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LAST NIGHT   作者: 瑞希
21/32

22F

俺と女は病院のような消毒液の匂いのする建物の中を警戒しながら歩く。


辺りは真っ白なライトに照らされていて不気味だ。


監視カメラがないか探りながら歩く。

どうやらこの階には監視カメラはなさそうだ。

とにかくエレベーターを見つけなければならない。

すると、女がカツカツと俺の前を歩き始めた。

どうやらこの建物の構造を覚えているらしい。


カツカツと女はなんの迷いもなく進んでいく。

俺はその後を追って後ろからついて歩く。

女はスタスタと歩いてエレベーターの場所にたどり着いた。


俺と女はエレベーターに乗り込む。

88階は…ない。

このエレベーターには50階までのボタンしかなかった。

50階からは別ルートってことか。

俺はひとまず50階のボタンを押してエレベーターに乗り込む。


このままどこかの階で止まらなければストレートにいけるはずだ。

ここまでがあっさりし過ぎて妙に気味が悪い。

本当に歓迎されているということなんだろうか。



俺はエレベーターの中でも周囲に警戒しながら聞き耳をたて、匂いを完治しようとする。

すると、22階に差し掛かった時だった。

エレベーターが急に止まり、扉が開く。

閉めるボタンを押しても全く閉まる様子がない。


どうやらここで何かが起きるらしい。

俺は警戒しながら女とエレベーターを降りる。

すると、突然前から黒い生き物が突進してきた。


俺は何かと目をらす。

目の前から来たのは熊のような耳が生えた子供だった。

牙をむき出し、目は充血していて相当な興奮状態のようだ。

長い爪を俺に突き立てようとガリガリと俺の毛を引っ掻く。


俺は苛立いらだちを隠せなかった。

こんな子供まで遺伝子操作して獣と融合させてしまっていることを今知ったからだった。

きっとこの子は元に戻ることはないのだろう。

それならいっそ…


俺は全身に力を入れて小熊のような子供を抱き抱え、首に爪を一刺しする。

小熊のような子供はその瞬間までギリギリと歯を鳴らしていたが、一瞬で逝ったようだ。


なんの罪もない子供をおもちゃにする施設…

ここは間違いなく悪魔の住む場所だ。

俺はエレベーターの前に戻り、女とエレベーターに乗り込む。

女は少し遠い目をしていたが、やっと我に返ったようだ。


エレベーターのボタンをもう一度押す。

するとまた50階のボタンが光った。


ここから先もきっとヤツらの実験なんだろう。



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