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戦闘狂世界を渡る。  作者: 南十字
3章 [魔王を探して]
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三十三話 類似

 俺達は今、魔王軍の侵攻により滅びた街にやって来ている。



 当然人は居らず、建物も破壊され燃やされている。



 焦げ臭さと腐敗臭が鼻をつく。



 俺達はもう何度も滅びた街を見ている。



 魔王の情報を探して行くと、必然的に侵攻した街の情報も入ってくる。



 この滅ぼされた街を新しい順に遡って行くと、恐らくだが魔王の城に近くなると思い、今は滅ぼされた街巡りをしているのだ。


「はぁ、魔王も人間も、同じですね」


 クロウがそう言う。



 クロウは奴隷として売られていたのだから、人間の悪い面もよく知っているのだろう。


「本質的には変わらない。人間も魔族も自己中心で、異なる者が居たらすぐに排除…本能では無く理性で動いているからその分残酷…私達も人の事は言えないが…」


 ルージュが真剣な顔で言う。



 人間も利益目的で戦争をしているのだ。魔族と何ら変わりない。

 姿形が違うだけで特段悪いとされているが、そこも人間の悪い所だろう。


 

 すえた匂いの中を歩いていると、上空から炎の球が降ってきた。



 炎を放ち相殺する。



 その直後空から大きな影が降りてきた。



 真っ黒な鱗に身を包み、大きな顎門に鋭い牙を並べており、背中には立派な翼膜がある。



 それは、正真正銘のドラゴンだった。


『グルルルル…』


 低く唸り声をあげ、こちらを睨んでいる。



 こちらに走って迫ってきた。

 翼で左右から切り裂く様に攻撃をしてきた。



 その攻撃をジャンプで避け、頭のてっぺん目がけて踵落としを食らわせた。



 怯んだ所でルージュが血で拘束をした。



 次にクロウがドラゴンの足元から闇を爆破させる。



 上に吹き飛ぶが、ルージュの拘束がそうさせない。



 僅かに地面から浮いたところを刀で切り上げる。

 腹から赤い血が滴る。

 その血はすぐさま棘に変化してドラゴンの体を突き刺す。



 弱って動きが鈍くなった。

 クロウが影でゆっくりとドラゴンを包み込んでいく。



 影がボコボコと波打ち、影が剥がれると中から見るも無惨なドラゴンの死体が出てきた。


「弱かったな」


「あれは下級のドラゴンでしたね」


 ルージュがそう言う。



 下級という事はもっと強いドラゴンもいるのか。


「それにしても、あの影は何なんだ?滅茶苦茶強いじゃないか」


 クロウの影が気になったので聞いてみた。


「あれは私の闇魔法です。影でドラゴンを飲み込んで全方位から攻撃、圧縮して倒しました。」


 そんな事も出来るのか、便利だな。


「闇魔法は魔力消費と機動力に難ありですから、工夫して使っているのです」


 クロウがそう付け足す。



 確かに包み込む時ゆっくりだったな。



 取り敢えず、ドラゴンの素材を剥ぎ取る。

 旅は結構金がかかるからな。



 身体が大きいので、かなり時間が掛かってしまった。



 ギルドで素材を売ってみたら、金貨三十枚になった。



 思わぬ大金に冷や汗が流れた。

読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字などがありましたら教えて頂ければ幸いです。

感想や評価などを聞かせて頂ければ嬉しいです。

昨日一昨日と投稿出来ずすみません。色々リアルでごたついていました。

今後もそういう事があると思いますが、何卒ご理解願います。

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