レッドドーンの脅威
タクシーは停止し、お姉さんのマンションに着いた。利夫さんはお姉さんの部屋に入ると、ふう~とため息をついた。
「何か飲み物だそうか、ビールは切れてるけど…」
「ありがとう、お茶でいいよ」
お姉さんはコップに麦茶を注ぎ、利夫さんの前に置いた。
「レッドドーンは凶悪なカルト集団だ、俺は奴らの凶悪な決定的証拠を掴んで、ずっと隠れていたんだ」
「彼らの目的は何なの?」
「日本国の乗っ取り、ネットを使って人々を洗脳し、邪悪な道に突き進ませようとしてるんだ!」
「ヒトラーみたいなものね」
「またその教祖が卑劣な犯罪行為を行っていてね、その教祖が食事中に女性を拷問し、それを鑑賞しながら食事を摂る、てい変った趣味を持っているんだ」
「変質狂ね」
「それで俺はそのシーンを撮影した動画を手に入れた。しかし彼らに命を狙われるようになって、あるところにずっと隠れていたんだ」
「そのシーンはUSBとかに収めてあるの?」
「ああ、ここにある」
利夫さんはカバンを弄り、USBを取り出した。
「これを預かってほしいんだ、君のパソコンでこの動画をアップさせてほしい」
「分かったわ」
「じゃあ俺は隠れ家に戻る。君にまで迷惑をかけられないからね」
「気を付けてね…」
利夫さんは玄関のドアを開けて、去っていった。