第二話〜女子校とか緊張する
俺は霧咲煌星、人肉調理師だ。今日、俺は純白の女物の制服を着ている……理由は獲物が女子校にいるからだ。
「髪長くて良かった〜、というか女の子ってこんな着るのめんどくさい制服なのか……」
「女子校はたまに変わった制服があるらしいからね、それが人気の理由らしいよ」
女子は学校選びのときに制服を理由にするって噂、本当かよ。
「じゃあ行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
学校かぁ……拾われる辺りから全然行ったことないなぁ……転校生として振る舞うって話だけど少しおかしくねぇか?
一日ですぐ消えて? んで、生徒五人死亡して? そんなの絶対カオスだろ。
「ここか……花実澤女学院」
いかにもお嬢様学校って感じがするが、お嬢様学校ではないらしい……手続きとか緊張するなぁ……本来、保護者がやるべきことは叶夢さんがやってくれてたらしいけど、入りにくいなぁ……
「ん? 君転校生?」
俺に声をかけてきたのは茶髪の可愛い生徒だった。でも脚に傷があるような……
「はいっ! 転校してきた佐藤三美華です!」
ちなみに今名乗ったのは偽名である、我ながら可愛いネーミングセンスじゃね?
「三美華ちゃんって言うんだ、かわいいねっ! 私は愛坂愛海、愛海って呼んでね!」
俺は愛海に連れられて校長室に行った。愛海が出てったのを確認して、俺と校長が話す。
「君が人肉調理師の……」
「霧咲です。三美華というのはここで過ごすための偽名です」
俺が慣れてない環境で緊張しているのを察知したのか、校長は
「三日間で行っちゃうとはいえ、リラックスできる方がいいだろう。私の笑える話を聞いてくれ」
そんな笑えなかったが緊張はほぐれた。冷蔵庫に石が入っていただの、実はそれが新聞紙だったらだの、新聞紙に下ネタが沢山落書きしてあっただの、笑えなかったが、カオスだった。ってか三日って言ったか? 一日じゃないのかよ!?
「君の教室はここだよ、3年2組、頑張ってね三美華くん」
「はい、ありがとうございます」
自分の生徒が殺されるってのに、すごい余裕だな。いや、よっぽど困ってるいじめっ子達なのか…?
「それではみなさんに転校生を紹介します! 佐藤三美華さんです! 三美華さんは運動神経が悪く、体育の授業は受けられませんが、暖かく接してあげてください」
俺の男バレを防ぐためだろうか、いや、運動神経がよろしくないのは事実だけど……
「佐藤三美華です! 好きな動物は亀ちゃんです! よろしくお願いします!」
「三美華さんの席は右後ろの辺り、愛海さんの隣ね」
ん? 愛海?
「わー! 愛海ちゃんだ! 同じクラスなんだ! 嬉しいねっ!」
「……」
愛海は、あの時とは正反対で暗かった。
「愛海ちゃん……?」
愛海はめちゃくちゃ小さくボソボソ呟いた。
「今は……私に話しかけない方がいいよ……」
なんとなく察した。愛海はこのクラスの誰かにいじめられている。脚の傷も恐らくいじめっ子による暴力行為でできたものだろう。
「ねーねー! 三美華さん可愛いね! 私、子猫飼ってるの!」
「放課後カラオケ行きましょ!」
「面白い恋愛ゲームあるんだけど、見てみない?」
「我は金星人だ!」
はい出た、転校生あるあるのガトリング絡み。エグすぎだろ……ってか一人変なやついなかったか?
「え……ええと……みんなそんなにこられると……聖徳太子じゃないんだから……」
俺が困惑するとみんなは素直に
「そ、そうよね、ごめんなさい」
「いきなりこんなことされたら困るわよね」
「じゃあ一人一人、後で三美華さんと話すのはどうでしょう?」
「「いいわね!」」
「だから我は金星人と言ったであろう?」
あっ自称金星人がビンタされた、すげぇいい音。
「やっと昼休みだー」
この学校の授業、なんか面白かったなぁ…だけど愛海は楽しそうじゃなかったな、いや、楽しそうにするのを我慢してたみたいな……
「三美華さん! お昼一緒に食べましょ!」
「ちょっと! 私も三美華さんがいい!」
「三美華さん、亀が好きなんだよね? 私の苗字亀田なんだ〜」
すんげえモテモテ、でも今の俺は女子高生という設定。我慢だ。
「我は火星人、金星が滅んだか……しかし奴は我々九天王の中で最も最弱……いたっ!」
なんか自称金星人が火星人に転生してるし、九とか多すぎだろ……てか最も最弱ってなんだよ。胃痛が痛いみたいに言うなよ。
「みんなで輪になって食べるのはどうですかね?」
「流石三美華さん! お優しい女神!」
「三美華さんは私の嫁!」
「三美華さんしか勝たん」
「我は水星……ぐはっ! 最後まで言わせてくれよ、桃ちゃん」
俺は愛海が教室から出ていき、何人かの女子生徒も後をつけたのを見逃さなかった。
「私がいると……三美華ちゃんもいじめられる……」
転校してすぐいじめられるのは可哀想だし、三美華ちゃんは人気者で卒業してほしい……
「なぁクソ根暗ちゃん、今日もアタシらにボコられるの楽しみだよなぁ〜? ヒヒヒッ」
名前 性別 年齢 武器とか 外見の特徴 性格
霧咲 煌星、男、十八歳、サバイバルナイフ、華奢で、長髪。女物は基本ゴスロリしか着ないがよくゴスロリを着る。亀が大好き。
林 叶夢、男、二十七歳、不明、男性の平均くらいの外見で、フードを被っている。現在の人肉文化を普及させた、目的は不明。
千歳 蒼羅、男、二十一歳、斧、パリピって感じで銀の混ざった金髪。四琴のツッコミ役。
藤川 奈那、女、十五歳、不明、メルヘンなロリッ娘で、ふわふわツインテール、過去のことがあって女の子が苦手、頭蓋骨を掴むことが好き。