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第15話 折れた剣と鬼神の優しさ


 その頃、暴剣と火蓮はと言うと


 「な、何だよ……その力は!……分かれさせれば弱いはず…」


 「死ぬ前で悪いが俺達をバラバラにした所で弱くならない」


 「何!」


 「一人一人の強さが別格なの、だから分かれさせたとしても勝てない。

 私を女だと思ってあまく見たでしょ、その時点で負けは決まっている」


 「ほざけ!!!」

 男が火蓮に斬りかかる。


しかし、

 「さらば!」

 スパン。


 男の首は宙に舞い、そして地面に落ちた。

 斬ったのは火蓮だ。


 「この男を見て……お前は何とも思わないようになったんだな」

 

 「………、私は過去に囚われたりはしない。

 もう次の相手は決めているから」


 「鈴風か?」


 「……そうね、向こうはあんまりうろ覚え見たいな感じだし、私が積極的になればよかったかしら?」


 「いいや、お前はそれでいい。

 そっちの方がしっくりくる、それで向こうの方も終わった感じがするな」


 「ええそうね、敵意が無くなったし。

 でもあの気配の感じ感じた事があるわ」


 「……まぁ、姉だからな」


 「ああ、そうね……天雨はどんな顔で居るのかしら」


 「大丈夫だ、天雨ならきっとやれてるさ。

 それでも最後に顔を会わせたのがこんな事だとはな。

 火蓮、天雨と酒でも付き合ってやれ」


 「ちょ、私は鈴風とお話したいんだから」


 「お前も話したい事あるんだろ……お前は元王女なんだから」


 !


 「………何でそれを知っているの?」


 「さあな、一緒にいる内にしゃべったんじゃね?まぁ、俺は今の火蓮がしっくりくるし悪くねぇって思ってるぜ」


 「……天雨と話してくるわ」


 「ああ、行って来い」


 「あのさ……死なないでよ……7ブレイカーの仲間の一人なんだから」


 (フッ、余計な言葉を喋るな)


火蓮は街へ向かうのでした。


 そして残る暴剣。


 「待っててくれだんだろ?律儀なヤツだな」


 するとそこに金髪ショートヘア、胸には青いリボン、ひらひらのスカートを履いた女が木の後ろから現れた。


 「ふふっ、私はそこら辺の野蛮な女ではありませんので」


 「それであんたは何者だ?闇の使者か?それとも何処かの王女か?」


 「私は、クロック街の王女のリンナ・クレステルよ」


 (クロック街……確か時計が有名な街だったはず)


 「魔物の侵攻は冒険者が守ってくれたのか?」


 「ええ、魔物は倒してくれて今は街の警備をしてくれているわ」


 「そうか、それで俺に何のようだ?クロック街からセラス街はかなり遠いが?どうやって来た?」


 するとコツコツ。

 木の後ろから現れたのは赤い髪のショートヘアの男。


 「俺がここまで連れてきた」


 (こいつ、気配を感じなかった?!闇の使者か?)


 「そう警戒しなくていいよ、まぁあんたが思っている通り俺は闇の使者の一人だよ」


 (やはりか)


 「王女を脅迫して、何かしてるんだろ!」


 「………クロック街は消滅している」


 「何!?」


 「冒険者が何人か来たがそいつらはみんな俺によって殺されている、そして魔物によって街人はみんな死んだ」


 「そして王の間で絶望している王女に俺が近付くそしたら王女はこう聞いてきた」


 「なぜ、冒険者は守ってくれないのか。

 7ブレイカーは何をしているんだ…と」


 「そして俺は閃いた、王女に倒してもらおうって。

 そして俺は7ブレイカーがクロック街は守る対象では無いといいそして王女の子は7ブレイカーが始末していったと言った」


 「お前!!!」


 「お前は7ブレイカーの暴剣、私が家族の仇を討つ!!お前だけは!いや!7ブレイカー全員皆殺しにしてやる!!!」


 !

 王女が斬りかかる。


 (くっ!この男、なんて事を言って)


 !


 突然後ろから羽交い締めされる。

 それはあの男だ。


 そして


 「死ねー!!!!」


 グサッ。


 「ぐわあああ!!!」


 「ふふっ、あははは!!!死ね!!死ね!!」

 王女は持っていた短剣で何度も暴剣の胸を突き刺した。


 (うっ……すまない…火蓮……俺は先に逝って……)


 ドサッ。


 「あっははは!!!死んだ!死んだ!!やった、殺してやった!!

 ありがとね、ハルマ」



 「はい、リンナ様。

 残りの7ブレイカーも始末し、仇を討ち取りましょう。

 全ては憎き、冒険者を葬るために」


 「ええ、そうね。

 信じれるのは貴方だけよハルマ」


 「はい、わたくしは王女様と共にあります。

 何処にいようと」


 「ハルマ」

 2人は血で染まりながら抱き合った。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 その頃


 ここはセラス街の地下???


 「あの、私はいつまでここにればいいのでしょうか」

 魔神が隣にいる白い服を着た男に聞く。


 「闇の扉を封じるまでだ、お前が気にする必要は無い」


 「でも!仲間の事が気になって!」


 「……言っとくがお前の仲間、ディアス・マールは死んだ」


 !

 (死んだ!?)


 「どういうことよ!!!」


 「……どうやら敵はこの世界の王女を上手く使い、殺したようだ。

 クロック街の王女をな」


 (クロック街!?あそこは確か)


 「私も駆けつけなくちゃ」


 「行かせるわけには行かない、ここは賢者の部屋だ。

 行った所でここからは出られん」


 「何で……ディアス……ごめんなさい」


 「安心しろ、奴の分まで奴がそいつを殺してくれる。

 絶対に悪を許さない奴がな」


 「誰よそれ、賢者なの?」


 「ああ、我々もそいつの事をあだ名で呼んでいる。

 鬼神きじんとな」


 (鬼神!?賢者はヤバいって言われているけどまだ曖昧だしそれになんなのかしら、この男も変な感じ)


 「そうね、そんな人が居たらいいわね」


 !

 その言葉を言った瞬間まばたきする間もなく隣からとてつもない圧を感じた。


 私は恐る恐る見ると!


 「ひぃ!」

 隣にはものすごい眼光の男が居た。

 頭には小さな角が生えていて、筋肉はムキムキ。

 剣を持っている。


 「お前が魔神か、仇は討ってやる。

 我々は民の味方、民に危害を加えるものはどんな者でも容赦するつもりもない、ましてや闇の使者なら尚更だ」

 

 (この男の眼光、まっすぐ私の心を突き刺す程に鋭い。

 繊細な針のよう。

 信じれるような気がする)


 「お願いします、私の大切な仲間です」


 「ああ、直ぐに終わらせる」

 すると男は一瞬で消えた。


 !


 「消えた!?」


 「奴の所に行った、多分その闇の使者は殺される。

 王女は……まぁ腕1本だろうな」


 「何を?言って?」

 私は考えるまもなく男が帰ってきた。


その手には血まみれの男と女性らしい腕を持っていた。

 

 「そ、それは」


 「こいつがディアス・マールに手をかけた者の手と闇の使者だ」


 「まさか!王女を殺した!?」


 「腕を1本斬っただけだ、血止めもしているし話もした。

 ディアス・マールの亡骸は俺が埋葬しておいた、奴の好きな酒を置いといた」


 「………ありがとう…」


 「気にするな、俺はお前の笑顔を取り戻しただけだ。

 街の為に尽くせ、俺も出来るだけ手伝うつもりだ」


 (この賢者さん、とても優しい人…)


 「まぁこんな感じの男だよ」


 「……あの、覇神は今はどうしているのですか?」


 「覇神は今は街に言って魔物を倒している、生きている」


 「……闇の扉……開けたのは誰なのかしら……」


 「……一人は捕まって居る、国王の後継者だ」


 「え!?」


 「後継者は捕まって、王の裁きを受けた跡だ。

 もう一人はまだ捕まっていないそうだ」


 「……何で扉を開けたんだろう……」


 「さあ、我々には分かりません。

 愚かな者の考え程」


 「少し休憩させて、そしたらあの人と代わるから」


 「いいのか?街に被害が起きるたびにバリアが張られる、つまりお前の魔力を吸うぞ」


 「私はその為に呼ばれたんでしょ?」


 「……いいだろう、だがお前を殺すまで入らせん。

 無理そうなら強制的に代わらせるからな」


 「はい」


 (みんな、頑張って……ミナミちゃん、きっと玉を集めているんだよね……必ず集めて)


 ・・・・・・・・・・・・・・・


 その頃、ミナミ達はと言うとパフェス街にたどり着いていた。

 そして街に入るなり


 「おい!妹を返せ!!!」

 一人の少年が兵士の男に掴みかかる。

 兵士の手には女の子らしき人物が居た。


 「うるせー!!返して欲しかったら闘技場に来るんだな!こいつは商品だよ!」


 (商品……人を!)


 「ミナミ、あれを見て」


 私は鈴音さんの指差す方を向くと捉えられた女の子、その首に。


 「あ、あれは!」

 ネックレスの宝石に黄色い玉がつけられていた。


 「ふざけるな!!」

 少年が殴りかかるが


 「おら!!」


 「うわぁ!」

 兵士の殴りで吹き飛ぶ少年。


 「お兄ぃ」


 「私、言ってくる!」


 「少々お待ち下さい、私もついていきます」

 鈴音さんが言う。


 そして私達は兵士と少年の元へ。


 「うん?何だ、お前らは?」


 「その子を返してあげたらどうですか?」

 私は兵士に向かって言う。


 「あ?ガキが、こいつは商品なんだよ!!欲しいなら闘技場で優勝でもするんだな!!」


 「お前」


 「ミナミさん落ち着いて………兵士さん、私は鈴音っていいます。

 そちらの子を返してもらえませんでしょうか?」


 すると兵士は


 「巫女かよ、クククッあははは!!!この現状で巫女のフリをして大人をからかうんじゃねぇよ!邪魔だ!」

 

 「うわ」

 鈴音は兵士に突き飛ばされ尻もちをつく。


 「お前!!!」


 少年が殴りかかるが


 「邪魔だよ!!」

 男の拳が少年に直撃し吹き飛ぶ。


 そして兵士は女の子を連れて闘技場に行ってしまった。


 「クソ!クソ!」


 ……。


 「……あんた達、助けようとしてくれてありがと。

 だけど、もう関わらなくていい」


 少年が言う。


 「何言ってるの、私はあの妹ちゃんを手に入れるに決まっているわ」


 「おい!まさかお前らも兵士の仲間なのかよ!!」


 「違います、私は冒険者です。

 そして欲しいのは妹さんがつけているネックレスです」


 「ネックレス……もしかしてあの黄色い玉が欲しいのか?」


 「うん、それを集めているんだよ。

 この人は鈴音さん、巫女だよ」


 「巫女!?まさか」


 「ふふっ、私は巫女の鈴音です。

 貴方の妹、取り返しましょう」


 「……いいや、やめたほうがいい。

 勝てないし、毎回勝つ人は同じ人なんだ」


 ……。


 「ミナミ様、何か裏がありそうですね」


 「うん、そうだねメリア。

 頼める?情報収集」


 「お任せください、ミナミ様達は闘技場に参加されるのですか?」


 「当たり前だよ」


 「ちょ!参加しなくていい!諦めるよ………僕は弱いから」


 「何言ってるのよ!!!」

 ヨウコが声をあげる。


 !


 「ここで諦めたら二度と妹ちゃんは帰ってこない。

 ここで諦めてどうするのよ!!」


 「無理だよ!!!あんたらは知らないんだろ、この闘技場のチャンピオンの人を。

 あの人は強い、果てしなく強い。

 だから誰も勝てない、優勝したら妹は何処かに売られる……もしくはもっと酷いことされる。

 ……、僕たちは放浪者だもん、家も無いから」


 「私がいいえ、私達が貴方の妹を取り返してみせる!

 君も参加するよね?」


 「ちょ!ヨウコ、この子は少年だよ!」


 「………参加するよ、僕は闘技場に出るのが夢だし。

 グループで参加出来るから問題ないし」


 「ふふっ、そう言えばお名前は?」


 「僕はライト・バーン」


 「私はミナミ、そして隣に居るのが鈴音さんとヨウコ。

 それでさっきまで居たメイドがメリアだよ」


 「参加するために名前を書きに行こう。

 案内するよ」

 ライトは私達を闘技場まで案内する。


 「……ミナミさん、私は独断で少し調査したい事がありますのですみませんがヨウコさんと参加してください。

 私も参加したいのですけど」


 「気にしないで、私達で闘技場で優勝してみせるから」


 「ふふっ、でも油断しては駄目ですよ。

 何があるか分かりませんし」


 「分かってます」


 そうして数分歩き闘技場にたどり着く。

 入口近くで受付をやっていたので、ライトとミナミ、ヨウコと名前を書いた。


 (待っていろ、僕が助けてやる!)


 (闘技場……楽しみ!)


 (………裏があるかもしれないし、油断せずに行こう。

 ミナミは呑気な顔してるし)


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・




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