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獣肉が禁止になったなら人肉を食べればいい  作者: 翠水晶
第一章 依頼仕事編
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第九話〜花実澤女学院end

「あのね、君達は大人に勝てると思うのかな?」

「そっちこそたかが青星の住民が、冥王星人に勝てるとでも?」

「め……め? この子頭大丈夫なのかな?」


 桃と煌星は激しく同意した。


「さぁ! 受けるが良い! 竜怒爆(ドラゴンバースト)!」

「ただのボウガンの矢だろ。ドラゴン要素もバースト要素もねぇよ!?」


 三美華ちゃんって、素あんな感じなんだ。

 藍美のせいっていう説もあるかもだけど、矢刺さってる姿もかっこよさが……

 感心してる場合じゃない! 私もやらなきゃだね。


「敵は2人、残り矢も2本。私たちの勝ちで……」


 桃のスタンガンが、美鈴の首を狙い、気絶させた。


「桃ちゃんすっご……」

「使えないわね……! ガキンチョ共が!」


 舞は煌星と愛海の首にナイフを突きつけた。


「なっ! 卑怯だぞ! 姫とその人を放せ!」

「油断してたか…」

「ふふ、降伏なさい! この子達は動けないんだから、実質死亡よね? 死人は動かないんだから!」


 しかし舞の持ってるナイフは煌星の人肉調理器具(レイジ・クトー)である。赤ちゃんでも怪我をしない、もはや凶器とは呼べない物で脅している彼女は、彼からしたらただのバカである。


「怯まないで! 私たちのことはいいから! こいつを!」

 

 煌星は笑いながら熱演した。その様子に、みんなドン引きしている。


「バカな子。恐怖で頭がおかしくなったのかしら」

「バカはお前だ。今のソレは赤ん坊すら殺せない」

「嘘ね。見てたわよ? 2人のガキを滑らかに切る様子を!」

「今は豆腐すら切れませんよ〜」


 藍美の矢が放たれると同時に、舞はナイフを愛海の首に貫通させようとするが、刃が通らないどころか、痛みすら感じていない。

 そのままヘッドショットが決まると、安心した煌星は眠った。



「おはよう! 三美華ちゃんお昼に起きたね」


 保健室……か。ん?昼?


「やべっ! 授業! 先生、着替えを……」

「それなら大丈夫だよ。とにかくランチしながら話そ?」


 テーブルついてるベッドってすげぇよ。しかも、保健室にあるとか夢かよ。ここに住みたい!

 という感想は置いといて。

 俺は昨夜の出来事と、自分が人肉調理師で、虚虐教の人であることを話した。


「知ってたよ。三美華ちゃんがお仕事で来ていて、そのお仕事の内容も。ぜーんぶ」

「え!? 嘘ですよね!?」

「本当だよ? だって依頼したの先生だし」


 煌星は終始混乱し、冷静になった後で『教師ですら手をつけられないほどの問題だったのかな』となんとなく察した。


「じゃあ……、委員長と愛海ちゃんの母親もグルって知っていたんですか?」

「あー、あれはね、逆だよ。母親が委員長に金で依頼して、委員長が例の3人に頼んだ感じだよ。」

「小枝先生……」

「ん? 何かな?」


 煌星は悲しそうな顔をして

「親って何のために子供を産むんでしょうか? 子孫繁栄以外で、何のために、勝手に生み出されるんでしょうか」


それに対し、小枝先生は、ゆっくりと瞬きをし、撫でるような声で

「後継ぎ、サンドバック、快感、不本意、好奇心。色々あるし、大体の親は『幸せにしたい、勝手に産んだから、絶対に幸せにしたい!』じゃなくて『運でやったから感謝しろ。私が産まなかったら君はいなかった、感謝しろ』という考えの人が多いからね。ポジティブな理由で産む人は少ないと思うよ」


 煌星の心に響き、何かを言うとしたが


「あっ! もう食べ終わってたんだ。ごめんね。着替えなくていいから体育館に来てね」

「えっ? あっ、はい……」


言いそびれてしまった。



「主文。佐藤三美華殿。貴方様の功績により、生徒の心が救われたのを賞する。」


 ゴスロリ姿で校長に賞貰うとかどんな光景だよ。せめて制服に着替えさせろや、変態男の娘教師が!


「なかなか目立ってて可愛いじゃないか。三美華ちゃん」

「小枝先生……。恥ずかしかったんですよ……?」

「知ってる知ってる。ごめんね? 意地悪しすぎたね。林さんの家に送って行ってあげるよ」


 煌星は『なんで知ってるの』という表情をし、彼の車に乗せられ、帰宅した。



「はい着いた。荷物忘れないでね」

「ありがとうございました!」

「この荷物、林さんに」

「えっ、おっも!! 重い重い!」

「ごめんね、私たちで運ぼ?」

「「せーのっ!!」」


 外から見ると女2人で大きな段ボールを運んでいるように見えるが、男だ。


「じゃ、私はこれで」

「ありがとうございました!」


「ただいまー!」


 しかし、家には誰もいなかった。


「みんな外出かぁ……」


 と思っていたその時、奈那が煌星に抱きついてきた。


「……お兄ちゃん……お帰り……」

「え!? ただいま」


 奈那が俺に話しかけた!? いつもは話しかけてもガン無視だったのに!? なんで!?


 彼は混乱し、奈那はニコニコしている。



 煌星が舞と対面していた頃。福岡県大川市、宮川ビルの社長室にて。


「はい、ターゲット仕留めましたよ。ちゃんと灰にしたので行方不明扱いで処理されます。それじゃ」


 グレーの服を着た青年が園児ほどの大きさの刃物を持ち、ターゲットを斬り、刃の熱で灰にした。


「近頃は人肉調理師のせいで仕事が減ったな……、こんなん食ったり食わせるとか、頭おかしいだろ」


 だが、奴らも人を殺す職業。素人のはずがねぇ。いつか手合わせしてみてぇな。


愛海は麻酔が切れるまで起きていて、藍美と桃と力を合わせて、煌星を搬送しました。

美鈴と舞は捕縛され、小枝先生が車に乗せ、煌星の送迎ついでに、叶夢に持っていっています。

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