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四章三話 天誅

「早く逃げてください!」

少女三人の必死の誘導を聞き、全力で逃亡を始める人達。

モノ、セノ、ラムダの三人は人をとにかく安全な場所へ向かわせた。

「逃がすと思ったか!」

「フッフッフ、この会場の者は全て生贄。皆殺しにさせてもらう」

長老は八人。まるで虫でも潰すように民衆を魔法で焼いた。

逼迫する状況の中で、アッシュから魔法通話で命令が出た。

『グエルに滞在するアッシュ=ダイアモンドの部下に命ずる。教会の長老を全員拘束、もしくは抹殺しろ。武器は信号魔法と転移魔法の組み合わせにて自動で転送する。無理だったら撤退しろ。わかったな?』

その命令は戦闘許可であった。

あらかじめ用意していた魔力信号を放つと、モノの目の前には両手斧が出現した。

「セノ、ラムダ。私たちは三位一体で戦いましょう。そして、一人の長老を食い止めます!」

「「了解ッ!」」

ところ変わって馬車置き場。

「兄ィ、今の聞いた?」

「ダンナの読み通りのようだな。それにダンナが行った方向でとんでもない力の奔流を感じるぜ」

「急ごう!」

二人も動き出した。


ーーーーー


無属性魔法:一斉配信インストラクションが成功したようで、周りから戦闘が始まった気配がする。

俺は何をしているかというと…

振り下ろされる大剣。砕かれる防御魔法。

勇者の相手である。

どうやって倒そうか、いや、倒す方法はあるのか?

なんだか見たことがあるような顔つきだが、見たことがない挙動の攻撃で俺を狙ってくる。

そしてヤバイのがあの大剣に付与された能力?魔法?である。

解析してみるに、魔法の術式停止だ。

氷属性基調の特殊な力で、俺の防御魔法を脆弱にしてから斬り込んでくる。

俺は剣と銃の一丁一刀流で敵の攻撃を全て回避しながらも応戦した。

何回もこちらの攻撃も当たるものの、刃は耐久性の異常な装備で通らず

、魔法はヒットする前に無効化される。銃に関しては頭に当たっても少しもダメージが入らない。

「おい!もう少し手加減しろよ!このアホーー!」

「………」

支配されてるから応えようがないよな。いや、無効化しろよ!その魔法!

さて、どうしたものか…


ーーーーー


教会八長老の一人である"炎の老師"は聖地グエルの民衆を殺し、魂を集めていた。

「ふん、コレだけの数がいれば勇者の強化も万全であろう」

「お主、何故このように無益な殺生をする?」

「何者だ」

「身共かな?然らば答えて進ぜよう。エド直参旗本、早乙女水之助じゃ。そしてもう一度問う。何故このような無益な殺生をしておる?」

「無益だと?これは平和のための…!」

「ヘゲタレよのう」

「何ッ!?」

「ヘゲタレだと言ったんじゃ、お前さんのような胡乱な者のことを身共の国の田舎ではそう言うんじゃ」

「ふざけおって、貴様も殺してやるわ!」

すると侍の目つきが変わった。

「この傷の水之助と勝負とな?その生命を軽んじる性根、将軍の名の下に成敗致す!」

「ほざけ、炎弾連撃ファイアラッシュ!」

他と比べても高出力な長老の炎魔法の雨が水之助に降り注ぐ。

「ハハハハ!アレだけの口上を述べ立てて、口程にもない。綺麗な月夜じゃ、こんな日には…月夜?」

今の時間は昼、月の光が強く見えるわけがない。

これは、気迫。

「諸翼流、正眼崩し」

スルリと身体を通った一太刀。一切の手応えなく、長老は袈裟懸けに斬られた。

「な…に…!?」

「退屈凌ぎにもならん、もっと辺りを見て参ろうぞ」

「兄上、なんだか妙な状況のようです。落ち着いて行動したほうが…」

「そうですよ。何かあっても困ります」

「ウフフ、まあこの程度では身共の命に指は掛からぬわ」

不敵な笑みを称えた侍は騒ぎの大きな町に繰り出した。


ーーーーー


式典会場の周りでは長老とイザベラたちが熾烈な戦いを繰り広げていた。

「モール長老、さっきの発言は国家への反逆と捉えていいのかしら」

この事件の首謀者筆頭である長老モールは、イザベラを嘲笑いながらこう答えた。

「貴殿に手伝っていただいていたとしたらこのようなことをすることはなかっただろう。この国を完全なる宗教国家にする計画をな」

実は彼らは昔から、イザベラに取り入ろうとしていた。覚醒した聖女の力は万の軍に匹敵するからだ。

「それは駄目よ。宗教組織というものは時が経つと変わっていくもの。だからこそ教会は飽くまでも国家運営の外で協力するという約定になっていたはずでしょ、何故今になって長年守り続けてきたこの国をめちゃくちゃにしようとするの!?」

それはイザベラの心の叫びだった。

国の宗教としてシルヴァー教を定めていたのにも関わらず、その信仰を強制はしない。どんな主義思想を持っていてもその才能を国王に認められれば出世できる。そんなこの国が彼女は大好きだった。守りたいと思ったからこそ、聖女という立場をつづけてきたのだ。それを、仲間だと思っていた者達に裏切られた。

「やかましい、覚醒もしておらぬ小娘が。貴殿のせいで計画がどれだけずれたことか。あの駄竜が死ねば、次は貴殿だ」

イザベラの言葉を聞いても、モール長老はそう吐き捨てた。

「何ですって…?」

王家の義務を蔑ろにされ、家族さえも駄竜と罵られた。

人生で、あまり感じたことのない感情がイザベラの心に現れた。

「貴方達を処刑します。国家反逆及び大量殺戮の罪、あの世で反省しなさい」

「ハハハハハハ!裁判しかできぬ貴様が長老である私を処刑!?笑わせるな、処刑されるのはお前…何!?」

イザベラは天に手をかざした。

「貴方達、いつ何を見て私が覚醒していないと判断したの?この力は、最終手段ってだけよ」

天から降臨する聖槍。その武器の名は、"神の(ディヴァイン)代弁者(ストライク)"

それを手に取ると、イザベラはの周りにはドレスのような鎧に、背に後光が具現化したような金の輪が出現した。

「馬鹿な…馬鹿な!」

「私達の邪魔をするなら、その罪を悔いてこの世から失せなさい!

聖天雷罰パニッシュメント!」

その神聖なる力が閃き、槍先から雷を数十本束ねたような攻撃が長老を消滅させた。そして生きているかのように他所で魂を集めていた長老をもう一人呑み込み、神雷は天へ還った。

「まだ制御不足ね。全員倒すつもりだったのに」

スッキリした、という様子でイザベラは微笑んだ。

所変わって式典会場を挟んで真反対では、ちはやとベルが長老二人を相手にしていた。というより、ちはやがベルを守りながら戦っていた。

「ちょっとベルさん、戦わないなら逃げてよ!」

「イヤだよ、キミから離れたら他の長老に殺されちゃうだろ!それに…」

「それに?」

「僕だけ逃げたら戦ってる皆にカッコつかないだろ」

「じゃあ戦えよ!!放置するぞ!!!」

渾身のツッコミだった。

「待ってよ、分かった!キミに支援魔法を掛けるから!」

どうあっても直接戦う気がないベルに呆れながらも、ちはやはそれでいいやと諦めた。

「はあ、じゃあ二人相手に善戦できるくらいお願いしますよ…」

「僕に任せろ!いくぞ?水神魔法ディヴァイン神からの贈り物(ギフトオブヴェール)

神格を持つものにしか使用できない体系の魔法。その効果は、エネルギーの大量供給と身体性能の向上、そして…

「うわ!魔法の勢いが凄いことに!」

魔力出力の増加である。

「ぬうう、魔法の威力が上がったとて、私の奥義であるこの光盾は貫けぬ!」

「その通り。何もできず、そして儂の氷槍魔法を受けるが良い」

長老たちはそう言って煽ってくる。

しかしちはやは気にしない。

「今なら、思ってたことができるかも!」

ちはやはアッシュに助けられた後、コーラルから魔法の基礎を学んだ。彼女もまた、その時にその才能を開花させた。

アッシュと同じ、いやそれ以上の魔法の才能を。

「"配信開始オンエア"!」

魔法にはエネルギーを使用する。だが、エネルギーを込めた量だけ威力が上がるわけではない。魔法の威力には術式の緻密さ、形、出力によって決定する。

彼女の魔法体系は解析系と空間系の魔法をミックスした自己流。詳しく言うと効果範囲内全ての敵に魔法を強制的に流し込み、防御効果を無視して必中させるのだ。

その名も、"配信魔法ストリーマー"

「無属性魔法:切断カット!」

光盾の内側から発動した魔法は、長老二人に命中しその命を散らした。

「あんな非道いことをして…反省してください!」

「何が起きたかわからないけど…反省しろ、僕に誓ってな!」

四人の長老が倒された。しかし残りの四人はそれを知らず、その知らないまま死んでいく。

聖地グエルの戦火はまだ留まるところを知らない…





こんにちは、一介です。今回の話は面白かったですか?

この物語が好き、このキャラが好きという方は是非いいねや感想、お待ちしています。有識者や先輩ユーザーの方々もアドバイスお願いします!では、また次回お会いしましょう。

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