第16話 決意を胸に前へ
ライト・バーン・・パフェス街の放浪者の少年、連れ去られた妹を取り戻す為にミナミ達と共に行動する。
3人は闘技場の中に入る、中はとても広く沢山の人達が居た。
今は異変が起きているのに沢山の冒険者が来ているのが不思議だ。
私達は控え室へと向かう。
そこには2人の男が順番を待っていた。
「おや?女の子が出場するとは……」
メガネをかけた優しそうな男性が私達を見て言う。
「私達は彼の妹を救う為に挑戦しに来た。
正規の方法なら、殺させられず救えるから」
「………残念だがそれは無理だ」
「何を!」
「少女は商品として改造させられる」
!
「嘘だ!!!」
ライトが叫ぶ。
「……嘘じゃねぇ、お前もこの街の住人なら分かるだろ?
優勝したあの男が連れている女達を」
!
「なら、させる前に取り戻す!」
「無理だ……商品を守る者はそいつなんだからよ」
「……嘘……だ……そんな……」
「ライト……どうする……」
私はライトに聞く。
「妹はもう助からないのか?」
ライトは男に向かって聞く。
「……改造された以上、もう無理だ。諦めろ」
(………)
「なら、改造されたとしても取り戻す!俺の妹は必ず!」
「そうか、だが闘技場だ。
挑戦者達がぞろぞろと居る、勿論俺もその一人だ」
「うっ」
「だが、今回は何故か共同戦でやれるみたいだ。
それに欲しいのは妹なんだろ?お金はもらってもいいんだろ?」
「……妹さえ手に入るのならお金なんていらない。
また、2人で一緒に居たいから」
「ふっ、ガキの癖に一丁前に言うぜ。
声がデケーから聞いちまっただろ?」
すると奥に居たもう一人の男が立ち上がりこちらに来る。
ハゲの男だ。
「手助けしてくれるんですか?」
「ああ、俺は過去に姉を連れ去られそして改造された。
その時優勝した奴が貰ったが一日後、ゴミ捨て場に捨てられているのを見つけた。
反応は無かった……その時に決意した、ここで優勝して俺が支配者になってやるってな。
まぁ、無理な話だがお前の話を聞いて血が騒いだよ。
手を貸してやる、俺はリアム。
よろしくな」
「よろしくリアム」
「はぁ、僕もお金が貰えるので参加しますよ。
名はセフォリス、優勝しましょう」
そして闘技場の試合が決行させる数分前
闘技場内の戦う場所に案内された。
そこはとても広く、かなりの規模だ。
そこには他の挑戦者がわらわらと集まっている。
そこに現れたのは
金髪ショートヘア、銀色の鎧をつけて金の剣を持つ男が現れた。
その隣にある筒のような物を見たライトは言葉を失った。
そこに居たのは改造された妹、腕や足が改造されて無残な姿だった。
「今回の商品はこのガキだ!!俺に勝てればやるよ!!まぁ無理な話だが、挑戦待ってるぜ!!!」
男は言う。
(ゲス野郎が!!!)
「ライト落ち着いて」
私はライトに言う。
「分かってる、優勝一択だから。
そしてあれが毎回優勝している者だよ、気をつけて。
アイツは本当にヤバいから」
「そう……みたいね」
「ミナミ、アイツヤバそうだよ」
「うん」
そしてお客さんが席に着きそして試合が始まる。
声が凄まじく、凄い声の響き。
活気があると言ったら間違いないだろう。
そして第一回戦、第二回戦は別のグループがやり合っていた。
私達は第三回戦で戦うことになる。
挑戦者は四人のグループだ。
そして直ぐに第二回戦は終わり、私達の番が来た。
「相手は四人だ、どうする?」
私は聞く。
「君、強いだろ?」
私に聞くセフォリス。
「ま、まぁそれなりには」
私はそう答えた。
「なら、アイツの相手は君たちに任せる。
出るのは俺とリアム、ヨウコだ」
「ちょ!ヨウコ!大丈夫なの!?それに私が出るよ」
「いいや、俺達だけで充分だ。
ヨウコちゃんはどうする?参加するか?ミナミちゃんが言っているみたいだが?」
「私は出ます。
ミナミ、私の強さを見ていて欲しい。
私だって貴方に会うまでに色々と戦った、そして貴方に会ってからも。
隠れてね、だからそれを見せる日。
ライトくんの事は任せたよ、メリアさんは多分情報収集してくれていると思うし、もしもの事があったら駆けつけるって言ってたし」
「そうなんだ、分かった。
私見てるよ、必ず勝ってね」
「うん、任せてよ」
「俺達も居ることを忘れるなよ」
「分かっているよ、リアム、セフォリス」
「じゃあ頼むぜ」
そう言いヨウコ、セフォリス、リアムは行ってしまった。
「ねぇ、ライトくん。
あの人はどれだけヤバいの?」
「アイツは剣技も魔法も桁違いに強い。
俺でも出せるファイアボールすら桁違いの火力だし。
直撃なんてしたら一発でお陀仏になるし」
「そ、それはヤバいね」
「でもミナミも強いんでしょ?その腕、知ってますよ。
呪いの類いですよね?」
「まぁそうだね」
「頑張ろう、ミナミ」
「うん!必ず妹ちゃんを取り戻そう!」
私達は黙々と決意を胸に秘め、観戦エリアへと向かった。
そして始まる第三回戦!
セフォリス、リアム、ヨウコは舞台に上がる。
「き、緊張します」
「フッ落ち着け。
見せるんだろ?強さを」
「はい!」
「まぁ俺達も援護してやるよ」
「ありがとうございます」
そして対戦相手が舞台へと来る。
金髪の男に赤い髪の女、悪そうなハゲ男に貧弱そうな男の子が居た。
「へっ、お前らが対戦相手かよっ!」
金髪の男が言う。
舐めた態度で話しかけてきている。
ふざけた野郎だ。
「そうだが」
「ねぇ、アイツら私達の事ナメてるよ。
しかもガキの女まで連れてるしウザいし殺しちゃおうよ」
「殺しは駄目だ痛めつけるなら問題ないからそれで我慢しろ」
ハゲの男が女に言う。
貧弱な男の子はただ震えていた。
「名は?」
「テメェから言えよ!」
………。
ふっ!
!?
セフォリスは金髪男に斬りかかる。
男は咄嗟に避ける。
「俺はセフォリス、気が短いんだよ。
煽るとどうなるか分からんぞ」
「俺はリアムだよ」
「私はヨウコです」
「ちっ!俺はアルト」
「私は〜チルトで〜す」
「ガール」
「ふ、フーリンです」
自己紹介が終わる。
「始めていいだろ?」
「クソジジイが!!!」
アルトはすぐさまセフォリスに斬りかかる。
しかしセフォリスは余裕の表情、すでに決着が分かるかのようだ。
「ファイアボール!」
!
(よっと!)
突然のファイアボール、それはチルトだった。
「避けた〜避けた〜楽しい〜!もっとやってあげるね!」
(ちっ、ガキの癖にそういう所がガキなんだよな!)
「ヨウコだっけ?お前は俺様には勝てねぇよ」
「勝てるもん!私はそれなりに強いからね!」
「おいおい、俺様だけだと思っているのか?フーリンだっているぜ。
2対1すでに答えなど出ているぜ」
「……誰が一人だって!!」
!?
「うわぁ!」
フーリンはリアムの攻撃を食らい倒れる。
「ちっ!使えねぇ!」
ガールは倒れるフーリンを踏みつけ放り投げた。
(!)
「お前!仲間に何してんだよ」
声色が変わるリアム。
「は?こいつは闘技場が用意した、レンタルの仲間なんだよ!
だからどうしようが勝手なんだよ」
「酷い!レンタルだろうと人なんです!」
ヨウコも声をあげる。
「人だ?こんな弱い奴、人なんかじゃねぇよ。
そこら辺にうようよしているゴミと変わらねぇんだよ!!!」
!
(ちっ!)
突然のリアムの斬りつけ、ガールの頬に傷がつく。
「お前、その言葉言ったらからには訂正すんなよ」
「は?何言ってんだ?おっさん!馬鹿になったか?」
「神速!」
!?
「ぐわあああ!!!」
それは超高速の剣技、ヨウコですら見えないほどに速くそして正確にガールを襲う。
「くっ、クソ!!うおー!!」
「やれ、ヨウコ」
「はい!ファイアボール」
!
ヨウコが唱えたファイアボールはガールに直撃。
そして
ドカーン!!!
大きな爆発を起こし、ガールは吹き飛ぶ。
「………うっ……く……そが……何で俺様が……」
ふらつきながら立ち上がるガール。
「お前言ったよな?弱い奴は人じゃねぇってお前俺達より弱いから人じゃねぇよな?」
「ふ、ふざけるな!俺様は人だぞ!」
「おい、お前。
さっきの言葉は嘘なのか?弱いやつは人じゃないだろ?
何だよ、お前……ホントゴミみたいなヤツだな」
「ほざけー!!!」
「終わりにしてやる……一閃!!!」
「がはぁ!」
リアムの一撃はガールに直撃しガールはバタリと倒れた。
「……あの……」
そこにはボロボロの状態のフーリンが居た。
「ヤツはボコボコにしてやった」
「ありがとうございます……僕はやっぱり弱いですよね?」
「いいや、お前はコイツよりかは強い。
あの時吹き飛んだ時震える体でもお前は俺の攻撃をいなした、お前は弱くなんかない。
自信を持て」
「あ、ありがとうございます……」
涙を流したフーリン。
「どうする?お前は?」
「僕はリタイアします。
そして旅に出ようと思います、更に強い自分になってここに帰ってきます。
レンタルではなく、僕自身で」
「フッ、楽しみにしてるぜ」
フーリンは舞台から降りた。
その頃
「おりゃ!!」
アルトとチルトはセフォリスと戦っていた。
しかし2人の攻撃は安々と避けられ全く当たってない。
「弱いですね」
「ふざけるな!!くたばれ!!火炎斬り!!」
(おっ、ようやく技を使いやがったか)
「さてと、面倒だしお前ら二人共潰すわ」
「は?何いってんだよ、メガネ野郎。
俺様は最強のアルトだぜ?お前ら一般人に負けるかよ」
「ふふっ、おじさん。
私達の事舐めすぎですよ〜馬鹿みたい〜アホ〜バ〜カ」
「ジャッチメント!」
!?
「ぐあああ!!」
「きゃあああ!!!」
セフォリスは一瞬に技を使い攻撃した。
「バカにするとどうなるかわかるよな?」
「ふ、ふざけなよ!!俺様がこんなジジイ野郎に負けれるかよ!!
俺様の一撃!ブレイクスラッシュ!!!」
ガキン!!
「今だ!」
!
「おじさんバーカ〜ファイアボール!!!」
ドカーン!!!
アルトがセフォリスの注意を引いている内にチルトが隙をついてファイアボールを直撃させる。
「ざま〜!!!おつ〜!!!ざーこ!!!バーカ!!!」
アルトは悪口を言いまくる。
「……おいなめてんのか?」
煙が一瞬にして消えてそこに居たのは何ともない顔をしているセフォリスが居た。
(な!?)
「終わりだ!!!」
!
それはまばたきよりも早い攻撃、チルトに切込み2連撃の攻撃をする。
「きゃあああ!!」
足を攻撃されて立ち上がることが出来ないチルト。
「クソ!うおー!!」
アルトが無我夢中で襲い掛かるが、
カン。
思いっきりの振り降ろしも虚しくセフォリスに止められ。
「お前、口だけの男だな。
だからこんなバカな女に捕まるんだよ」
そしてアルトの目の前にセフォリスの手のひらが、そこからファイアボールが目先にある。
そして
「ぐあああ!!!」
ファイアボールはアルトの顔面に直撃し吹き飛ぶ。
「がはぁ!」
アルトは意識を失った。
「……う、嘘……仲間がほぼ……全滅……」
絶望の顔をするチルト。
そこに近づくセフォリス、そしてリアムとヨウコ。
「お前を場外に吹き飛ばせば終わりだ」
「や、やめて痛いことしないで!」
「何だ?ここは闘技場だぞ、女だろうとガキだろうとここに出ている以上腹くくれ」
「い、いや……痛いのいや……死にたくない」
「殺すかよ、気絶させるだけだ」
「い、嫌!ファイアボール!!」
チルトは杖からファイアボールを唱えるが小さな灯火くらいのファイアボール、セフォリスは手で潰した。
「無駄な足掻きやめてよね」
「……チルトさんですよね、この2人の事は気にしないで寝てください。
スリープ」
「あ……」
バタリ。
ヨウコは催眠魔法を唱えた。
チルトはバタリと倒れる。
そしてヨウコは倒れるチルトの足に触れて
「ヒール」
傷を癒し、抱きかかえ舞台の外に置いた。
「フッ、優しいじゃねぇか」
「別に、私も女の子なので」
「フッ俺達の勝ちだぜ!!」
そうして私達は余裕の勝利、そしてミナミ達の所へと向かうのでした。
その様子を見ている者が。
「……ちっ、今回は雑魚では無いか……まぁいい。
どうせ、数カ月前の奴らのように敗北する。
俺様は最強だからな!」
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