かあったようじゃのぅ。
話して見せんか?」
「……それは」
「いじめられた過去があったのじゃろ?」
!
「え?」
「ハーベルから聞いておる」
「は、ハーベルさんを知っているんですか?」
「ああ、アイツとは因縁の仲じゃ。
魔物退治するにもどちらが先に倒せるか競争をしていた頃もある、まぁ色々とあったがのぅ」
「魔物は怖いし、私には力なんて」
「その力があるじゃろ?お主が触れたあの宝箱はお主が必要としているものをくれるのじゃ。
だから最初に触れさせたのだ、そして手に入れたのは闇の力じゃろ?
今のお主は過去のお主とは違う。
力もあり、仲間も居るだろ?」
「ね?ミナミ様?」
「信用するのは中々難しいと思うがそこで立ち止まるのは良くない。
そのまま廃れていくだけだ、それに依頼をしてくれるなら家を買ってやろう。
そこで仲間と共に暮らすといい、街の近くに建っているから寂しくはないはずだ」
「そこまでしてダンジョンを攻略させたいんですね。
もしかしてその被害よりも更に裏があるのでは?」
………。
「がはは!まぁ、あるにはある。
じゃがまずはお主が行くか行かないかで話すか話さないか決めておる。
どうする?」
(私はあんまり、魔物が好きではない。
でも今は隣にメリアが居る、薬草の時も一緒に取っていて楽しかった。
………でも)
「怖いんです、仲間が裏切るのが……友達って言っていたはずなのに……」
「よほど過去が恐ろしかったのだな。
だが仲間を見よ、ミナミよ」
うん?
私はメリアの方を向く。
「ミナミ様、私は決して貴方を裏切りません。
何なら私の覚悟として腕を斬りますがよろしいですか?」
「え?いや、それは!」
「安心してください、貴方の怖い者は私が全部始末します。
貴方の心をもう壊させはしません!」
!
(もしも辛かったら俺に言え!俺が何とかしてやる)
思いが溢れる……あの時最後まで味方で居てくれた人が居た。
(グレン)
「分かりました、私はメリアを信じます。
依頼も受けます」
!
「ミナミさん!!あそこはとても危険な場所なんです!!
貴方が魔法が強くても、ダンジョンボスはとてつもなく強いです。
あそこで息絶えた冒険者も数多く居るんです。
それでも行くのですか?」
「行きます、私はもう仲間が居る。
信じてくれる人が居る、支えてくれた人が居る。
私はその人達の為に強くなる」
「ふふっ………分かりました。
その覚悟を胸に頑張ってください」
「はい」
「ありがとな、依頼を受けてくれて。
勿論、アイテムやら何やらはこちらが用意させてもらおう。
それとだな、これをやろう。
空間収納の中にでも入れておけ、入れておいたとしても効果があるからな」
ブラヒムはそう言い黒い玉を渡してきた。
「これは?」
「暗黒玉と呼ばれる物だ。
これを持っていると闇属性の魔法は桁違いに強くなるぞ」
「ありがとうございます」
「お主はメイドじゃからこれかのぅ」
ブラヒムはメリアにキラキラしたナイフを渡した。
「こ、これは」
「ねぇこのナイフ、滅茶苦茶キラキラしているよ?
銀で出来てるの?」
「がはは!これはプラチナと言うかなり希少な石で出来たナイフじゃ。
切れ味も抜群じゃ」
「ありがとうございます、ギルドマスター」
「それじゃあワシはこの辺で帰るのぅ。
あ、そうじゃ……ギルドの入り口でチョロチョロしたいた子供が居たから中に入れたが知っておるか?」
ギルドマスターの後ろから出てきたのは。
!
「ミナミ………数日ぶりね」
「!………ヨウコ!」
コメントと評価お願いします。
誤字脱字もあればよろしくお願いします。