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第11話 覇神の力と奇襲する者


 「お前は!」


 「仲間に危害を加えた罪………覚悟しろよ」


 「くっ!バレット!!いけ!!」


 (ふっ!)


 (な!?)


 なんと覇神は何事も無くその場から動かず避ける。


 「嘘だ!俺の技が当たらないわけない!!!」


 「やってみろよ」


 「ほざけ!!!!ブラスターキャノン!!!しねー!!!」


 男から放たれた特大の魔法は覇神めがけて飛んでいく。


 しかし覇神は目を瞑りその場から動かない。


 (覇神!?何を!)


 (クククッ!血迷ったか!だが、俺の技は確実に通用する!俺は闇の使者の中でも上だからな!!!)


 そして


 ドカーン!!!


 「覇神!!!!」


 鈴風の声が響く。


 「くっ………僕が苦戦した……ばかりに……」


 「くははは!!!ザマァ無いぜ!!何が覇神だ!笑わせるな!!避けなかったのを後悔しながら死んだか?マジで笑っちまうぜ!!」


 「ゆ、許さない!」


 「おいおい鈴風……テメェが勝てるとでも?俺がテメェの過去をまた蘇らせてやろうか?」


 !


 「クククッ馬鹿は滅ぶんだよ!!!」


 「それは面白いな」


 !?


 突然の声

 それは覇神の声だった。


 「な!?」

 気配に振り返る男、その瞳に映っていたのは首元に剣が来ている光景だった。


 その直後


 ザクッ。

 ぼとり。


 男の首がゆっくりと落ちて転がっていった。


 「は、覇神………無事なの?」


 「ああ、心配するな。

 あんな攻撃効きもしない」

 覇神の服を見ると汚れている所は無く破れている所も無い。


 本当に効いていないのだろうか。

 不思議に思う鈴風。


 「回復薬だ」

 覇神は倒れる天雨に飲ませた。


 「ああ、ごめん。

 僕が倒せていれば、鈴風に怖い思いも覇神の手助けもいらないはずだったのに」


 「気にするな、天雨はあまり戦いに出たことが無いだろ?それよりかは魔法の方が優秀だったろ?なぜ、剣で?」


 「僕も覇神の様に剣で戦いたくて……でも駄目だった。

 諦めて魔法でやるよ」


 「ふっ、やわな剣じゃ折れる、俺が後で強い剣を教えてやる。

 何も最初から出来る者なんて居ないさ、俺も最初の頃はアイツラにボコボコにされたからな」


 「ふふっ、僕もだよ。

 と言うか7ブレイカーだったみんなボコボコだったじゃん。

 火蓮なんて泣いていたし」


 「鈴風、大丈夫か?」


 「鈴風大丈夫、ありがとう覇神」


 「気にするな、それに奴が言っていた事も気にする必要も無い。

 お前の運命で人生だ、あんな悪党の事で揺れる必要は無い。

 お前はお前だ、鈴風……」


 「鈴風……うん。

 鈴風は頑張ります」


 「よし!それじゃあ取り敢えずは他の所に俺は行ってくる。

 お前らはどうするんだ?」


 「鈴風、ギルドに戻る。

 もしかしたら他の仲間が居るかも」


 「そうか、天雨は?」


 「僕も一度戻って休憩するよ、勿論油断もしないし街に危害を加えてきたら命をかけて戦うつもりだから」


 「そうか、気をつけろよ。

 多分他の闇の使者も居るはずだからな」


 「気をつけて覇神」


 「ああ」


 そうして各々目的の場所へ向かうのでした。


 その頃


 酒場でご飯を食べた後、鈴音から貰ったアイテムで針が指した方向に向かう四人。

 ミナミ、ヨウコ、鈴音、メリア達。


 「あっちには何があるの?」


 「そちらの方向には小さな村があります。

 ハーリ村です、村人はそこまで多くない静かな村ですよ」


 「ふ~ん、私の村と同じだね」


 「ミナミさんも村出身なんですね、私もです」


 「鈴音さんの村はどんな村だったんですか?」


 「私の村はかなり村人が少なく魔物の襲撃も多かった村です。

 私の父と母が居りましたが父は遠くの大陸で消息不明、母は私と同じ巫女だったのですが突然奇襲をくらい命を落としました。

 そして巫女の力は私に流れ、今まで私が巫女として君臨しているのです」


 「へぇ~賢者ってあった時は怖くなかったの?私も見たこと無いから分かんないけど」


 「ふふっ、賢者さん達は怖いイメージと言うかあまり姿を現しませんからね。

 よほどの事が無い限りは動きませんよ、ですが今回の異変は私に依頼するほどの異変ですから。

 賢者さんは強い方達ですよ、もしも会えることがあれば会わせてあげますね」


 「うん、約束だよ」


 「さてとそろそろ見えてくるはずですね」


 鈴音に言われそちらの方を向くと村が見え始めた。


 「よし!競争しよう!」


 「え?」


 「よーいどん!!」


 「ちょ!」


 ミナミが走り出し、その後を追うヨウコ。


 「え〜私も行かなきゃ!」


 「私が持ち上げ運びます!」

 

 「ひゃん!」


 メリアは鈴音を抱きかかえ走り出す。


 (な、メリアさんってこんなに凄い人?私を抱きかかえてスピードが落ちてない)


 そして


 「はぁはぁ」


 「ち、ちょっと待ってよ〜」


 ふらふらとこちらに来るヨウコ。


 「もう〜ヨウコは運動神経が悪いね〜」


 「むぅ〜ミナミちゃんが運動出来るだけ」


 スタッ。


 !?


 空から降りて来たメリア、鈴音を抱きかかえて居る。


 「え?そ、空を飛んでいたの!?」


 「まぁそうですね」


 「ふ、ふぇ〜ん!怖いです〜」

 鈴音はおびえていた。


 「鈴音、ここが言っていた村だよね?」


 「そ、そうです。

 ここがハーリ村です」


 そこは確かに静かな村だった。

 村の中を歩いている人も数人程だった。


 「!」


 針がクルクルと回り始めた。


 「こ、これって」


 「はい、ここにあると言っています。

 長老が持っているかも知れないので聞きに行きましょう」


 「はい」

 そうして私達は長老の家を目指すのでした。


 ………クククッあれは……巫女か。

 その近くにはガキとメイド……護衛だとしたら愚かだな。


 ミナミ達に静かに近づく闇が迫っていた。


 私達は長老の家にたどり着き、中に入ると白いヒゲの生えた高齢の方が居た。


 「ふっほほ〜鈴音ちゃん〜うむ?そちらの者は?」


 「私と共に来てくださる方達です。

 ミナミさんとヨウコさん、メリアさんです」


 私達はぺこりと頭を下げる。


 「そうかそうか、それで何の用じゃ?」


 「あのそちらの玉を渡して貰えませんか?」


 鈴音が指差す方には緑の玉があった。


 「これは村の秘宝じゃ……鈴音さんよ、必要なのか?」


 「はい、闇の扉を閉める為に」


 「や、闇の扉じゃと!?最近、魔物が活発なのはその性か!

 分かった、巫女は賢者と同等の位じゃ。

 持っていって構わん」


 長老は緑の玉を鈴音に渡した。


 「ありがとうございます」


 「それにしても闇の扉が開かれたとは何者が開けたんじゃ?」


 「それはまだ調査中でして、賢者が今調べているので。

 後、7ブレイカーも動かれていますよ」


 「ふぉ〜、7ブレイカーの輩か。

 ガキどもも頑張っているのじゃの、それは何よりじゃ」


 「それじゃあ私達は次の場所へ向かいますね」


 「それはそうじゃ、すまんかったのぅ」


 「いいえ、それでは」


 私も頭を下げて長老の家を出るのだが


 「あの、火蓮と言う人も知っていますか?」

 私が長老に声を掛ける。


 「ふっほほほ、知っておるぞ。

 それは二つ名じゃろ?まぁ良い、あやつは気持ちをうまく出すのが苦手なやつだったのぅ。

 それがどうしたんじゃ?」


 「いいえ、何でもありません。

 ありがとうございます」


 「おっと待つのじゃ、お主………その中に秘めたる力は大切にせよ。

 きっとお主にとっても世界にとっても重要な力じゃからな。

 それじゃあのぅ」


 「は、はぁ」


 私はぺこりと頭を下げて長老の家を出る。


 「ミナミ、何か話していた?」


 「うん、まぁちょっとね。

 さ、行こう!」


 「そうですね」


 私達は街を出て数分歩く。


 (誰かに付けられている)

 気づいたのはメリアだった。


 「ミナミ様、ヨウコ様、鈴音様。

 つけられています」

 メリアは小声で言う。


 「嘘……どうしよう」


 「並ならぬ気配を感じます、もしかすると扉を越えてきた者の可能性も」


 メリアが私達の前に立つ。


 「何者!つけているのは分かるわ!!出てきなさい!!!」


 メリアが叫ぶと

 草むらから現れる不敵な笑みを浮かべた緑髪ショートヘアの男が現れた。


 「けっ、かなり気配を消していたのにバレていたとは」


 「闇の使者の一人でしょ」


 「クククッ!よく分かったな!!!そうだ!!!俺様は闇の使者の一人、ゲレレゲだ!!!

 今から巫女とお前らを始末する!!」


 (くっ、やはり巫女か!多分私達の事は護衛と思っているはず)


 「鈴音さんに手出しはさせない!!」

 私は剣を構える。


 「けっへ!ガキが俺様を止められると思っているのか!ガキとは本当に愚かだな!!!死んどけ!!!」


 !


 カキン!!

 突然の短剣がミナミの目先に飛んできたが剣で弾き飛ばす。


 (な!?今の攻撃が見えている!?)



 「終わりよ!!!闇ジャッチメント!!!」


 !?


 私が剣を突き刺すと黒い闇がゲレレゲに迫り


 「グギャア!!!な、何だこれは!!こ、拘束!?」


 ゲレレゲに絡まりつく闇。


 「ふっふーん!更に!」


 !?


 「何!?」

 ゲレレゲが見上げたそこには光輝く剣で斬りかかるヨウコが。


 「終わりよ!!!ライトスラッシュ!!!」


 「ぐわあああ!!!ちくしょうー!!!」


 そうして光と共に消えていくゲレレゲ。


 「やったね、ヨウコ」


 「うん!」


 「お二人共、お強いのですね。

 凄いです」


 「二人共、危険な事をまたして」


 「ごめんなさい〜メリア」

 2人はぺこりと謝る。


 「まぁ、倒す程の力を得ている事が知れたのでいいですが。

 油断とかしてはいけませんからね」


 「は~い」


 「さてと行きましょうか」


 「はい」


 それを遠くで見る者が。


 「ゲレレゲを一撃で仕留めたあの少女、そして拘束した魔法を使った少女………気になる……あれは我々にとって障害になりうるか」


 「女は強いのよん、ふっふふ……でも私が圧倒的な力であんなガキを倒してあげるよん」


 「ヘマをするなよ、レイ。

 ヤツらはかなり強そうだぞ」


 「あんたよりはマシよん」


 そう言いレイと言う女は何処かに消えた。


 「………」





 

 

 

コメントと評価ありがとうございます。

 誤字脱字もあれば報告よろしくお願いします。


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