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クォーター  作者: トーニ
憎まれっ子世に憚る
23/42

概要

エピソード4

 

この街は、活気が溢れていた。今年は、3年に一回の武道大会の日である。


この武道大会は、国民の数少ない娯楽の一つである。


この武道大会を見に、多くの国民がこの街にやってくる。そう、国民は刺激に飢えていた…


この大会には醍醐味がる。それは、男達の勝利の雄叫びである。


そして時には、嬉し涙・悔し涙を流す。そんな瞬間を目に焼きつける為に、国民は遥々この地に集まるのである。


一方の選手達の目的は、優勝賞金の1000万ゴールドである。一度でも優勝すれば、一生生活には困る事はない。


そんな優雅な生活を夢見る男達が、大勢この街にやって来た。


自分の力を見せつける為に参加する者、賞金目的で参加する者、もしくは、参加者を見定める為に参加する者…


それぞれの想いは交差する…


街の中心部にある一際大きな建物それは…今回の大会の会場になっている。『コロッセオ』である。



そして、このコロッセオに多くの大会参加者が続々と集まってきた。


大会の参加者は、大会の参加受付の完了の際に集合場所と集合時間を教えてもらっていた。


まだお客が入っていないコロッセオに、全ての参加者約1万人が集まった。


参加者の目の前に、『大会実行委員会』と書かれたタスキを肩に掛けた男達が何人も立っていた。その男の一人が徐に喋りはじめた。



「えー集合時間となりましたので」「今大会の説明をさせて頂きます」



「今回は武道大会…<キャラバン>にご参加ありがとうございます」



「今回は大会参加者は過去最高の参加者数になりました」「本当!めんどくさい…」


「いや失礼しました。つい本音が」「あははは」明らかにスタッフ不足の大会実行委員会が、今回の大会参加者の数の多さに煩わしさを感じていた。


「大会本戦が明日になりますので、明日の本戦までに上位8人まで縛らせた頂きます」「まずは、第二次予選に進むことのできる人数を50人にまで絞らせて頂きます」

すると、進行の男性は一呼吸をすると大きな声で「それでは、第一次予選!」「目的地探索レースの説明をさせて頂きます!」


「この競技は制限1時間以内にこの広い街の何処かにある」「翼の生えた人間の像」「の前まで集合してください」


「えー!質問は受け付けません」「最後に」「本当はもっと人数減らしたかった…」「皆さんすみません。本当です」

進行役の男性の嫌味が終わった所で、また1人の実行委員会が現れた。その男性は大きなドラを持って、進行役の男性の横に着いた。



進行の男性がもう一度喋った「それでは、目的地探索レース!」



「よーーい」「スターート」


『ゴーーーーン』


ドラを持った男性が、勢いよくドラを叩いた。


選手達は心の準備が無いまま、走り出すしか無かった…「わーー」「もう始まったのかよ」



色々な声が混じり合う中、選手達が颯爽と走りはじめた。目的地が分からないままに…


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