スマホくんの友達
スマホくんは最近孤独な気持ちに苛まれていた。お姉さんという話し相手はいるのだが、自分と同類の、自分と対等な立場の仲間が欲しい、と思うようになった。
スマホくんは思い切ってそのことをお姉さんに相談した。
「僕、自分以外にも仲間が欲しいと思うんですけど、どうでしょうかね~?」
「そうねぇ…」
お姉さんは考える仕草をした。
「そうだ、ネットの神様にお願いしたらどう?私スマホくん以外にもタブレットやスマートウオッチを持っているからそれに命を吹き込んでもらったらどう?」
「そうですね、じゃあ今からネットの神様を呼び出します」
スマホくんの顔が画面から消え、仙人のような老人の顔が現れた。
「なんのようかの?」
お姉さんは言った。
「あの、スマホくんが仲間が欲しいようで、私の持っているタブレットやスマートウオッチにも命を吹き込んでくれませんか?スマホくんに命を吹き込んだように…」
「フム、仲間か。確かに寂しいようじゃの、分かった」
ネットの神様の目が黄色くなり、目から青いビームが飛び出し、タブレットに注がれた。するとタブレットの画面に機関車トーマスのような顔が浮かび上がり、細くて黒い手足が伸びて来た。
同じようにネットの神様の目からビームが飛び出し、お姉さんのしてる、スマートウオッチにも注がれ、やはり、スマートウオッチにも顔が現れた。
「ここは何処かな?」タブレットが言った。
「お前たちはここにおるスマホくんの友達としてワシが命を授けたんじゃ!」
「そうなんだ!」とスマートウオッチが言った。
「3人とも仲良くしてくれ。じゃあワシは消えるとする」
ネットの神様が消え、スマホくんの顔が現れた」
「ワァーイ、僕の友達だ」
「良かったわね、スマホくん、じゃああなたはタブレットくん、あなたはスマートウオッチくんと呼ぶようにするわ」
「よろしく、スマホくん」とタブレットくんが言った。
「仲良くしようね」とスマートウオッチくんが言った。
スマホくんは嬉しかった。ネットの神様に感謝した。