そして、今
エピソード0
ー ひょんな出会いから、ココア島の住人であるヒューイの案内でこの島に存在する黄金のサボテンに生える金の針を探しに行く事になってしまったチョコ。
このあと彼女の運命を大きく動かす運命の出会いが生まれるのであった…
「そう言えばさー」「金の針って売るといくらなの?」チョコは率直な質問をヒューイに投げかけた。
「そうだなー?父ちゃんが言うには500万ゴールドだってさ」ヒューイは真顔でこう答えた。
「うっそーー!?そんなにするの」喜んでいるチョコの目が金のマークにヒューイは見えた。
そしてチョコに一つの疑問が生まれた…
「なんでこの村の人たちは、金の針でお金持ちになろうとしないの?」
すかさずヒューイは答えた
「前も言ったけど争いを生む物っていう意味もあるけど、一番は古くから伝わる言い伝えなんだ!」
「言い伝え?」「それって何?」チョコは恐る恐る聞き返した。
「このジャングルには大きな白い蛇がいて、その蛇を弱らせる事ができるのが <金の針>なんだって」
「金の針を失くしてしまうと、白蛇が暴れた時に対抗できなくなり国が滅ぶ…だから金の針は大事にとっておけ」
「これが村の言い伝えなんだ」
ヒューイは村の伝承を細く教えてくれた。
チョコは何かを確信すると、自身の旅はまだ始まったばかりなのだと新たな決意を固めた。
(やっぱり実在したんだ!万能薬!神の子サイゼが教えてくれた話の真相をもう一度奴に直接会って聞いてみないと)
(あの神童のサイゼが言ってたこと全部間違えじゃなかったんだ)
(もう一度会えることが出来れば、サイゼが知っているはずの <鎖>の呪いについて聞き出すことが出来るかも…)
ー 歩くこと2時間後…やっと二人は目的地に到着した。そして、二人は雑談をしながら歩いていると、人らしき声が聞こえてきた。
「もう目的地だよ!誰かの声が聞こえるし、もしかしたら父ちゃん達かも」
ー ヒューイが一足先に開けた場所に出ようとした時。
「ちょっと待って!なんか怪しい雰囲気よ」
チョコがヒューイの手を掴んで動きを止めた。すると、すぐ様チョコをしゃがませた…
そこには、開けた広場があり黄金に輝くサボテンが、神々しく生えていた。
サボテンには無数の針が生えていたが、黄金になっているのは、本体と一本の針だけであった…
ー 黄金の針は一本しかできず、採取できる針に育つまで10年以上かかると言われている。
そんなサボテンの前に4人の大人がいた。
二人の男女はロープに縛られ、もう二人の男は、男女を監視していた。
「もしかしてアレって」「父ちゃんと母ちゃん?」」ヒューイは驚きながらチョコに教えてくれた。
「通りで昨日帰ってこなかったわけだ」「あいつらに捕まってたんだ」
ヒューイは男達を凝視した「しかもアイツら昨日、オイラを追いかけ回してたやつだ」
すると二人組の男達の大きな声が聞こえてきた。
「早くこの黄金の針の抜き方を教えろでダス」大男が夫婦に詰め寄った。
「さもなくば、このジャングルを火の海にするでガス」細男が夫婦を脅迫した。
ヒューイの父親のヒーアが冷静に答えた
「さっきから言ってるだろ!」「まだ時期じゃ無いんだ」「そもそも君たちは何者だ?」
大男が答えた「おれ達は、大盗賊団のドット団だ!ワハハハハ」
すると細男は、『バッコン』と男の背中を思いっきり殴った。「バッキャロ!」「自ら名乗るな!」
「いいから本当の事を言えガス」「港の奴らにそんなこと言われなかったガス」
「アイツらにいっぱい食わされたんだよ」「アイツら観光客を増やすために適当な事言いふらしてるんだ」
ヒーアは精悍な顔で答えた。
大男がヒーア顔に自分の顔を近づけた「だとしても目の前に宝があるのに、おめおめと帰るかでダス」
すかさず細男はヒーアに爪寄った。
「ところで昨日の夜、お前達が運んでいた物は何だガス?」「お宝か?」
「……」
「あの像の事か?」
「あれは三日前にジャングルの奥で見つけた不思議な少年の像だよ」「あんな像がジャングルにあるなんて驚きだよ」「この国の歴史を知るために必要だと思い、持ってきたんだ」「30キロくらいだから、二人で時間を賭けて運んできたんだ!」
細男が少し興味を抱いたのか「そんなに珍しいなら高く売れそうだな…」
「よし!この像はドット団が頂くでガス」
彼らの様子を気付かれない様に観察していたチョコ達であったが…
チョコの頭の上に一匹のクモ現れた。
「きゃーーー」感高い声でチョコが悲鳴を上げてしまった。
「まずいよ奴らにバレちゃうよ」ヒューイがチョコの腕をつかんで走って逃げようしたが…
すぐにドット団の二人にバレ。簡単に捕まってしまったのであった…
チョコは目の目に突然と現れた蜘蛛に驚き、咄嗟に大きな声を出してしまった…
すると、一緒に行動を共にしていた少年ヒューイと共に。盗賊団のドット団に掴まってしまったのである…
チョコとヒューイはドット団に捕まり。体をロープでぐるぐる巻きにされ、動けなくなってしまった…
「ヒューイ!」
「どうしてここに?」ヒューイの父親であるヒーアが、突然ジャングルから現れた自分の息子に驚きいた。
「父ちゃん!それに母ちゃんも!」「二人もコイツらに捕まってたんだね?」「帰りが遅いから心配してたんだよ」
「まさか、コイツらに捕まっていただなんて!」
ドット団の細男はヒューイ親子の会話は聞いて閃いた…
「そうだ!いい事を思いついたでガス」
「おい!親父!」「お前の子供が、痛い目にあいたくなかったら黄金の針の取り方を教えるでガス!」細男はニヤニヤしながらヒーアを脅迫した。
「さずがガスのアニキ」「ナイスアイディアでゲス」大男は、細男と同じく根っからの悪党のようだ。
「親父!俺たちはマジだぜ!」「5秒以内に教えないと、お前のガキをこのナイフでぶっ刺すでガス」
細男はヒーアに考える余地も与えてくれなかった。細男は目をギラつかせながら、カウントを開始した…
「ごー」
「よーん」
「馬鹿なことはやめるんだ」「子供たちは関係ない」「直ぐに離してやってくれ!」
「うるせーよ」細男の全く躊躇してくれない。
「さーーん」
「にーーーい」
「いーーち…」
そしてカウントが0になる手前にヒーアは観念した。
「わかった…」
「教えるから…」「ナイフを離せ!」
「やっと本当の事を喋る気になったでガスな」「初めっから素直になれば良かったでガス」ドット団はしてやったりな顔をした。
「……」
「サボテンに向かって硬い岩のような物を投げつけるんだ…」「そうするとサボテンから黄金の針がこぼれ落ちるんだ…」
「そんな簡単な方法だったでゲスな」大男は普通すぎて逆にびっくりした。
「この方法をすると、黄金の針以外の普通の針がサボテンから全て落ちてしまう」
「本来は自然と黄金の針がこぼれ落ちるのを待つんだ」
「黄金の針はこの地域にとって、白蛇に対抗できる唯一の道具として残して置かなければいけない宝なんだ」
細男はニヤニヤしながら答えた「針の使い道なんかどうでもいいんでガス」「黄金の針が大金に代わればそれだけで満足でガス」「おい!ゲス!硬そうな物探せ」
細男は、大男にサボテンにぶつける硬い物を探させた…
大男は周囲を探していると…ヒーア夫婦が運んていた少年の像を見つけた。「細アニキ〜」「これなんかどうでゲスか?」
「おーいいじゃないか」「これをサボテンにぶん投げろでガス」大男は、細男の指示で少年の像をサボテンの近くまで運び、少年の像を軽々と持ち上げた…
「よーし!」「そのままサボテンにぶん投げろ!」
細男の指示で、大男は勢いよく像をサボテンに投げつけた「いけーー」
大男が何の躊躇も無く少年の像を投げ、黄金のサボテンに像をぶつけた…
『ドッカーン』
今まさにサボテンと少年の像が勢いよくぶつかったと思われた…
次の瞬間!サボテンから生えている黄金の針が少年の像に刺さった!!?
『ピキピキピキ』
少年の像にヒビが入り、全て石で出来ていると思われた少年の像の表面から無数の石のカケラが剥がれ落ちた…
すると少年の像から本当の少年が、姿を現したのであった…
『!!???』
その光景を目の当たりにしていた皆は度肝を抜かれた。
そうな少年を誕生させた細男と大男は、開いた口が塞がらなかった。
その場にいる全ての人間は一瞬混乱をしたが、ドット団の細男は直ぐに冷静さを取り戻した。
すると、ヒューイとチョコの後ろに付き。チョコ達にナイフを突きつけた。
そして、チョコ達を利用し謎の少年を脅した。
「なーんだお前!?」「何者だ」「動くんじゃない」ドット団の二人は、とにかく謎の少年に妙な行動をされては困ると思いチョコ達を使い。
謎の少年の動きを封じようと考えた。
謎の少年は急に喋り始めた…「ここは…」「オレの故郷か?」「少し雰囲気が違うけど…」
動揺が見えない少年に細男は逆に焦った。「その場から動くんじゃないぞ!ガキ」今度はチョコの首にナイフを近づけ少年を脅した。
その瞬間チョコはとっさに声が出てしまった。「助けてーーーーー」
チョコの声を聞いた少年は、顔色を変える事なくすぐに行動に移った。そして、一瞬のうちに少年は姿を消した…
「!?!?」
その場にいる全員が目を疑った。
なんと少年はものすごいジャンプ力で空中に飛び、空中で体を捻り。
地面に落ちる勢いを利用しドット団の後ろにポジションを取った。
ドット団の二人が振り向いた瞬間!謎の少年は自分の両腕を、ドット団の二人に向かってお辞儀をする動作と同時に強烈なパンチを繰り出した。「トサカ・ゴリラの衝撃」
『バッコーーン」少年の両腕か繰り出された強烈なパンチがドット団の二人に炸裂した。物凄い勢いでドット団の二人をジャングルの奥へ吹っ飛ばされていった…
「す、すごい」「こんな人間、初めて見た」
ー ここにいる全員が度肝を抜かれた…そして、ロープで縛られていた全ての人間が助かったと安堵した…
しかし、その安心は直ぐに打ち砕かれてしまったのである…
「ありがとう」「助かったわ」「けど、あなた何者?」チョコが少年に質問をしていた。
「お、オレ!きっとこのジャングルに住んでた…」「オレ初めて人間を見たよ」「お前が女か?」
チョコはこの現実を受け止められずにいた。「とりあえず私たちは悪者じゃないの」「この縄を解いてくれる?」
「…」「わかった」「「悪い奴じゃなさそうだから」「助けるよ」 謎の少年は、何の疑いも無くチョコとヒューイの縄を解いてくれた。
謎の少年が、チョコとヒューイの縄を解き終わった瞬間…
「いいか!お前たち!!」「絶対に動くんじゃないぞ」謎の声が聞こえてきた…
声が聴こえた方角に目配りをすると、縛られているヒューイの両親の後ろに。ガタイのいい男が斧を突きつけ、チョコ達を脅迫してきた。
「物騒な音が聞こえたと思って来てみれば、一体どうなってやがる」周りを見渡すガタイのいい男は、声を荒げてチョコ達を威嚇していた。
「よくもオレの可愛い部下二人をぶっ飛ばしてくれたな…」「お前何者だ!」「本当に人間か?」
ー ヒューイは思い出した。昨日村で黄金のサボテンについて聞き回っていた、3人組を。「忘れてた」「もう一人いたんだった」
「俺様は、ドット団のボス」「ドスだ!」「そこのツンツン頭のガキ」「妙な真似したらこの二人を殺すぞ」
謎の少年は笑いながら答えた
「ははは」
「お前もさっきのヤツと同じことするんだな」少年は動揺しなかった。
少年は間髪入れずに、先ほどと同じように空中に飛んだ…
「妙な真似をするなと言っただろ」ドスは、ヒューイの両親に向けていた斧で彼らを攻撃しようとした。
その瞬間…
少年は空中でドスの動きを冷静に見ていた。空中でドスの真上に立ち、一時停止した少年は超スピードでドス落下した…ドスがヒューイの両親を攻撃する一歩手前で、ドスの頭を勢いよくふん付けた。
「ぐわー」ドスは少年のスタンプ攻撃で地面に這いつくばった。
「早く逃げな」謎の少年は、ヒーア夫婦の縄をほどき、この場から逃げる事を勧めた。
チョコは謎の少年の一連の動きを見て思った。
ー 見た事もない動き。そしてすごいパワー。一体何者?
チョコは、ヒューイとヒューイの両親を先に逃がし。自分自身はここに残る事をヒューイに告げた。「あの子に聞きたい事山ほどある」「だからまだ逃げれない」
謎の少年はドスの持っている斧を遠くに飛ばし、少年は左手でドスの首を掴むと。軽々と持ち上げた。そして早くもドスにトドメをさそうと拳を振り上げていた。
次の瞬間…
何と少年の首から徐々に <鎖> が浮かび上がってきたのだ……
謎の少年に起きた現象を見たチョコは目が飛び出そうな程、大いに驚いた。
ー この少年には鎖がなかったの?そんなはずない。全ての人間は、全員生まれてから死ぬまで<鎖>存在するはずなのに…この子にはない。一体彼は何者なの?
ー けど、この少年がいれば。この世界の謎を知ることが出来るかも…そしてお姉ちゃんの病気の事も解決出来るかもしれない…そう思った。
そんな事を考えている間に、驚くべき事態を目の当たりにしたチョコであった…
「なんだ!?」「全然、力が入れない」少年は力が抜け、膝を着いてしまった。
チョコとドスは何が何だか理解に苦しんだ…
だが、ドスはこれはチャンスと。動揺している少年の頭を力いっぱいぶん殴ろうとした。
すると少年はドスの攻撃を理解し、いつも通りに素早くドスの攻撃を避けようとしたが。
少年の体を重く、避ける事ができずに、モロに攻撃を頭に食らってしまった…
少年は、目の前が真っ暗になり。その場で意識を失ってしまった…
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ー 『石の像の少年』が人間に目覚めた瞬間…チョコ達のいるジャングルから、遠く離れたある場所で…何者?かが現実を受け止められずに狼狽えていた…
『一体何が起きたんだ…』
『<鎖>の封印が解けたのか…』
『いや…それは無い…』
『…が…なった…』
『<鎖>を持っていないものが現れたのか…』
『早く<鎖>を…させないと…』
『大変な事が起こるぞ…』
「………」
「…」
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エピソード0 完