二話 盗賊
3時間は歩いただろうか。代わり映えしない道を歩いていると時間が分からなくなる。
鼻歌を歌いながら歩いていると目の前に変なおっさんが二人現れた。
「殺されたくなければ持ってる物全部おいていけ!」
ナイフを突き付け脅してくる。なので炎の玉を二つ出して、
「君たちのアジトに連れてって。」
そう言うと、おっさん…いや盗賊たちは、怒声を上げる。
「なめてんのかテメェ!そんな玉っころ怖くねえわ!」
盗賊の一人が突っ込んでくる。なので、炎を盗賊に向かって放つ。しかし、素早い身のこなしで盗賊が避ける。
盗賊がナイフを首元めがけて攻撃してくるが、その攻撃を屈んで避け、懐に入り炎を纏った拳で手加減して腹を殴る。すると、盗賊の背中から炎が吹き出してくる。恐らく殴った時の炎が身体を貫通し、内臓を焼いて吹き出してきたのだろう。
その盗賊は、吹き飛ばずに地面に踞るように倒れ、動かなくなった。内臓を焼かれ死んでしまったのだろう。
「ひ、ひいぃぃ!」
もう人の盗賊が悲鳴を上げる。
「君たちのアジトに連れてって。」
「わ、分かりました!なので殺さないで下さいぃ。」
盗賊のアジトに連れてってくれるようだ。優しい人ダナー。
道を外れしばらく歩いてゆくと、洞穴の様なものとその前で警戒している二人の盗賊達が見えた。
なので、案内をしてくれた盗賊を殴ってから洞穴に突撃する。
「こんにちはー!お届け物でーす。あなた達に死を届けに来ました!」
「なんだテメェ!此処が何処か分かってンのか!」
そう言い放ち盗賊が槍で突いてくるが、それを半身になって避け槍を掴んで蹴りを食らわす。勿論炎は纏っているがプレートアーマーのせいで貫通しなかった。
しかし、鉄が赤熱しベッコリと窪んでいる。ただでは済んでいないようだ。
掴んだ槍を奪ってもう一人の盗賊に攻撃をする。突かずに穂先で横に切りつける。
腹を浅く切り裂き、盗賊が怯む。その隙に槍で首を突く。盗賊の首から血が溢れる。槍を抜いて洞穴の方を向く。
「テメェなに晒しとんじゃボケェ!」
争いの音に気付いた盗賊たちが怒号を上げて走ってくる。
盗賊達に炎を浴びせる。擦った者は火傷で済むが、直接浴びた者は、皮膚が黒く炭と化している。
残った盗賊達を槍や炎で葬り、気が付けば盗賊は後一人になっていた。
「貴様!うちの団員を殺しやがって!ぶっ殺してやる!」
「殺せるもんなら殺してみな。」
盗賊の頭らしき男は手斧を二つ持ち、攻撃してきた。
攻撃は素早く威力もかなりあった。その攻撃を躱しながら炎の玉を五つ放つ。
「ロックウォール!」
盗賊の頭が創った土魔法の壁に阻まれてしまった。
「ロックバレット!」
更に盗賊の頭は、土の小さな塊を放ってきた。
俺は槍で防ぎ幾つか打ち返す。まさか打ち返されるとは思っていなかったのか盗賊の頭が少し怯んだ。
その隙を見逃す訳も無く、相手に苛烈な攻撃を叩き込んだ。槍を棒術のように使い石突で顎を穿ち、空いた腹を棒で殴り蹴りを食らわせ最後に心臓を一突き。
盗賊の頭は倒れた。
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