秘密
街をただただ歩く。
人気はあまりなく、少しづつ薄暗くなる。
コンビニのような建物の前でタッチパネルの操作で食べ物と飲み物を買う。
女も携帯食のようなものを2本、買っていた。
路地に腰を下ろして、パンをかじりながら、コーヒーを飲む。
ゴクンッ
俺が1口目を飲み込んだところで女もクッキーのような栄養食を1口カリッと音を立てて噛む。
そして、数回カリカリと音が鳴ったところで食事は終わったようだ。
女は残りの栄養食をポケットにしまい、タバコを出す。
俺は女に声をかけた。
「もう食べないのか。身体疲れるぞ」
女はフッと笑ってこう言った。
女「必要な分だけ取り入れたらあとは必要になった時に補給すればいい。」
俺はこの女の正体を知らない。
一体、人間なんだろうか?
食べ物で栄養を補給しているところを見れば人間にも見えるが…
俺は初めて、女に対しての質問をしてみた。
「お前は人間なのか??俺とは見た目が違うが…」
女は少し遠い目をしてこう答えた。
女「私は…人間のようで人間じゃないかもね。
この街で初めて発見された異種。
私の回復力は初めて発見された時、難病などの病気を治すための研究に使われた。
だけど私は脆かった。すぐ壊れる。
それなのに死ぬことはない。
そして、かけあわせも私の回復力に飲まれて成功しなかった。
だから売られた…」
俺は女の言ってることが嘘だとは思えなかった。
人間は銃で打たれたらそれなりの傷を負うはずだ。
だが、この女にはなんの傷も残っていないようだった。
俺は黙って女の話を聞いていた。
そして、スクッと立ち上がると女に声をかけた。
「行くぞ。」
俺は女と薄暗くなった街を歩き出す。
大きな白い建物まできっとあと1キロくらいだろう。
さっきのカプセルの中身を装備する。
女の持ってる薬の残量はまだフルである。
ここからが本番だ。