十二話 旅立とうと思うんです。
魔物供を皆殺しにした後、丁度お昼時なのでホムラ達と合流して食事にすることにした。
商店街で歩いていると、前からホムラが走ってやってくる。
俺の目の前で止まった。
「ご主人様。観てください新しい服を買ってきました。」
「おお!似合ってるぞ。」
「ありがと」
ホムラと離していると遅れてギルドのお姉さんがやってきた。
「はぁ、ホントに甘ったるいですね。」
なんのことだろうか?
「なんのことだろうか?って顔しないでください。新しい服を買ってホムラさん、何て言ったとおもいます?
ご主人様に見せたい。ですよ!?
何なんですか!私には彼氏も居ないのに!」
そうだったのか。可愛い奴だな。
八つ当たりで若干キレてるお姉さんを横目にホムラを撫でてやる。幸せそうな顔でこっちまで癒される。
「大丈夫ですよ。お姉さんは美人さんなんですから。」
そう言ってお姉さんをフォローすると顔を紅くしてる。
「な、な、なななっ」
お姉さんがバグってしまった。
お姉さんが治ってからお姉さんお勧めの店に入る。
シンプルでモダンな造りで落ち着く雰囲気だ。
取り敢えず料理を頼んで待っていると、お姉さんが話しかけてきた。
「それで、魔物の狩猟はどうだったんですか?」
「ああ、楽しかったですよ。魔物を寄せる匂い玉を使ったら百体近くの魔物が襲ってきて、なかなかにストレス発散できました。」
「ひゃ、百!?それで無傷だったんですか!?」
「ええ、その後ギルドに素材を売りに行ったら、ホントにFランクなのかって疑われましたよ。ハハハッ!」
「ハハハッ!じゃないですよ!貴方をCランクに昇格させる話があったんですが、もう確定ですね。」
「まじすか」
「ホムラちゃんとエンジさんはCランクでも通用する力があるので。この前の狼は、BランクもしくはAランク程の危険度だったんですよ。」
そうだったのか。結構すぐ片づいたが、そんなに強かったのか。
「へぇ結構すぐ倒せたんですがね。」
「まあ、貴方達の技量とその武器の切れ味のおかげね。確かに柔らかかったけど、それでも素早い動きと風魔法が厄介なんですよ。」
「確かに炎が吹き飛ばされた。」
ホムラがそう言ったが、確かにそうだな。だけど風の動きが炎のおかげで判るから相性は良かったな。
そうやって話していると、料理がやってきた。
俺は魚のムニエル、ホムラはステーキ、お姉さんは生ハムのサラダだった。
この街の主食は小麦なので、パンにムニエルを挟んでなんちゃってハンバーガーにして食べた。うん、美味しい!
そういえば、お姉さんに話さないといけない事があったんだ。
「お姉さん。俺達旅に出ようと思うんです。」
「そうなんですね。寂しくなります。」
「取り敢えず良いとこないですかね?」
「行き先決めてないんですか!?」
「いやぁ成り行き旅でいいかなと」
「はあぁ、ウィールデン国とかどうです?少し遠いですが、周りの魔物が此処よりも強いので貴方には丁度いいでしょう。」
「それなら血が滾りますね。」
「獣人への差別も無いのでホムラさんも安心ですよ。」
「大丈夫。もし変な奴が来たら燃やすから。」
おおう。ホムラさんカッコいい。
食事を終えた後、お姉さんは用事があるらしく解散となった。
午後は旅に必要な物を準備して一日が終わった。
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