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第18話 呪いの広がりと7ブレイカー達


 「ふはは!!!何が殺すだ!?ふざけたこと言ってんじゃねぇよ!

 賢者の使いだから知らんけど、巫女を倒せば俺様が賢者の使いになれる!」


 「ふふっおかしな事を言うのですね、私を倒す?無謀な事はやめたほうがよろしいと思いますけど」


 「無謀だと?俺様の言葉に無謀は無いんだよ!!」


 アルファの攻撃が鈴音に向かって迫る。


 しかし鈴音は一体避けず攻撃を受けている。


 しかし良く見てみると全ての攻撃が弾き返されているのが見える。

 しかも余裕そうな顔の鈴音。


 (何だこいつ!?攻撃が当たっているはずなのになぜ微動だにしない!?ありえん!)


 (そろそろ終わりにしようかな?あっちも終わっていると思うし)


 「ふん!!」


 「ごはぁ!!」


 !?

 それは私しか見えなかっただろう、とてつもない速さの拳の突き。

 それはアルファの腹にゴリッとした音を立てて直撃する。



 「あ、あがっ……おま……え……何もん……だ?」


 「ふふっ先ほども言ったではないですか?私は巫女です。

 賢者の使いですから」


 「あ……こ、呼吸が……でき……な……」

 ドサッ。


 アルファは口から泡を吹き地面に倒れる。


 「うおー!!!」

 観客の歓声が上がる。


 「あの……人この人を……そのころ……」


 「いいのです、ミナミさん。

 この方は賢者の考えを背く事をしていたので殺しても大丈夫な方なので」


 「え……でも……ひt」

 すると鈴音さんが一気に私に詰め寄り


 「これは賢者様の考えなのです。

 貴方もこの方のような考えを持った場合……こうなります……よ?」


 「ひぃ」


 「ふふっ、ミナミさんはそんな事しませんよね?私には分かりますから。

 それとこれ」


 鈴音さんが出したのは2つの玉だった。


 「え?玉?どこで?」


 「私の仲間が手に入れてくれました。

 後は黄色の玉を手に入れて次の街へと向かいましょう。

 玉ももう少しで揃いますので」


 そして審判が女の子を連れてやって来た。


 「優勝おめでとう!……まさか、巫女様が出てこられるとは思いませんでした。

 それとありがとうございます、正しい判断を下してくれて」


 「いえいえ、私は賢者の考えで動いたまでですよ。

 それと怪しい事をしていた者達は賢者によって葬られましたので、これからは健全な闘技場で熱い戦いをしてくださいね。

 私達も見ていますので」


 「はい」

 

 「……お兄ぃ……」


 「………」

 !

 ライトは妹を抱きしめた。


 「何も言わなくていい、もう何処にも行かせない。

 俺がお前を守る、強くならなきゃいけない」


 「……お兄ぃ…苦しいよ」


 「あはは、ごめんな。

 それと」

 ライトは妹の首飾りを取り黄色い玉を私たちに渡した。


 「いいの?」


 「必要な物なんでしょ?それに諸悪の根源も倒してくれてありがとう。

 感謝しか無いよ、妹も無事とはいえないけど助けられたしね」


 「……ライトくん」

 鈴音さんが言う。


 「何でしょうか?」


 「優勝賞金のお金は貴方に渡します、リアムさん。

 いいですよね?」


 「まぁ……巫女が考えたなら文句は言えないよな?少しくらいはくれないか?」


 「ふふっ、それならこれを」

 

 !?

 リアムに渡したのは銀の首飾り。


 「街の人に聞いていたのですけど、貴方の奥さんが欲しがっていたらしいですね。

 私からのプレゼントです、正しい考えの方だったので」


 「マジか……ありがとうございます、お金はいいです」


 「それじゃあ私達は新たな街へと向かいます。

 と言いたいところですけど、もう夕方なので明日、街を出ますね」


 「そうだね、私もうクタクタだよ」


 「ふふっお疲れ様です……それとヨウコさんも」


 「うん……」


 「どうされたんですか?」


 「セフォリスさん……いい人だったのに……私もあんな風にミナミを守れるかな?」


 「貴方は貴方が思うように動けばいいのです。

 セフォリスさんの亡骸は私が後で埋葬しておきます、争い事で亡くなる命は私でも辛いですから……」


 「……ありがとうございます……鈴音さん」

 

 そうして私とヨウコ、メリアは宿屋へと向かうのでした。

 鈴音さんはセフォリスさんの亡骸を埋葬後、数時間後に宿屋に戻ってきた。


 「結構遅かったけど何してたの?」


 「ふふっ、秘密です。

 私も巫女なので色々とやる事が多いのです、賢者との繋がりもありますから」


 「あの人……とんでもない人だったね」


 「まぁ……そんな人も居ますよ。

 いい人も入れば悪い人も居る、それがこの世の中ですから。

 悪い人を全て排除するのは無理ですからね、いい人の中にも魔が差して悪い行動をしてしまった人とかも居ますから。

 まぁ……その人達は間違いを反省し、今は良き行動を取っていますけどね」


 「そうなんですね」


 「さてと、残りの玉はあと4つです」


 「4つ…」


 (今あるのは赤、青、緑、黄、白……)


 「残りの色玉の色ってどんな色なんですか?」


 「残りは、黒、紫、だいだい、そして水色です。

 なんとなく一つは見当がついていますけど残りの三つは針で探さないといけませんから」


 「あれ、二人共寝てる」

 隣を見るとすやすやと眠りについているメリアとヨウコが居た。

 よほど疲れていたのだろう、寝息をたてている。


 「ミナミさんも寝てください。

 お疲れでしょうし」


 「うん……」


 「どうしたんですか?」


 「呪いの力が広がってるの」


 !?

 私は上の服を脱ぐと上半身の半分が黒くなっていた。

 顔は黒くないよ。


 「……呪いの力は貴方の体を蝕みますからね、放棄した方がよろしいかと?」


 「………でもこの力があるから今の私が居る。

 だから放棄なんて出来ない」


 「ですがそのままでは呪いに支配されて貴方の意識までも乗っ取られてしまう可能性もありますよ」


 「……危険な力こそ使いこなせなければ、この先鈴音さんと一緒にいれない。

 だから、私も踏ん張らないとここで弱音なんて吐かない」


 「そうですか、もしも呪いに乗っ取られてしまったらどうします?」


 「止められるのなら止めて欲しい。

 でも無理なら、その時は覚悟するまぁ……意識があればいいけど」


 「分かりました、この事はお二人には内緒にしておきます。

 お風呂とかもお一人の方がよろしいですよね?」


 「うん、今日はたまたま一人で入れたけど今度からは……ね?」


 「ミナミさんは仲間思いなのですね。

 羨ましいです」


 「鈴音さんには仲間は居ないのですか?」


 「巫女になる為に試練がありまして、そこで共に共同し抗った者達が居ましたよ」


 「その方はどこに?」


 「………その方は闇の世界に居るそうです」


 !


 「闇の世界って!あの扉の向こう側ってこと!?」


 「はいそうです」


 「なら、その巫女さんに言ってやめてもらうこととか」


 「反応がありません、私達巫女はどこにいようと生体反応を検知出来るのです。

 しかし、扉の向こう側……いるはずの巫女の反応が無いのです。

 もしかしたら殺された可能性があるのです」


 「……そんな……」


 「巫女はかなりの強さを秘めています、私と同じくらい。

 しかし巫女を倒すほどの実力、または闇の向こう側の王が隙をついて殺ったか私には分かりません。

 ですから、扉は開けてはならなかった」


 「……悲しくないの?」


 「辛いですよ、別の世界に行ったとしても共に過ごした仲ですから。

 ……さっ、もう寝てください。

 疲れは寝ないと取れないですから」


 「うん……あのさ、一つだけ聞かせて欲しい」


 「何でしょうか」


 「賢者って向こう側にも居ないの?」


 「………昔、扉が開き闇の使者達が攻めてきた時があるのです。

 その時に賢者も出てきました、しかしこちらの世界に居た救世主によって倒されています。

 だから、元々は賢者も居たのです」


 「その救世主は賢者に勝ってしまう程の強さを持っていたんだね。

 凄いねその人は」


 「ふふっ、私も母から聞いたことなので。

 その方がこちらに戻ってきてくだされれば、このような異変など数日で終わるのに」


 「………鈴音さん、私がんばるよ。

 その救世主よりかは弱いけど、それでも私は私なりに強くなって鈴音さんを守るから」


 「ふふっそれは楽しみです」


 「それじゃあおやすみ」


 「お休みなさい」


 ・・・・・・・・・・・・。


 (7ブレイカーの一人の反応が無い。

 一人死んだのね……暴剣……)


 (メリアやヨウコは強くなっている、私は2人のように強くない。

 私はもっと強くならなきゃ……この呪いも力にして……)


その頃7ブレイカーはと言うと


 セラス街に全員集合していた。


 「……覇神、申し訳ない。

 斬られる覚悟はある」


 火蓮は膝を付き首を差し出していた。


 「……そうか、俺が居ればもしかしたら救えていたのかもな。

 火蓮、暴剣の分までこの世界を平和にするために抗おう。

 託してくれた命は無駄には出来ない」


 「……うん」


 「それでお前達が雷土と氷火か。

 よろしくな、俺は覇神だ」


 「よろしくお願いします」


 「おっ、そう言えばもう一人のガキは?お前ら3人なんだろ?」


 「蘭波はまだ連絡が無く、少し不安です」


 「そうか、それでだが巫女から連絡があり残りの玉は4つだと。

 もうすぐ、集まりあそこの道が出来る」


 「あそこってどこなんですか?」

 雷土が聞く。


 「天空大陸だ」


 「闇の扉を閉める為の玉じゃないんですか?」


 「扉は一時的に閉まるだけ、封印までにはいかない。

 だからこそ、天空大陸にある黒と白が半分半分の玉を手に入れる必要があるんだ」


 「と言うことは私達も玉集めをすればいいのですか?」


 「大半の街は冒険者達によってなんとかなっているが闇の使者はまだまだ居る。

 我々は闇の使者の討伐を優先する、玉は巫女がなんとかしてくれる。

 それに強い仲間も居るからな。

 安心してお前達は闇の使者の討伐を」


 「分かったわ」


 「おう!」


 「そう言えば冒険者から聞いたが赤い結晶の件はどうなった?」


 「それは私が答える、あの結晶は闇の世界の物、結晶が割れる事によって魔物が現れる。

 多分それを闇の使者は撒いているの、玉を渡した冒険者に聞いたの。

 信用してもいい冒険者だった、巫女に認められた冒険者って」


 「なるほど巫女に認められたか……………アイツラか」


 「覇神は知っているのですか?」


 「ああ、知っているとも。

 あの2人は特にな」


 「思い入れがある方なのですね」


 「ふふっ、阿留にもいるだろそういう人が」


 「マスターが一番信用できる人です」


 「そうか、よし。

 それじゃあ二人一組になるか」


 「それじゃあ、私は鈴風と」

 火蓮は鈴風に抱きつく。


 「まぁ…そうだろうな」


 「阿留はどうしたらいい?」


 「天雨、頼めるか?」


 「分かったよ、覇神。

 阿留、ペアよろしく」


 「よろしく天雨」


 「私達は?」


 「氷火と雷土で組め、俺は一人で行動する」


 「一人で大丈夫なんですか?」


 「雷土、俺を舐めすぎだ。

 誰だと思ってる?」


 「ギルドマスターですよね?」


 「まぁな、よし!じゃあみんなまた新しい情報が入り次第、集まってもらう。

 それじゃあ各自頼むぜ」

 そう言い覇神は消えた。


 (瞬間移動したのかな?それとも転移?)


 「さてと僕たちも行くよ阿留」

 「うん」

 天雨と阿留、火蓮と鈴風は直ぐにギルドを出て行ってしまった。


 「雷土、早く行こう」


 「氷火、少し待って。

 蘭波がどこに行ったか気になる」


 「何処かで道草食っている子には見えないけど……うーん心配って言ったら心配だし」


 「少し集中するわ」


 「う、うん」

 雷土は椅子に座り目を閉じた。


 ………。


 …………。


 ……………。


 ……………。


 「蘭波の反応がない……意識を集中させて、蘭波の気配を探ろうとしたけど無理だった」


 「やられちゃったのかな?」


 「いや、アイツがこんな所でくたばるやつじゃない。

 俺は信じてるんだ、生きてるって」


 「私もよ、こんな風に言っているけどね」



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