第十一話 フルボッコ
俺は今、一人で森の中にいる。
どうしてかというと少し遡ることになる。
悶々として寝れなかった次の日、ギルドのお姉さんがたまたま休みということでホムラの買い物に付き合ってもらった。
俺はホムラに変な気を起こしてしまったため、考えの整理もかねて森に行くことにした。
と、いうわけで今に至る。結構森の深いところで、少し開けているので炎を使ってもある程度は平気だ。
足もとには魔物を寄せるための匂い玉が煙を出している。
「グギャギャギャ!」
早速ゴブリンの群れが来た。数はざっと20匹。
ゴブリンがこん棒片手に殴りかかってきた。
ゴブリンがこん棒を振り下ろす前に、がら空きの胴体を横一文字に一閃。
ゴブリンは上半身と下半身が別れて倒れた。
一体倒れたが、それに構わず集団で襲いかかってきた。
まず先頭の攻撃を軽くしゃがんで避け、通りすぎざまに切りつける。上下で分かれて倒れたがそれに構わず次のゴブリンを逆袈裟で殺す。
ゴブリンが密集して面倒くさいので、地面から俺を中心に噴火のように炎を噴出させる。
第一陣の二十匹は消し飛んだ。
いつの間にかゴブリンが増えており、他にも蛇や猪、オークまでもがいた。
刀を納刀し、居合いの姿勢をとる。炎を圧縮しながら出す。鞘の中にも圧縮しながら炎を出した。その為、刀が解放されようと凄まじい力で飛んでいくのを抑える。
炎をどんどんと溜める。溜める。溜める。
ある程度溜まったところで炎の圧縮を解放する。それにより、音速に迫る速度で身体が射出される。
目の前のオークに到達し、抜刀する。その速度は音速を越え、炎と刀がオークを襲う。
炎がスピードにより、刀よりも遅れて当たる。
オークの首を切ったつもりが凄まじい炎のおかげで、肩辺りから上が消滅していた。
かっこよかったので技名でもつけようかな?
そんなことよりも、居合いの勢いをそのままに辺りの魔物を細切れにする。
敵のど真ん中にきたので、刀を右手に持ち左から右へと弧を描く様に振るう。それにより、炎も扇状に拡散され多数の魔物が死ぬ。
一心不乱に刀を振っているといつの間にか魔物が居なくなっていた。
三十分程振っていただろうか。魔物が弱すぎてあっという間だ。
取り敢えず100体近くの剥ぎ取りはキツイな。刀を振っていた時間よりも剥ぎ取りの時間の方が時間かかってしまった。
誰だよ細切れにした奴!素材が全然ねえよ!
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