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クォーター  作者: トーニ
出会いの海
9/42

リスタート

エピソード1


今まさに、乗船中の中型船が沈没しかけていた…


大きな岩に中型船が激突し、殆どが木材で出来ている中型船の木材が海上に浮かんでいた…


岩にぶつかった衝撃で、船の先端に大きな穴が出来てしまった。


船はバランスを保てず、徐々に沈んでいく…



船の上では、謎の少年タロウとドット団のボスであるドスとの決闘が今決着を迎えた。


「何とかアイツを倒したけど、この先どうしよう?」「チョコは無事なのか?」


沈みゆく船の上では、咄嗟の判断が命に関わってくる。


「!!」タロウはある事を思いついた。


「もしかしたら、上手くいくかもしれないな!」タロウは持っている角笛を目一杯に吹いた…


ー ジャングル以外でこのメロディーが上手くいくか解らないけど…一か八かやるしかない。


「ヒューヒュリー」角笛の音色が海に響き渡った…


『…』


すると…海上に数匹の生き物が、ひょっこりと海上から顔を出した。


「よし!」「成功した」「これでみんな助かるぞ」タロウは動物達の出現で、チョコ達が助かる事を確信した。


角笛のメロディーに誘われ、海の生物たちがタロウの前に現れてくれたのだ。


タロウは先ほど倒したドスを抱え。一際目を引く大きなクジラの上に乗っかった。


「おーい」「お前たち」「近くにオレの友達が、二人遭難しているから助けて上げてほしんだ」


そうタロウが動物たちに指令を出すと、すぐに動物たちは海へ散らばっていった…


ー 5分後、タロウが待つクジラの前に二匹のイルカが現れた。そこには船から海へ投げ出された、ジルとチョコがイルカの背中に乗ってタロウの前へやってきた。


「おーい」「タロウ君ー」


タロウは、クジラの上からチョコ達に手を差し伸べた。「二人とも大丈夫か?」「探したぞ」


「大丈夫じゃないわよ!」「なんとかガレキに捕まって溺れずに済んだけど」「もう少し遅かったら遠くへ流されてたわよ」


二人はクジラの背中に乗せると、ドット団のボスとの戦いを振り返った。


「タロウ君!」「ボスを倒したのね」「やっぱり凄いわね」チョコはまさかあの状況で勝てるとは思っていなかった。


「やっぱりこの角笛のおかげだ」「この角笛は叩いた物や動物を柔らかくするんだ」チョコはタロウの話を聞き、改めて感心した。「いろいろなことが出来るのね!それ」


「そんな凄いものには見えなかったけどね!」「…そういえば、この動物達もタロウ君が呼んだの?」


「ああ!」「この笛の特殊能力の一つで」「近くにいる優しい動物たちを呼べるんだ」タロウは角笛をチョコ達に見せつけ、自信満々の顔をした。


「すごい事はよく分かったわよ…」タロウの自信満々の表情に少しの鬱陶しさを感じた。


「ところで気絶してるボスどうするんだ?」ジルが倒れているドスを指さした。


「ここにいるカメに、さっきまで居た島に運んでもらおうと思ってる」


「そうだな」「ボス以外は全員、島に取り残されてるしな」ジルはタロウの意見に賛同した。


一匹の海ガメ背中にドスを乗せた。「あっちにある島に運んでくれ」「じゃあよろしくなーー」


海ガメに大きく手を振りドスを島へ送り出した…


クジラの上で、残った3人で話し合いが行われた。


「予定通り、私とタロウくんはこのクジラさんに乗せてもらって」「バニラ大陸の港まで行くけどジルはどうする?」


「もちろん俺は、もうドット団には戻れないから」「俺もバニラ大陸まで同行するよ」「そして、何か新しい仕事を始めるよ」「盗賊団はもう懲り懲りだよ」「船もお宝も、もう何処にも無いしな」


ジルは今までの行いをを反省し、真っ当な道に進むと二人に約束してくれた。


「タロウくんが船を岩にぶつけたお陰で」「ボスに殺されるず済んだけど」「ほとんどの荷物、海に流されっちゃったわ」「失った物も多いけど」「とりあえず、3人とも命があってよかったわ」



チョコとタロウは、ジャングルで出会い・敵に捕まった。そして今は二人は晴れて自由も身になった…


「こんな楽しい冒険が外の世界にあるなんて」「…オレ今、最高楽しいよ」タロウは笑顔で今回のトラブルを締め括った。


「私は、全然楽しくなかったわよ」チョコは、タロウ天真爛漫の笑顔に、今までの全てのトラブルがどうでも良くなった。


「じゃあ」「バニラ大陸までよろしくな」タロウはクジラに元気よく指示を出した。


チョコ達は、助けに駆けつけてくれた動物達にお礼を言い、目的地のバニラ大陸を目指した。


エピソード1  完


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