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二章二十二話 竜の邂逅・聖女

「私の娘と結婚してほしいのだ」

「はあ…?」

なんで?いやなんでやねん!

「あの、娘というと…?」

「私の娘で王位継承権三位であるイザベラだ。どうだ、不足はなかろう?」

だよな。姉と兄がいるとも聞いているが、やはりその人か。

「実は先の戦争が終結してから、我が娘は…」

と、言いかけた時恐ろしい程のノック音が聞こえた。

「ちょっと!聖女様!?王は会議中ですよ!おやめください!」

「開 け な さ い」

あぁ、修羅場だ…

入ってくるなりイザベラは国王にグーパンチ。

ビンタとか平手打ちとかでなく、グー。少々お転婆過ぎるようだ。

「イザベラちゃん!やめなさい!」

「パ…お父様が悪いんです!」

しかし今の拳でびくともしないとは国王、なかなかに強そうだ。

落ち着くと、国王の隣にイザベラさんは座った。

「失礼しました。(わたくし)はイザベラ・シルヴァと申します。教会で聖女の位を仰せつかる者です」

「……アッシュ=ダイアモンドです、どうぞよろしく」

「で、何を話そうとしていたんですか。お父様?」

この一言に、俺と国王は押し黙った。しかし耐えかねた国王が瞬殺で全てを話した。

「結婚、ですって…!?」

嫌なのか?なんか傷つくなあ。イザベラさんはこっちを睨んでいる。

「えっと、嫌なら自分は別にそれはそれで大丈夫っていうか…」

「……シマショウ」

「え?」

「シマショウ!」 

「はい?」

「しましょうって言ってるのよ!!」

ファッ!?絶対断ると思ったのに!

「ヤッタァ!!娘に婿が来たァ!」

「うるさい!」

またグーパンだよ、怖すぎだろ。

とりあえず検討しといてくれとイザベラさんは俺を部屋から出した。

宿に戻り、みんなにあった事を伝えた。

「結婚だって!?アッシュが!?」

「結婚した場合、旅はやめるのじゃな?」

「…そうなるな」

「ダンナ、どうしますか?」

「俺は…正直まだ決断はできない」

仲間が増えた今、俺の独断では決定できない。

「妾はお主についていくだけじゃ。どっちでも好きな方を選ぶが良い」

「俺もだ。もとよりダンナに忠誠を誓った身だからな」

「「………」」

オロコとミスジは決断を俺に委ね、ベルとアメリは黙り込んだ。

「もう少し時間を取ったらどうだ?考えをまとめきれてないやつもいるだろ。しばらくここに滞在しようぜ」

ヘルメスがそう提案した。この意見に全員が賛成し、しばらくここに留まることにした。


ーーーーー


あれから二週間も経ってしまった。最近皆がそっけない気がするな、何故だろうか。ヘルメスは起きたらもう宿にいなかったし、朝飯を食べていると珍しく一人残らず外へでかけていった。

「少し図書館を見てきます」

「ダンナ、闘技場をみてきますね」

「妾は少し郊外を…」

「僕は歌劇がやってると聞いたから行ってくるよ」

「ああ、いってらっしゃい」

ん?ここの歌劇はそこそこ有名だから知ってると思ってたのに二週間で初めていくのか。身支度が済んだので俺もでかけようかな。

「おはようございます!」

「ハァ!?じゃなくて、おはようございます」

聖女イザベラである。

白のワンピースに麦わら帽子を被った可憐な姿だった。それも俺の好みにどストレート…

「今日は一緒に遊びませんか?私、この都に詳しいんですよ」

「是非!!」

というか、断る理由が見つからない。

まず最初に、俺達は市場へ向かった。

この国の首都なだけあって大盛況だな。露店まで並んでいるし、ここは儲かるんだろうな。歩きながら話していると

「そういえばいくつなんですか?ドラゴンだと聞きましたよ」

生まれてから、そうだな…三年か。

「俺は三歳かな」

「え、私より年下だ」

「でしょうね。でも精神年齢で言えば多分同い年だと思いますよ、師匠がそのくらいと言っていました」

「あの、じゃあ…敬語やめませんか?」

「いいんですか?」

「もちろん!少し堅苦しくてイヤだったの」

「じゃ、そういうことでいくか」

なんか恥ずかしいな。

「……ここでご飯にしない?」 

「そうするか」

大衆食堂だ。こんなとこの飯が口に合うのか?いや、俺は大好きだが。

りんごベースのソースがかかった魔物のステーキとパン。味はなんだか前世の焼き肉みたいだな。

「美味しい…」

「初めてきたのか?」

「流石に一人で入るのは気が引けたのよ」

まあ確かに、強面の男も多いしな。そもそも王族だし。

その後は武器屋や魔法具店などを一緒に見て回り、おそろいの魔法具を買ってみたりした。こ

「これ、なんなの?」

「魔力を込めてみ、面白いぞこれ。」

魔力を込めるときれいな音色が鳴った。

「これはな、魔力の波長を読み取って曲が流れる魔法具らしい」

「へえ。私の、きれいね!」

「ハハ!どれ、俺もやってみるか」

あ、魔力入れ過ぎた。咄嗟に空中にぶん投げた。

ボカアァァァァァァン!という音を立てて町の空中で爆散する。

「衛兵に怒られそうだ、逃げようぜ!」

「え?って、速ッ!」

聖女をお姫様抱っこして走っているが、その事実よりも速度に驚いているな。

「ストップ!」

止まるとそこには洒落た飲食店があった。

「ここ、行きたかったの」

そろそろ夕飯時だし、入ってみるか。

「良さそうな店だな。入ろうぜ」

「その前に…降ろして?」

忘れてた。流石にこのスタイルで入ったら恥ずかしいな。

店に入ると、妙な気配がした。が、気のせいか?あそこの客とか、聞き耳を立てているような感じがする。

「いらっしゃいませ」

マスターにも違和感を感じる。作り物みたいな顔の爺さんだな。

カウンター席に座り、とりあえず勧められた料理を注文した。待っていると

「今日は楽しかったわね」

「そうだな、また遊びたいもんだ」

「…えっと、あの件については考えがまとまった?」

「いや、まだだ…少し悩むところがあってな」

これまで仲間を増やしながら旅をしてきたこと、その時間がかけがえのないものだと感じていることを話した。

「でも貴女はどうしようもないくらい馬が合うし、キレイだし、何が正解か迷っているんだよ。それに、まだ旅をし足りないやつもいるだろうしな」

「じゃあ、本人たちに聞いてみない?ほら、後ろをご覧」

「やっぱりいたのか…」

後ろのテーブル席には仲間たちが座っていた。

「俺様の変装が一瞬で見破られるとはな。流石だぜアッシュの旦那」

顔の皮をベリベリと剥がしたマスターはヘルメスであった。

「アッシュ様、実は私達今日の動向をずっと見守っていたんです」

「みんなそこの聖女様に先週くらいに声をかけられたのさ」

ベルがネタバラシをするような感じでそういった。

「ダンナが俺達のことで悩んでいるのは薄々気づいていたんです」

「…此奴らは皆貴様を慕って付いてきておるのじゃろう?」

「……」

「俺様は新参者だが、わかるぜ。旅をやめたくらいでこいつらがアンタのとこを離れることはないってな」

「でも、もし俺が結婚してお前達も俺についてくることになればこの国に縛られることになるんだぞ?」

「アッシュ、僕たちがそんなことを気にするように見えるか?僕たちは君の下にいるのが居心地がよかったからついてきていたんだよ。僕だって最初の町で別れてもなんとか生きていけただろう。でも君についていったんだ。何故なのかなんて、火をみるよりも明らかだ。」

「アッシュ様、我々が待っているのは私たちのための決断でなく、貴方のための決断です」

そうか。俺ってそんなに慕われていたのか、なんだか目頭が熱くなるな。

「わかった。俺は覚悟を決めたぞ」

アッシュは魔法陣を展開した。とても小さな魔法陣だ。その術に刻まれた魔法の名は、物質創造。そして、錬金術。

そこに二つの指輪が現れた。小さな金剛石(ダイアモンド)の嵌った銀の指輪。

「結婚してくれるか、イザベラさん?」

「当たり前よ」

満たされたような気分になった。

「ヤッタァ!ダンナに嫁がきたぞ!!」

「こらミスジよ、静かにせよ」





こんにちは、一介です。今回の話は面白かったですか?

ついにアッシュが婚約してしまいました。おめでとうございます!!

この物語が好き、このキャラが好きという方は是非いいねや感想、お待ちしています。有識者や先輩ユーザーの方々もアドバイスお願いします!では、また次回お会いしましょう。

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