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クォーター  作者: トーニ
旅立ちは、当然に
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到着

エピソード0 「到着!」


ここは、ココア島…60%をジャングルに覆われた未開域の土地が多く存在する島である。


そんなココア島で世界を揺るがすほどの大事件が、今現在勃発していた…




『ピキピキピキィィー』



島の南東に位置する未開域のジャングルで、偶然発見された石で出来た少年の像に現在進行形でヒビが入っていた…


そして、全て石で出来ていると思われた少年の像の表面から無数の石のカケラがボロボロと剥がれ落ちていった…


そして、一呼吸もする間も無く全ての石のカケラが地面に落ちた…


すると!少年の像から本当の少年が、姿を現したのであった…




『バッリーーん』




『!!???』

「一体何が起きたって言うの?」


その光景を目の当たりにしていた一人の少女は、謎の少年の誕生に度肝を抜かれていた…


そんな少女の名前は、<チョコ>

この島に存在する万病を治す薬の元である<白蛇の鱗>を求めてこの島にやって来たであった…


話は遡り…6時間前



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一人の少女は絶賛遭難であった。



「お腹すいたよー」

「ママの手作りパンケーキが食べたいよー」

「体がベタベタだよー」



彼女は今まさにイライラのピークを迎えていた。 

 

少女の名はチョコ。

15歳。薄緑色の髪の女の子である。

サバイバル用の大きめのリュック。そして、何かあった時用の折りたたみナイフを隠し持っている。


彼女はとある目的のため、はるばる地元の町から船を乗り継ぎ一週間かけてこの島にやってきたのである。



「お腹すいたよ」そんなチョコは、空腹に堪えながら万能薬の情報を求め、ひたすらに歩き続けていた…


そして、歩き続ける事2時間!


やっとチョコの目の前にこの島で最初の村が姿を現した。


「やっと着いたー」


喜びも束の間、チョコの目の前に突如トラブルが転がってきた。



村に着いてすぐ、宿泊施設を探すチョコの目の前に突如男の子が飛び出してきた…


『ゴロゴロゴロ!!』


 何回も回転しながら謎の男の子がチョコの前に現れた。


男の子はチョコに対し「おねーちゃん助けて!! 」っと男の子が怯えた表情でチョコに助けを求めたのであった…


「え!!どういう状況?」


チョコは咄嗟に、謎の男の子に質問を投げかけた。


「適に追われてるんだ!」


「え…えーーー!?」


男の子の突飛な言動を目の当たりにしたチョコは、反射的に男の子の手を引っ張り一緒に宿泊施設の隣の建物の裏路地に隠れ、身を潜めた…


5秒ほど経過した時に、体格のいい男たちが3人!男の子を探しているのが、大きな声で伝わった。


「あのガキどこに隠れた」

「まだ遠くに行ってないはずだ!探せ!」


男たちの声が小さくなった頃に、男の子が話しかけてきた…


「おねーちゃん!ありがと!助かったよ! それとずっとここに隠れるのは危険だから僕の家まで一緒に来て!」


男の子はこの村の人間らしく。男の子の家までの近道を知っていると、チョコに教えてくれた。


チョコは、考える暇もなく男の子の家へ案内された…

そしてチョコは助けた男の子に連れられ、村はずれの男の子の辿り着いた…


「お姉ちゃん!ここが僕の家だよ!」


先程の血相をかいた表情とは打って変わって爽やかな笑顔で家に招き入れてくれた。


「君一体何者?」


「どうして男たちに追われていたの?」


チョコは、謎の男達に追われていた男の子に質問をぶつけた。


「挨拶がまだだったね!僕はこのジャングルのレンジャーのヒーアの息子のヒューイって言うんだ」

「今、両親がジャングルの探索で二週間くらい家にいないから…代わりに僕が両親の仕事を手伝っているんだ」


「ちなみに13歳で、彼女はいないよ」


「…」


チョコは、意表を突いた少年のどうでもいい情報に呆気に取られた。


「へーそーなんだ…お父さん立派な方ねー」チョコはツッコミをする事を諦め、本題を少年に投げかけた。


「所で何で君は男達に追われていたの?」


チョコは一番気になっていた質問をヒューイにぶつけた。


「奴らはこのジャングルにある黄金のサボテンを狙っている、悪党なんだ!」



「黄金のサボテン?」



「うん!黄金サボテンは名前の通り、黄金で出来たとても珍しい植物なんだ!何より昔からこの村で守っている島の宝なんだ」

「それで悪党達は、黄金サボテンを横取りする為にこの村にやって来たんだ…」

「そんな物はない。帰れって…追い払ったんだけど…全然効果がなくて…」



「…ところで、おねいちゃんの目的は何?」



「私の目的は万能薬の元になる、白蛇の鱗を探しにきたの!」


「白蛇の鱗の話なら爺ちゃんから聞いたことあるよ」


『!?!?』


「本当!?やったーー」「こんなに早く私の願いが叶うとは思わなかったわよ」

チョコはヒューイの言葉に涙が溢れるほど喜びに満ち溢れた。


しかし…その喜びは一瞬で崩れ去ってしまった。


「…ごめんね!おねーちゃん…本当はこの島には白蛇は存在しないんだ!」


「!!??」

「嘘…」

『ガックシ』


落ち込むチョコに対してヒューイは自分が知る限りの白蛇の情報をチョコに説明した

「爺ちゃんが言ってたんだけど…白蛇の鱗の話はこの村に代々伝わる御伽話なんだって…」


「おとぎばなし…?」


ひどく落ち込むチョコに対して、ヒューイは申し訳無さそうに事の経緯を説明した。


「……」

「そうだ!おねーちゃん!せっかく僕を助けてくれたんだ!お礼に黄金サボテンから生える金の針を一本あげるよ」


「金の針?」


「そう!金の針!その金の針を一本売ればお金持ちになれるんだよ」


「…そんな凄い物を本当に私にくれるの?」


「約束するよ!僕は嘘が一番嫌いなんだ!」


「本当にありがとう〜私こう見えてお金に困ってるの!だから本当に助かるわ」

チョコはビックリしながらも満面の笑みを溢した。


「うん!いいよ」「また生えてくるし」



「そんなに簡単に生えてくるの?」



「全然簡単じゃないよ!」


「へ??』


「一本の針が黄金に変化するのに10年はかかるんだ」「ちなみに今、黄金になってる針は一本だけだよ」


ヒューイの発言に、驚いたが続けてヒューイに質問を投げかけた。


「普通の針が時間を掛けて黄金の針の変化するって事?」


「そうなんだよ!簡単に手に入らないから!お宝なんだよね」


「そんな大事な針を私に上げるなんて勝手に決めていいの?」


「父ちゃんも言ってたけど、黄金があるから変な輩が集まってるくるだって!だからいっそう無い方がいいし。困ってる人に上げなさいってさ」


「うぇーーん!!ありがとーー!いい人も居るもんだねー」

それを聞いたチョコはヒューイが引く程に泣いてしまった。


「おねーちゃん!早速だけど、黄金のサボテンが生えている場所まで出かけるよ!悪い大人に見つかる前に僕達二人で、金の針を探すんだ」


ヒューイの助言を聞いた途端、泣くのをピタッと辞め、ヒューイの指示通り黄金のサボテンを探しに村から出かける決断をチョコは即決した。



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