第五話〜女子校とか緊張する3
「ふぅ…おまたせ三美華ちゃん」
小枝先生はスッキリしたようだった。
「自分の生徒で変な想像してアウトなことするの…、最低だと思います…」
「三美華ちゃん…。セクハラとか強制性行為よりはマシだと思うよ」
自分で言うか変態教師。
にしても…夕暮れ時の学校ってなんか初めてだな……
「そういえば学校に泊まる先生っているんですか?」
「んー…、人と日によるね。私、今日は泊まるし…あとそうだなーー」
学校は嫌い…。いじめられるし、誰も助けてくれないから…。
家も嫌い…。だって……
「愛海。やっと帰ったか。雑草でも食べて、泥風呂に浸かって失せろ」
母親ですらこんな酷い仕打ち…。
昔はお父さんが助けてくれてたけど…、離婚して、親権が母親に渡っちゃってから全てが最悪だった…
「三美華ちゃん…。助けて…!」
私は虫の鳴き声よりも、雛鳥の鳴き声よりも小さい声で…祈った。
「せ、先生〜、お風呂に入りたいんですけど…着替えって…」
「あー、制服のままで、ノー下着で大丈夫だよ」
おい、変態教師なんて言った?
ノー下着だと? せめてパンツは履かせてくれよ。スカートでノーパンは地獄だろ…
「え…ノー下着…!? 先生何言って…」
「もしかして三美華ちゃんさ、スカートで寝たことないの?」
「あっ…ありますけど…」
ゴスロリ限定だけどな。
「まさか! スカートなのにノーパンで寝ない系なの!? 損してるよ! ノーパンの方が…その…興奮するでしょ?」
「し な い! 俺は変態じゃない!!」
大声で反論すると、煌星は入浴した。
「タイツあっつ…。あと、このスカート通気性悪いから着替えよ…」
学校に風呂あるなんて珍しいな…、女子校ってスゲー。
「俺も女子で産まれていれば…こんな楽しい生活ができたのかな…」
煌星が上がると、小枝先生は涼しげな白ワンピースに着替えていた。
「せ…先生!? どうしたんですかその格好!?」
「あがったんだね、三美華ちゃん。暑かったから着替えたの」
「えっ…お風呂は? まだ入ってないですよね?」
「お風呂は1つしかないなんて言ってないし、私は上がるの早いんだ〜」
「先生。ブラウスの着方わかんないので手伝ってくれませんか?」
「はーい! 上裸男の娘…ふふふ…」
寝間着持ってくればよかったと煌星は後悔したが、今さら取りに行くチャンスがないので諦めたようだ。
「添い寝しよ! 三美華ちゃん! こんな純白ワンピの子と寝れるチャンスなんて滅多にないよ!」
「寝ないです。先生が自分を子付けするのキツいですよ」
「むぅー! 年上甘え系の素晴らしさがわかんないなんて…!」
「わかってたまるか。一緒に寝たら変なことされそうで怖いんですよ」
「えっ? 一応男同士だよ? 流石に一線は超えないよ?」
超えなくてもセクハラは飛んできそうなんだよ! わかんないかなぁ……
「わかりました。勝手にしてください。おやすみ」
「つっめた?! あっ、電気消すよー」
「先生は何で女装してるんですか?」
「ん? 急な質問だね。簡単に言うと…自分の性欲が強いってわかって、痴漢とかしないようにって初めたんだけど…慣れちゃってね? 三美華ちゃんは?」
「おっ…俺!? 俺は…ゴスロリ以外の女物は着ないですし…」
「こだわりがあるタイプかぁ…、いいねっ! 今度ゴスロリ姿見せてよ」
「えぇっ!? なんのために!?」
「制服姿は見飽きたし、ありのままが見たいの。その子に1番似合う服装! だってーー」
小枝先生は暗闇の中、立ち上がり。
「輝いてる子が1番生きてるんだって、輝いてる子が1番人生を楽しんでるんだって、そう思ってるから!!」
いつもの変態要素は微塵も出さずに、教師らしく、活き活きとそう言った。
朝だ。朝特有の暖かさを感じる。だけど…何故か真っ暗で喋れないし、動けない!?
なんだこれ!? 縄で縛られてるのか!? いや、縄で縛られてるだけなら転がってベッドから落ちるはず…! まさか固定されて…
「あっ、ごめんごめん、起きたんだ。待っててね…」
煌星は何かを察し、小枝が煌星の拘束を解くと、強烈なビンタを食らわせた。
「なにしてんだよ!? 昨夜、かっこいいこと言ってたから見直したのに…! なんであんな…」
「個人用に撮影してたの。大丈夫、誰にも見せないから!」
「そーゆー心配もしてるけど! もしかして変なことを…」
まぁ、生徒を縛る時点で変なことしてるんだけどなこの人。
「違う違う! 縄で縛られて動けない子って可愛いじゃん? だから…合意した子のだけ撮ってるの!」
「俺は合意してねぇ!!!!!!!」
「ごめん…煩悩が勝っちゃって…」
「ケセ…イマスグチョウリサレタクナカッタラナ!」
俺がいつものナイフを鞄から突き出すと、変態は慌てて消した。
「ごめんなさいごめんなさい。もう三美華さんにセクハラしません」
「はぁ…申しないならいいけど…って、やっべ!? 8時じゃん!」
「待って! 下着! 着替えの下着着てって!」
誰のせいでノー下着だと思ってるんだこいつ!
「はぁ…行ってきます」
既に学校にいるんだけどな。
色々おかしな連中…小枝先生と藍美しか見てないけど、そんな人たちがもっと、愛海ちゃんみたいな人とも気軽に話せるように、仕事をしないとな…