一話 転生
どうも南十字です。
ここから本編に入ります。
眠りから覚めるように、俺は瞼をゆっくと開く。
辺りには沢山の緑が広がっている。
ここはどこだ?どうしてこんな場所にいるのかと記憶を遡る。
…そうだ。俺は刺されて死んだはずだ。
何故生きているのか、もし助かったとしても何故こんな所にいるのかが分からない。
そうやって考えている内に一つの仮説に行き立った。
いわゆる異世界転生だとか転移だとかいうやつか?
あまりにも馬鹿馬鹿しい考えに行き着いたので自分に呆れる。
あまり考えすぎてもいけないのでひとまず周りを散策することにする。
周りには東京には無かった沢山の緑がある。足元には小さな雑草。上を見上げれば空を隠すように広がる木々の葉が。どこを見ても目に入ってくる植物達。
始めは見慣れない植物達に少しの感動を覚えるが、流石に景色が変わらず飽きてくる。
何か面白いものはないかと考えながら歩いていると、何処からか悲鳴が聴こえてきた。
悲鳴の聴こえた方向に走って向かうと崖があった。
崖の高さは建物の二階程度の高さだ。
崖の下を見ると一つの馬車が二足歩行の豚のような生物達に襲われていた。あの生物はオークだろうか。数は10体ほどで、大きさは、2、3メートルほどあった。
馬車の護衛がオークと戦っているが、かなり苦しそうでやられてしまう者も現れていた。
馬車を助けるつもりは無いがオークと戦ってみたかったので崖の下のオークに向かって飛び降りる。
落下している途中に腕を引き全身の力を拳に集めるように力を入れる。そしてオークの頭に狙いを定めて拳を叩き込む。
すると、物凄い熱量の炎が拳から溢れ出し周りを巻き込みながらオークを消し炭にする。大爆発が起き大量の光に包まれる。
光が収まると一つの大きなクレーターが出来、馬車を含めすべての物が灰と化してしまった。
その光景と威力に俺は放心しながら苦笑いをした。
馬車に乗っていた人に対して手を合わせ、クレーターの周りで燻っていた炎を踏みつけて消す。
そして人里を探して歩き続ける。幸いなことに人が通る事があるのか、獣道の様なものが出来ていた。
読んでいただき有り難うごさいます。何か誤字脱字などがありましたら指摘していただければ有り難いです。