お姉さんの実家
年末年始となり、お姉さんも実家に帰省することとなった。電車に揺られ、三時間余りで実家に着いた。
「ただいま」お姉さんは玄関の扉を開けた。すると中から50代後半くらいの女性が出てきた。
「ああ、千秋、お帰りなさい。疲れたでしょ?今から食事のしたくするから」
お姉さんは靴を脱ぎ、家の中へと入っていった。
お姉さんは、自分が元々使っていた部屋へと入っていった。お姉さんは部屋に入るなり「フゥーッ」と背伸びをし、横になった。部屋には既に暖房が効いていた。母親が機転を利かせて前もって付けといてくれたのだろう。
お姉さんはスマホくんを取り出し、自分の部屋を見せた。
「スマホくん、この部屋は私が元使っていた部屋よ!」
「きれいにしていますね」
「私はこの部屋で勉強とかしてたのよ」
「お姉さんはご兄弟とかいるのですか?」
「姉がいるの。姉はもう結婚して子供もいるわ」
「じゃあお姉さんは叔母さんなんですね」
「そうよ!」
お姉さんはなんだか照れくさそうにいった。
夕方になり、食事の時間になった。
テーブルの上には天ぷらがのっていた。
母親は言った。
「もう少ししたらお父さんが帰って来るわ、食事は私たちだけですませといてくれ、て」
母親は茶碗にご飯を継ぎ、「今日は千秋の大好物よ」と言った。
「お姉ちゃんは明日来るんでしょ?」
「そうみたい」
親子は夕食をほおばりながら、近況を報告しあった。
スマホくんはお姉さんのポケットに入れられ、まんじりと親子の会話を聞いていた。