表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦闘狂世界を渡る。  作者: 南十字
4章 [魔王]
42/68

四十話 守護神

 ただならぬ覇気がグルドガードから溢れ出る。



 物凄い速さでホムラに迫る。



 下段から上段まで、流れるような連撃に対し、ホムラは受け流しきる事が出来ず、宙に吹き飛ばされてしまう。



 左右からクロウと俺が攻撃を仕掛ける。


「桜火乱舞・刃桜」


「闇夜の影星」


 刀で虚空を切る様に振ると、桜の葉の様な炎がグルドガードを襲う。



 更に、真っ黒な小さな魔力弾の群れもまた、襲い掛かる。



 しかし、その全てを腕で払い、そのまま回転して俺達を吹き飛ばす。


「ぐっ」


 思わず呻き声が出てしまう。



 口の中が鉄臭い。



 その時、ルージュから物凄い量の魔力が溢れ、周辺が赤黒く染まる。



 俺達が交戦している中、ルージュが魔力を練っていたのだ。


「ブラッド・デス・スピア!」


 一筋の血の矢がグルドガードの腹を貫く。







 筈だった。



 グルドガードは腕を交差させ防いでいた。



 だが、それでも威力が絶大だったらしく、グルドガードの腕はズタボロになっていた。


「ぬぅぅぁぁぁ!効かぬわぁ!」


 明らかに効いている様だが、自らを騙して鼓舞する様に声を上げる。



 天を仰いで叫んでいたのだが、ちょうどそこへ天に打ち上げられていたホムラが急降下してきた。



 飛び蹴りの様に足を伸ばしている。



 それに気づいたグルドガードは、ズタボロの腕でホムラを払い軌道を変えてしまう。



 軌道が変わった事により、地面を貫き土埃と業火に視界が遮られる。



 土埃から物凄い勢いでホムラが吹き飛んでくる。


「我を倒せぬ貴様らに、魔王様を倒せると思っているのか?楽に殺してやろう」


 土埃を払いながら、その筋骨隆々とした身体を見せつけるかの様に現れる。


「確殺、必殺、滅殺!死ぬが良い!豪流隆覇(ごうりゅうりゅうは)・絶!」


 四肢にオーラが集まる。


「ここで死ぬわけにゃいかねぇんだよ!俺は高みを目指す!

 より強者を、より愉しさを!桜火乱舞・桜風!」


 刀が上段から下段にかけて弧を描く。



 すると、渦巻く炎がグルドガード目がけ、地を削りながら迫る。


「ぬぅあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 それに対しグルドガードは、身体を大きく落とし、バネの様に弾ませて回し蹴りを放つ。


 殺気を纏った剛脚は渦巻く炎と拮抗し、その勢いを弱める。



 しかし、炎と拮抗した事により大きな隙が生まれた。



 炎の渦を貫く様に、別の()()()がグルドガードに迫る。


「な、なにぃ!?」


 火の球の正体は、炎を纏った俺だ。

 刀持ち、限界まで力を込めて切り掛かる。


「桜火乱舞・波の華!」


 横薙ぎに一閃された刃は、グルドガードの首を目がけて吸い込まれる。


「ぬ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」


 グルドガードが咆哮をあげ、身体に力を込める。



 勿論首の筋肉にも力が入り、鋼鉄かと思える程に硬く締まる。



 しかし、俺の炎の前には意味を成さない。

 


 急に炎が泡立つ。



 それはさながら波の花の様。


「死ねぇぇぇぇぇぇ!」


 泡立った炎は、グルドガードの首を削り、燃やし、抉る。



 強烈な痛みに、流石のグルドガードも力が弱まる。



 そして、力の抜けた首に刃が滑り込む。


「や、やめろ!やめろぉぉぉぉぉ!!!」


 首が宙を舞う。



 湿った音を立てて首が地面を転がる。



 ゆっくりと、大きな胴体が倒れ伏す。



「先に進ませてもらうぜ」






 ふと、思ったのだが、守護者の時点でこれだけ強いのだ。

 これよりも先にもっと強い奴が居るのだろう。

 今後を考えると、かなり恐ろしい。



 まあ、今は後回しだ。

 皆かなり消耗しているからな。


「皆、大丈夫か?ホムラなんて見事に吹っ飛ばされてたが」


 ホムラから返答が来る。


「大丈夫。狼は丈夫だから」


 そうか、狼だった…じゃねえよ。狼でもあれは大怪我するだろ…


「私も大丈夫です」


「私も同じく」


 ルージュもクロウも目立った怪我は無い様だ。


「じゃあ、魔王城に突撃だ!」


 距離が近くなり、その巨大さがより強調された魔王城へ、再び歩き出した。

読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字などがありましたら教えて頂ければ幸いです。

評価や感想などもお待ちしてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ