第10話 巫女と2人の冒険者
南鈴音・・・黒髪ショートヘアの巫女。
ドジっ子で見た感じはあまりにも弱そうと思うが戦闘能力は賢者が認める程の強さを誇る。
数多の神の力を宿し、その力を振るう。
その頃
ギルドに付いた私達。
しかし、ギルド内は手薄になっており受付嬢がため息を吐いていた。
「セリーナさん、お疲れなお顔ですね」
「!?ミナミさん!それにお二人も、ご無事で何よりです!!
それでダンジョンは攻略出来たのですか?」
「ふっふーん」
私はメリアに目をやる。
メリアは空間収納から黒龍を取り出した。
「ひゃ!ほ、本当に倒してくるなんて!す、凄い!」
「えへへ、そうかな?」
「むぅ、私も手伝ったんだからね」
「分かってるって、みんなの力でだよ」
「そうですか、あの申し訳ないのですが今はギルドマスターは不在でして。
それととんでもない事が起きまして」
「とんでもない事?」
「や、闇の扉が開かれたんです!!」
!?
「や、闇の扉!!!!!」
とてつもない顔で驚くメリア。
私やヨウコは何なのかよく分からずぽかんとする。
「あ、お二人は知らないですよね?闇の扉とは闇の世界と繋がる為の扉なのです。
昔に一度開き闇の者がこの地上を滅ぼそうとしました。
しかし、そこへ救世主が現れ何とか異変は終わったのです。
と、言う感じに闇の扉はとても危険な代物なのですがなぜか扉が開いていてとんでもないことになっているんです!」
「えっと……私達がダンジョンを出た時天空に大陸があったけどあれも闇の扉から出てきたものなの?」
「はい、おそらく収縮した状態で出され地上に出てから収縮を解除したのでしょう。
それでギルドマスターやら冒険者達は遠くに出て街を守っているのです」
「ど、どうしたらいいの?」
「今は何とも………ギルドマスターも居らずどうすればいいか分からないのです」
「うーん」
私達が少し考えているとギルドの扉が開き入ってきたのは男と女だ。
「む?あまり人が居ないな、受付嬢!ここの冒険者は?」
「え?!あの、今先ほど派遣され遠くに行きましたが」
「何!?じゃあここは冒険者が居ないのか!?」
「はぁそうです、今いるのはこの子達だけです」
女と男は私達を見る。
「む?」
女は私に近づく。
「あ、あの何でしょうか?」
「お前、腕が黒いが呪い武器を持っているだろ?」
「は、はい」
「そうか、恥ずかしがる必要は無い。
私もほら」
女は片腕の包帯を取ると黒い腕が現れた。
「それは!?」
「爆炎剣………これも呪い武器なんだ。
地獄の炎の中で作られた剣と聞いている」
「凄い武器なんですね」
「まぁな、それでお前ら名は?」
「私はミナミです」
「私はヨウコと言います」
「私はメイドのメリアです」
自己紹介をする。
「なるほど、私は7ブレイカーの火蓮だそれでこっちにいるが雷土だ」
「いい名前ですね」
「ふふっ、今の名前は二つ名だ。
本当の名前もあるさ。
それよりも、ここにギルドマスターは帰っているのか?」
「まだらしいですよ、セリーナから聞きました」
「そうか、雷土……外で物資の買い物でもする」
「はいはい、分かりました。
それじゃあ俺達はこれで」
そう言い火蓮と雷土はギルドを出て行った。
(7ブレイカーって言っていた………)
「どうするミナミ」
「うーん、ギルドマスターも居ないしどうしよっか。
依頼を受けてもいいけど、この現状で受けるなんて馬鹿だし」
少し考えていると
コツコツ。
ギルドに入ってきたのは巫女だった。
「あの、セリーナさん。
冒険者がこれを」
巫女は瓶の中に入る赤い結晶を渡してきた。
「これは?」
「これはどうやら魔物石らしく、闇の世界にあるものらしいのです」
「確定ね、闇の扉は開かれた。
だけど貴方や他の賢者が封じて居たはずでは?」
「はい、そのはずなのですがなぜ開かれたのか分かりません。
それに魔物が居るのは他の扉を開かれたからだと思われます」
「他の扉!?他があるの!?」
「はい、白い扉と真っ黒の扉があります。
これは巫女の私と賢者しか知りません」
「白い扉が間違いなく開かれているでしょう、後は真っ黒な扉が開かれていないといいですが」
・・・・・・・・・
「ねぇ、あの2人何話しているんだろう」
「いやいや私達が関係ない事です。
何か扉とか魔物とか結晶とか言ってるし」
「ミナミ様、ヨウコ様あの巫女は扉を封じている者の一人、あの方がギルドまで出てくる事は滅多に無いんです。
よほどとんでもない異変が起きています、手を貸すのも良いかと」
「そうだよね」
私は巫女達に近づく。
「あの」
「うん?何でしょうか?」
「私達冒険者何だけど、扉が開かれているらしいから何か手伝える事とか無いですか?」
「そ、そうですね〜………ではこれを」
巫女は針がクルクルと回る物を渡してきた。
「え、えっと……これは?」
「これは扉を封じる為に必要なアイテムがある場所を指すアイテムなのです。
そのアイテムを持ってきてほしいのです」
私に渡された瞬間、針が一点の方向を向く。
「針の刺す先に必要なアイテムがありますどうかお願いします。
勿論私も地上の魔物を倒しながら集めますので」
「あのこの物が無くても大丈夫何ですか?」
「はい、私には分かりますから」
(これも巫女の力なのかな?)
「名前がまだでしたね、私は巫女の鈴音です。
それじゃあよろしくお願いします」
そう言い巫女は出口の扉の方に走っていき
バン!?
私は大きな音にびっくりして向くと鈴音さんが倒れていた。
「え?」
「ふぇ〜ん、いたた」
「………あの、鈴音さん。
私達と一緒に行きません?見た感じドジっ子っぽいですが」
「むぅ〜私は、賢者と同等の巫女なんd!」
ドシン!
床で滑り尻もちをつく鈴音。
「あの、本当に心配過ぎるので」
「鈴音様、私が立派な巫女らしくさせてあげますね。
だから、付いてきてください」
メリアが言った。
「え………うーん、分かりました」
鈴音が仲間になった。
「それじゃあまずはご飯を食べましょう。
お腹が空いていては魔物にも勝てませんし、ヘマをしてしまいます。
ミナミ様とヨウコ様は手を洗ってきてくださいね」
「は~い」
私とヨウコは手を洗いに行った。
「あの、あの子の腕………呪いですよね?」
「そうです、ですが私はミナミ様を嫌いにはなりません。
呪いだけで嫌いになるなんて論外ですから。
それに彼女はそれよりも辛い過去を歩んで居ましたから」
「そう……なのですか。
私は落ちこぼれの巫女だと思いますか?」
「今見た感じだと、そう思いますけど私は鈴音様が巫女をやられているのは凄いことだと思いますよ。
賢者と同等の巫女……きっと貴方はとても凄い方ですよ。
自分に自信を持ったほうがいいですよ」
「ありがとうございます、私も少しだけ自分を好きになれそうです」
「ふふっ、何かあれば手合わせでもしますよ」
「ありがとうございます、メリアさん」
「メリア〜、洗ってきたよ〜」
「はいはい、それじゃあ酒場に行き食べ物を食べましょう」
「は~い」
そうして四人は酒場へと向かうのでした。
その頃
………なんて数の魔物だ………しかも……上位種の魔物まで居る始末。
白い扉付近
来ていたのはアラタとヘルだった。
「かなりの数だな、どうする?倒すか?」
「ああ、あの扉は巫女が言っていたが魔法で閉めれる。
俺達に託したって事は俺達は巫女に信じられている。
それだけ強くなったって事だ」
「まぁな、自分で言うのも何だが確かに強くなった。
だが、あの魔物の数はヤバいぞ」
「ヘル、お前はかなりの臆病だな」
「ちっ、言ってくれるね。
じゃああんたならどうする?魔法で敵陣に穴を開けるのかい?」
「まぁな、俺とヘルに不可能があったか?」
「クククッ、そうだな。
不可能を可能にしてきた、やるか!アラタ!」
「おう!行くぜヘル、魔法を頼む!その瞬間俺が切り込む!!」
「ああ、信じてるぜ!相棒!!我が力は最高なる魔法のタンク、さあ!最大級の魔法をくれてやる!!!
ゴットファイアノヴァ!!!」
!?
突然の魔法に気づいた魔物たち。
しかし反応に遅れ
グキャあっ!!
魔物が魔法により一気に消滅する。
「行くぜ!!!神速斬り!!」
アラタが切り込む。
そして
「終わりだ!!はあ!」
グギャア!!!
最後の魔物もやっつけたアラタ。
「よし!やっつけたぞ!ヘル!!」
「よし!!私も!はあああ!!!」
メルも目を閉じ魔力を扱い扉の戸をゆっくりとだが閉まり始める。
ギギギ。
音を立ててゆっくりと閉まっていく扉。
そして
ガチャリ。
「ふぅ〜」
魔力を解くヘル。
「どうやら成功したようだな」
「まぁな………それよりもここ見ろ」
そこには血溜まりがあり引きずられた後がある。
「行ってみるか」
「ああ」
2人は血の後を追う。
すると
!?
「こ、これは!」
そこには倒れているギルド職員が居た。
服は脱がされており血だらけだ。
「酷い………」
ヘルは職員に近づく。
………。
「死んでるのか?」
「………蘇生魔法を使う」
「ああ、お前らなそうすると思ったよ」
ヘルは職員を横に寝かせ職員のお腹に触れ目を瞑り、魔力を集中させる。
「もしも魔物が来たら頼む、こいつは絶対救う」
「ああ、任せろ」
「我が祈りと共に癒せ、そして戻りて魂よ………この身体に戻れ………我が魔力にて開け………冥府の扉………」
するとグギ
!?
「ゴブリンか!俺がやる!!」
アラタがゴブリンに斬りかかる。
「そして生きろ!目覚めよ!!!はあああ!!!」
するとギルド職員に大きな光る玉がゆっくりと体の中に入っていきそして
「がはぁ!あ……うっ…………私……は?」
ばふっ。
ヘルはギルド職員を抱きしめた。
「あ、貴方……は……へ……る……」
「もう何も言わなくていい、まだ疲れているから寝ていいから」
「……う……ん」
「ふっ!終わりだ!!!」
アラタは魔物を討伐した。
「終わったのか?」
「ええ」
「知り合いだろ?……そいつ」
「どうしてそう思ったの?」
「普通抱きつくまではしない」
「ふふっ、そうよ。
彼女は私の大切な人だから、速く地上に戻りましょ?」
「ああ」
(ふっ、ヘルの女らしい顔をみれたのは久しぶりか?まぁいいもん見れたぜ)
そうしてヘルは職員を背負いアラタと共に地上へと戻るのでした。
そしてまたまたその頃
「げへへ!!!お前らは俺たちには勝てないだよ〜!」
金髪ショートヘアの男が笑いながら言っていた。
相手は
「クソが」
天雨と鈴風だった。
「それに、お前らに助けは来ない。
しかもお前、そう鈴風と言う男にはな!」
!
「僕の悪口はいいが鈴風の事を悪く言うな!!!」
「ショットピストル」
「がはっ!」
!
男の衝撃波が天雨を直撃し吹き飛ぶ。
「残念〜愚か、お前じゃ俺には勝てねぇよ。
それに鈴風……お前はまた失う……宝をな」
!
「………」
(震えてる……鈴風?震えてる?)
「た、宝……」
「そうだ、かなり前お前を襲った悪夢がまた起きる。
そしてまた失う………過去は妹だが……今回は……仲間か?それとも………姉か?」
!
「鈴風、た、たたかう」
「おいおい剣が震えてるぜ?それでやれるのか?そんな事をすれば仲間が死ぬぜ?
いいのか?」
「うっ」
「さて、まずはお前の心を破壊し、鍵を開かせてやる。
仲間の死だ!死ね〜!!」
「やめろ!!!!」
男は倒れる天雨にトドメを刺そうとした。
「一閃……極の断ち」
!?
コツコツ。
「何!?魔法を斬った!だと!」
「おいおい、俺達の仲間に手を出させるかよ…」
!
そこに居たのは覇神だった。
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タイトルを少し変更しました。
+(地上編)