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獣肉が禁止になったなら人肉を食べればいい  作者: 翠水晶
第一章 依頼仕事編
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第六話〜奴隷

 煌星が教室に着くまでの間、藍美と桃が話している。

「ここに3本の棒があるだろう?」

「うん、あるねぇ」

「1本だと簡単に折れる」

「折れたねぇ…」

「3本にしても………ん?2本しかないな」

「1本は今藍美が折ったよ」

「あっ…ああ…」

「相変わらずバカねえ…」


藍美はすぐに、紙で棒複数作り…


「ここに9本の棒があるだろう?」

「増やしすぎでしょ」

「だが、折れる」

「そりゃ、紙だからね…」

「つまり雑魚がいくら束になろうが無駄なことだ! 皆の衆! FPSゲームで我には勝てん!」


 相変わらずバカねえ…藍美は、なんかずれてるというか…。まぁ、そこが面白いんだけどね。



「ふっ、我の完全勝利! わかったか、雑魚がいくら束になろうと無駄だと」

「藍美さん強い…」

「ただの頭おかしい人だと思ってたけど…一瞬で…」

「スコープ無し、大ジャンプしながらヘッドショットできるなんて…」

「我を崇めよ! 讃えよ!」


 藍美が調子に乗っていると煌星が教室に入ってきた。

 そして、煌星は見なかったことにしようと、扉を一度閉めて、また入った。


「おはようみんな!」

「「おはようございます! 三美華様!」」


 おい、俺が様付けされてるんだが!? どういうことだ!?


「ああ、みんなに我が頼んだのだ。『三美華姫は魔王に囚われていて、我が助けたのだ』とな!」

「お…私はまず捕まるようなヘマはしない! それに姫は恥ずかしいから…」

「はいはい、みんな席について。朝のホームルーム始まるよ」



「ふぅー! やっとお昼!」

「藍美ちゃん! 桃ちゃん! 一緒に食べよ?」

「姫の御指名とあらば、喜んで」

「三美華ちゃん、なんか昨日よりも可愛くなってる…?」

「私が!? 昨日より!? ないない、どこが可愛くなってるの?」

「んー…口調が甘々系になってる」


 うっ…! 小枝先生か、それともここの生活が楽しいからか…どっちが原因だ!?


「そ、そうなんだ… へぇー…」

「ん? 愛海と沙良に…麗蘭と八生(やよい)がつるんでる? 沙良と麗蘭と八生は仲良いからいいとして…愛海とは絶対に絡まなそうなのに…」

「桃ちゃん!!」

「えっ? あっ…通知来た」


 俺は八生達に悟られないように、トークで『詳しく、だけどバレないようにトークにしよう』と送った。


【八生達は不良というか、問題児で、いじめをやってたの。現に何人かの生徒が、自殺してる。だから、愛海とつるんでるってことは、仲間かターゲットかってこと。】

【なるほど。愛海はそんなことするような子じゃないから、ターゲットだろうね…自殺に追い込ませなんてさせない!】

【三美華ちゃんは愛海と知り合いなの?】

【この学校に来るときに、キラキラした笑顔で案内してくれたよ】

【そういうことね、あの子も笑うんだね】



「オラ! アタシの足舐めろ奴隷!」


 人気のない空き教室で愛海は、いつもの3人にいじめられている。


「はい…舐めます…女王様……」

「ついでに手錠と首輪も付けてあげよーよ! 奴隷って感じするじゃん!」

「いいなっ! 沙良、早速やってくれ! こいつが授業出れなくなって退学したら面白いしな!」


 愛海は手錠と首輪を付けられ、ロッカーに閉じ込められた。


「ハハッ、可哀想だね。机置いて出られなくしちゃえ」

「喉乾くと思うしロッカーの中、浸水させよーぜ!」

「「さんせー!」」



「あれ? 愛坂はどこだ?」


 俺と桃は八生の仕業だと疑ってやまなかった。

 遂に授業に出られなくするほどにエスカレートしてしまった。


「体調悪いって帰りましたよ」


 八生が詐欺師のように伝え、煌星と桃は確信したようだった。


「そうか…常に顔色悪いもんな…」


 

【ねぇ、桃ちゃん、やっぱり八生達が…】

【私も同感。最悪殺されて…】

【愛海ちゃんを探してくる!】

【バカ! 危険だよ!】


「って言っても遅いかぁ…、三美華ちゃん…無事でいてね」



 俺は愛海の名前を呼びながら校内を回った。

 全ての階、屋上、空き教室。全て回ったが、愛海の姿はなかった。


「愛海…どこにいるんだよ…」


 ん? さっきの空き教室の机の配置おかしくないか? まるでロッカーに蓋をしているような…、まさか!


「愛海! ここにいたのか! 心配したんだよ!」


 俺は愛海をロッカーから出し、手錠を椅子の足で千切ろうとした瞬間。

 後頭部を誰かに殴打され、視界が真っ暗になった。


「愛海のせいで転校生までお仕置きしないといけなくなったなぁ?」

「せっかく人気だったのに可哀想だねぇ」

「今どんな気持ちかな? 奴隷ちゃん」



 目が覚めると俺は廃工場とみられる場所にいた。

 拘束はされてないが、愛海が縄で縛られ、吊るされている。下には尖った木材……なるほど、そう来たか。


「お目覚めか、転校生」


 八生…わかりやすく金髪ギャル…こいつが主犯か。


「なんでこんなこと…」

「決まってるだろ? 楽しいからさ! みんなだって娯楽があるだろ? それと同じさ! アタシはこういう根暗を絶望させて、殺すのが娯楽!!」

「流石八生様!」

「麗蘭…それ私が言おうとしてた…」


 沙良は清楚って感じで、麗蘭はアイドルにいそう…、なんでこんな奴らまでいじめなんか…


「なんで愛海は吊るしてるのに私には何もしない…? 逃げたり加害を加えられることは想定していないのか?」

「してるからあの奴隷をいつでも始末できるようにしてるの。それに逃げてくれるなら美味しいし、加害なんて加えられやしないよ。アタシ、中学の時はレスリングやってたしな。それと転校生…いや、三美華ちゃんーー」


 八生は捨て猫を扱うように


「私たちと組まない?」


 煌星を勧誘した。


藍美のFPSゲームの上手さはプロ級で、中学生限定大会では優勝、高校生以下の大会でも優勝を飾っている。

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