連絡役
利夫さんから電話があり、お姉さんとスマホくんは利夫さんの自宅を訪ねた。
ある母娘をを紹介された。
「この方たちはレッド・ドーンの元信者さんだ。拷問されそうになって逃げだしてきたらしい」と利夫さんは説明した。
「レッド・ドーンは私の病気を治してくれた事で入信しました。でもその教祖は変な趣味があるんです。女性を拷問してそれを見ながら食事を摂るんです。それでうちの娘が次のターゲットにされそうになったんで逃げ出して来たんです」と母親と思しき女性が説明した。
娘の方はまだ中学生くらいだった。怯えてるよおうな感じだった。
利夫さんは「この二人を僕のマンションに匿おうと思う。僕は隠れ家にいるから何かあれば警察と僕に連絡してくればいい」と言った。
「でも私たち携帯取り上げられているんです」
「じゃあ私がスマホくんを預けておくわ」
お姉さんはカバンからスマホくんを取り出した。
「僕で良ければ」とスマホくんは言った。
親子は目を丸くした。
「すっごーい、スマホが喋った、顔もあるし手足も付いてる」と娘の方が言った。
「千秋、お前は大丈夫なのか」
「私は固定電話もあるし、平気よ」
「そうか、あまり外を出歩かないように気を付けるだぞ」
「スマホくん、何かあったらすぐ利夫さんと警察に通報するのよ!」
「僕でお役に立てるのでしたら…」
「わかった、白石親子の事はスマホくんに任した。千秋、お前も気を付けるだぞ」
「わかったわ!」
利夫さんとお姉さんは部屋を出て行った。
白石親子は不思議そうにスマホくんを見つめていた。
「ハハ… 僕が守りますからね」とスマホくんは言った。