十四話 祝、異世界二つ目の国、入国
俺達が街を出て二時間経った。ウィールデン国までは三日程度歩かなければいけないらしいのでまだまだ長い道のりだ。
街道に沿って歩くので、チラホラ人がいる。街道だが、隣が森になっているので稀に獣や魔物が出てくるらしい。
「ご主人様、疲れてない?」
ホムラがこちらを気に掛けてるれている。二時間程度じゃあへばらなぞ。
「大丈夫だ。それよりホムラは大丈夫か?」
「うん。私は全然平気」
「そうか、ならよかった。もし疲れたなら遠慮無く言ってくれ。俺も疲れたら言うから」
「わかった。有り難う」
そこで会話は途切れ、沈黙が流れる。だが、心地の良い沈黙だ。信頼している相手が横に居るだけで、心が通じあっている気がする。
黙々と歩いて行き、日が傾き始めた。
「ホムラ、そろそろ野営地を見つけようか」
「わかった」
街道はあるが、野営地は無い。場所によっては街道沿いに少し開けた広場の様な所もあるが、ここには無いので森に入って開けた場所を探す。道の真ん中で野営なんかしたら邪魔でしかないからな。
今後は街道みたいな比較的安全な所ではなく、危険な所でも野営をするので、今のうちに慣れておこう。
木の枝を拾い、焚き火をする。焚き火は、魔物避けや料理など、色々使える万能君だ。
街で買った生の野菜と鳥のガラをお湯に入れ、スープにする。
次にパンと干し肉を炙る。
今日の夕食は野菜スープと干し肉とパンだ。
スープに干し肉を浸して食べると塩辛いのが落ちて丁度よく旨い。
腹も膨れたので、早めに寝る。今は晩春頃で夜もある程度暖かくなってきたので、薄めの毛布にくるまって寝る。
周りを警戒するために木にもたれ掛かって眠る。ホムラも一緒だ。
二人で並んで寝ると、自然と安心できる。
辺りを警戒しながら浅い眠りに落ちる。
小鳥がさえずる音で目が覚めた。今日も張り切って行こう。
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街を出発してから三日が過ぎた。今俺達は、国の門の前に居る。国の入り口の前には川があり、横幅の大きな跳ね橋が掛かっている。その橋の上は沢山の人が居て、国の活気がすでに感じられた。
門をくぐり抜け、国の中に入ると、大通りとそこから枝分かれする路地が広がっている。
大通りを少し行くと噴水のある広場があり、そこに人々が集まっている。
その人達にギルドの場所を聞いてギルドに向かう。
この国のギルドに着いた。ギルドに入ると、前の街と同じように活気があった。
ギルドの受付に行き、挨拶をする。
「どうも、今日この街に来たので挨拶をしに来ました。Cランク冒険者のエンジです。」
「Cランク冒険者のホムラ…」
「よろしくおねがいします。何か質問や相談がありましたら、気軽に声をかけて下さい」
「分かりました。では早速ですが、良い宿はありますか?」
「そうですね、それでしたら……」
そうして、ギルドへの挨拶を終えた俺達は、旅の疲れを癒すために、お勧めされた宿に向かった。
久しぶりのベッドで、グッスリと眠った……
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