第21話 黒い何かと向こう側に向かう者
宿屋に戻り、私はベッドに横になる。
宿屋へと戻る最中、呪いの力の反動なのか体半分が全く動かなかったからである。
「ミナミ、何かあれば私がやるよ」
「ありがとヨウコ」
(それにしてもメリアがまだ戻ってきていない……どうして……どこに行ったの?)
鈴音さんとゼクロスさんは酒場でお話をしているそうだ。
なのでこの部屋に居るのは私とヨウコのみ。
(嫌な感じがする……)
その私の思っていた事は悪いように的中した。
ドカーン!!
私達の部屋の扉が思いっきり吹き飛ぶ。
「な、なに!?」
ヨウコは警戒する。
コツコツ。
「な!?」
入ってきたのは真っ黒のメイド服を来たメリアが居たのです。
「障害に成りうる者、私が始末する」
!
「メリア!貴方、どういうつもり!」
「メリア?私はメリアという名ではない、私はセシル、闇の使者の下僕!」
ガキン!!
突然斬りかかるセシル。
ヨウコが攻撃を防ぐが
(この感じ、間違いなくメリアさんのはずなのに。
何があったの!?)
「ガキにやられないわ!!!はああ!!!」
「くっ!うわああ!!!」
ドカン!!
メリアの蹴りで吹き飛ぶヨウコ。
壁に穴が空くほどの強さ。
「ヨウコ!……メリア……どういうつもり…」
「障害に成りうる者は始末する、そして私はセシルよ。
メリアなんてそんな者はいない」
(一体何が……)
「チェーン!!!」
!?
「くっ!!」
突然の鎖がセシルを拘束する。
「大丈夫?ミナミ」
来たのは鈴音さんだ。
「くっ!このこの!!」
暴れようとするセシル、しかし鎖はびくともしない。
「何が起きてるの?」
「私もよく分かってないの、ゼクロスさんとお話をしていたら突然宿屋の方で大きな音が聞こえたから来たんだけど、この人あなた達のメイドよね?」
「うん…そのはずなんだけどセシルって言ってるし違う人なのかなって思ってきて……メリアだと思いたいけど」
「うーん」
(この感じ……闇の使者が何かした感じ………………ユリカ……聞こえてる?)
(は~い巫女さん、どうしたんですか?私は今、弱そうな奴と戯れていのだけど)
(そんなお遊びは辞めてください、実はこちらで闇の使者が仲間を支配したと思われる状況になっていて、元凶を潰してほしいんだけど)
(……それくらい貴方なら倒せるのでは?私がやらなくても)
(もう〜賢者なんだから手伝ってよ!後で高級な薬品を買ってあげるから!)
(嘘!?マジ!?ホント?)
(うん!ホントだから!)
(わっかりました!じゃあ1秒でやっつけるね!後でお願いだからね!)
「あの、鈴音さん?」
「ミナミちゃん、もう大丈夫だと思うよ?」
すると
「ぐわあああ!!!」
!?
突然悲鳴をあげるセシル。
「な、何!?す、鈴音さん。
本当に大丈夫なの!?」
「見てて」
私は言われるがまま見ているとゆっくりと黒いメイド服が真っ白へと変わっていき顔色も普通に戻っていく。
(これは)
「め、メリア?」
「うっ……ミナミ……様?……あれ?私は?」
(良かったいつものメリアだ)
(………ありがとね、ユリカ。
約束は守るから)
(……約束……だからね……)
(うっ、近くに居ないはずなのに圧を感じる)
「それにしてもメリア、今までどうしていたの?」
「お二人が寝られた後、私は独自で街の探索をしていたのですが黒い服を来た男を見つけ追いかけたのですが居なくてその直後、後ろから口を塞がれてそして目を覚ました時には拘束されていて、私の口に黒い何かを無理やり入れ込まれました。
そしたらとてつもない憎悪が溢れ出し、貴方達2人を始末するって頭に響きそして私は意識を落としたの」
「黒い何か?何なのそれ?」
私はメリアに聞く。
「分かりません、真っ黒な何かです。
個体の何かです」
「メリアさん、拘束取りますね」
鈴音さんは鎖を外し魔法を解く。
「ありがとうございます、鈴音様」
「いいの、それよりも残りの玉は貴方達に任せていいかしら?」
「え?どうして?」
「調べたい事があるの、あと賢者とかにも報告とかしないといけないし。
面倒事もね」
「でも、もしも闇の使者達が居たら」
「ふふっ、ミナミちゃんのその力があれば必ず倒せるわ。
………それとヨウコちゃん、貴方の秘めた力もきっと目を覚ますはず。
だから、自分は役に立ってないとか思っちゃだめだよ」
「う、うん。
あの、本当に目覚めるの?」
「うん、貴方が覚悟を決めた時、眩い輝きを放ち力を得る。
私にはなんとなくだけど分かるの」
「そっか。
でも今のままでも頑張るつもりだから」
「ふふっ、頼もしいわね。
それじゃあメリアよろしくお願いします」
「はい鈴音様」
そうして鈴音さんは部屋を出て行った。
「ミナミ、私もあなたのように強くなる。
そして守るから」
「うん、ヨウコの事すっごく信じてる。
勿論メリアもだよ」
「ふふっお二人共、そろそろ遅いですし眠りましょう。
私も何だか疲れが溜まっていますので」
「うん」
そうして私達はベッドに横になり眠りへとついた。
先程の事もあり、ベッドに寝転がると直ぐにねてしまった。
……。
それを見る者が。
(あれが我々と対等に成りうる者か、ここで始末したいがそれは何だか違う気がする。
……フッ、俺様の力の前では無力……その日まで楽しむといい、残りの人生をな)
そう言い闇夜に消えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
???
「………紗霧、闇の者達は?」
「………7ブレイカー達と巫女に認められた冒険者達によってどうにかなっています」
「そうか、賢者達はどうしている?」
「は!何名かは地上で闇の使者達を始末しております。
残りはセラス街のバリアを張るために集まっています」
「そうか」
「〇〇様は出る幕ではありませんから」
「よく分かっておる、だが紗霧……お前にも動いてもらうぞ。
向こう側に行って、ある物を手に入れてもらう」
「もしかして、呪いの箱ですか?」
「ああ知っておるのか?」
「知ってます、何でも開けた者に絶対的な力を得るって言う箱ですよね?
でも確か、開けた者はその力に耐えきれず体が破裂して死んでいったんですよね?」
「その通りさ、それを持ち帰りある者に渡してもらう。
見てたから知っていると思うが」
「はい、ミナミ・サーラスですよね?」
「ああ、あの小娘はあの小さな体で呪いの力を制御し始めている。
これは優秀な人間が現れたようだ」
「あの、もう一人の少女はどうされます?」
「あの者の中に秘める力は箱と同等の力だ。
それ以上の力を得ると破裂する可能性がある」
「なるほど、そこも把握済みなのは流石ですね」
「私を誰だと思っているんだ、まぁいい。
向こう側には敵も居る、用心したほうがいい」
「分かっています、目的は確実に成し遂げてみせます。
希望は捨てる訳には行きませんから」
そう言い紗霧は姿を消した。
(……闇の奴らの目的は支配、気をつけるんだぞお前達……そして未来ある子らよ)
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だいぶ遅れました。